【コラム】

理系のための恋愛論

237 地雷を踏まれてカッチーンときてる女の子には

    酒井冬雪  [2007/02/16]

    人間関係において、すれ違いや行き違いというものは、同性同士でもややこしくフクザツなものです。さらに、相手が異性ともなると「女の子の気持ち」や「何をどうしてそう考えるに至ったのか」が、ますます理解不能に思えてしまう男性は多いのではないでしょうか。

    女である私も「女心はむずかしい。人それぞれ、地雷のある場所が違うので、どのあたりに地雷があるかは推測できない」と思うことがあるほどです。

    考えてみると私の場合、
    [女の子]→[いつも堂々巡りの同じグチを言う子、自分の意見をハッキリ言わない子]
    [男子]→[人の悪口を言う人、なぜか自信満々で態度がえらそうな人]
    に、ピクピクきてしまう傾向がある気がしますが、誰にでもそれがあてはまるわけではありません。

    実際に私は幼少のころから気が強かったせいで、おとなしい女の子から、「そうやって何でもいえる人はいいけど、それができない人もいるんだからね」と怒られたことが何度かありました。彼女にとっては、私のように何でもズバッという女が地雷だったはずです。

    女の子それぞれ、人それぞれ行き違いのツボは違うものですが、今日は、女の子と行き違いがあったとき、どのように対処するといいのか? なるべくベストな道をさがす方法について考えていきましょう。

    某鉄鋼メーカーに勤務するTくん(29才)は、クライアントで某ゼネコン勤務のSさん(28才)怒らせてしまったらしく、困っていました。怒らせてしまったらしい……と確信できない言い方をするのは、ハッキリと怒られたわけでも、怒っているところを見せ付けられたわけでもないからです。

    ただ、上司から「Sさんが、担当をTさんからかえてもらうことはできないんですか? いえいえ、ムリですよね。冗談ですよ、冗談~と言ってたけど、何かしたのか?」と聞かれたり、以前だったら打ち合わせの時間がお昼にかかってしまったときは「お昼でもどうですか?」と声をかけるといっしょにランチを食べていたのに、最近は「次の約束が…」と断られてしまったりしたからです。

    表面上はいつもどおりなのだけれど、どこかよそよそしいような気がしないでもない。Tくんは、思い切って、勇気を出して、

    「あの、もしかして、何かきにさわるようなことをしてしまったでしょうか?」
    と聞いてもみましたが、
    「え? 何言ってるんですか~」
    とはぐらかされてしまった。しかし、Sさんはこちらの目を見ていなかったし、否定もしなかったのです。

    クライアントの担当者を怒らせるのは非常にまずい……と心配になったTくんは、職場の同僚の女性に、
    「Sさんにさぐりをいれてもらえないか?」と頼んでみました。すると、

    「ううん、そこまで私を信用してくれてるかどうかわからないし、どっちかっていうとSさんの会社の女の子から話を聞くほうがいいと思いますけど。でも、メールとかで何日か先に会えないかとかアポ取っちゃダメですよ。時間をあたえると、ふたりでTさんの話が何なのか相談しちゃうから。ぐうぜん、そういう機会ができたときに、何気なく聞き出さないと」

    何やらタイヘンそうだし、今すぐにどうこうできないようなので面倒な気もしましたが、とりあえず彼女のいうことを聞いてみることにしたTくんです。

    こうして1週間ほどしたとき、Sちゃんの会社へ打ち合わせにいくと、彼女がたまたま休暇を取ってしまったそうで、彼女の後輩の女性がかわりにTくんのところへあらわれました。

    チャンスと思ったTくんは、打ち合わせをおえた後に「実は…Sさんを怒らせてしまった気がして」と打ち明けてみました。Sさんの後輩の女の子は、わりと表裏のないスナオなタイプだったので、率直にこう教えてくれたのでした。

    「ああー、それはですねー。前にTさんがうちの部長とかみんながいる前で、Sさんに『彼氏いるんですか?』って聞いたからだと思いますよ」
    「えっ?」
    「あのー、何ていうか、Sさんに彼氏の話は禁句なんですよ。彼氏いない歴と年齢が同じみたいで。上司とかはそれを知ってるから、あのときすごい笑ってたじゃないですか。久々なんですよね、Sさんにこの話を持ち出した人って。ふれちゃいけない話題になってて。別に気にしなきゃいいのにね」
    「(あちゃー、それはまずいことをしてしまった…)」

    事態のまずさに気づいたTくんです。「もう、このフォローをするには、Tさんが彼氏になるしかないですよ」

    「…ハハハ」と、青ざめて会社に戻ったTくんでした。帰社した後に、同僚に「これこれこういうワケだった」と事情を話すと、

    「あちゃー。それはもう、しょうがないよ。今度打ち合わせとかでふたりきりになったときに『Sさんは彼氏がいないんですか? キレイで魅力的な人だから、当然モテるだろうなと思って』と恥ずかしいセリフをシャイな感じでいってみるとか。でもねー、そういうことが平気でいえるタイプじゃないもんね。ひたすら何も気づかないフリで耐えるしかないのかな」

    そんなムリ難題を押し付けられるくらいなら、何も知らないほうがよかった……と途方に暮れるTくんなのでした。

    本当にどんなひと言で「行き違い」が生じてしまうのかわかりません。女の子ってむずかしい生き物です。

    しかし「これをいってはまずいかも?」「あれをいってもまずいかも?」と考えすぎてしまうと、今度は何も話すこともできなくなってしまいます。

    ですから、女性に向かってあからさまに失礼なことばをいわない限り、フツウにいつもどおりの会話をしていていいのです。そういう日常の中で、相手を「カチン」とさせてしまったときに、きちんとフォローができればそれでいいのです。謝る、誤解を解く、理由を説明する、言い訳をする、何でもかまわないけれど、相手とコミュニケーションをとるように努力すれば、きっと行き違いから脱出できると思います。

    ケンカをする前より、した後のほうが親密になれることってよくありますが、それと同じなのです。

    ちなみに、前述のTくんは後日、女性ウケのいい同僚に頼んでSさんを飲み会に誘ってもらったそうです。そして、彼にSさんをホメまくってもらい、自分もそれに、「うんうん」「ボクもそう思います」と同意するという方法でフォローをしてみたとか。

    すると、その後、Sさんの態度は軟化したようです。自分ひとりでは対処できないのでしたら、友人に頼んでみるのも手です。

    本当に心やさしく賢い女の子でしたら、どのような行き違いがあろうとも、その理由さえわかって、「ごめんね」や「ありがとう」が言えれば、きっとゆるしくれるものです。

    こちらが一生懸命に、行き違いを正そうとしても「ゆるす」ことのできない女の子だったら「(ああ、そういう子なんだ)」と割り切ってしまってもいいと思います。

    たいていの女性は、やさしく、心が広いものですから、男性のみなさんは照れずに「何か怒らせちゃった?」「ごめん」といってみてほしいです。


    酒井冬雪です。私は「ごめん」といわれるとすぐにゆるしてしまう、ゆるい性格です。でも「ごめんなさい」をいえない男子は多いような気がします。ごめん、といえないタイプがいってくれたりすると、すごく「イイ」と思うので、ぜひともいってみてもらいたいところです。では、また来週お目にかかりましょう。

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