【コラム】

理系のための恋愛論

217 こんな自分に気づいたら

    酒井冬雪  [2006/07/28]

    自分はどうして彼女ができないんだろう?
    特に気になる女の子もいないのはどういうわけなんだろう?

    と、ときどき疑問に思う瞬間がある。そんな男性は多いはずです。

    しかも、疑問に思う理由をよくよく考えてみると、前日にたまたま知り合いから、
    「オマエ、彼女いないの?」
    「彼女いるんですか?」
    と、聞かれたから、
    (そういえば、ここ数年((数年以上かもしれない))彼女もいないし、好きな子すらもいないなあ)
    と気づかされたのであって、けっきょく自分的には、本当に心の底から彼女がいないことを気に病んでいるわけではなかった。そういう人は、けっこう多いような気がします。

    本当に真剣に彼女がほしいと考えている人は、とりあえず合コンに参加させてもらったり、積極的に飲み会に出ていったり、仕事がおわってから自宅でインターネット恋愛に着手してみたり、何かしら努力をしているものです。

    ところが、誰かから「彼女いないの?」と聞かれたときだけ「そういえば、そうだな」と思う人は、その後、特に何らかのアクションを起こすわけでもありません。

    某精密機器メーカーで働くFくん(29才)は、彼女いない歴5年。久しぶりに学生時代のサークルの友人と飲みにいったときに、こちらが驚いてしまうほど、女性陣みんなからあきれられてしまったのです。

    「えええ? 彼女いないの?」
    「やばくない?」
    「5年? 信じられない。どうしちゃったの?」
    「彼女もいないで、休日とか何してるわけ?」

    と、あまりにもしつこく根掘り葉掘り聞かれるので、Fくんは正直に答えました。

    「休日? パソコンいじったり、買い物に行ったり。フツウに過ごしてるけど」
    「買い物って、何の買い物よ」
    「ああ、パーツとか」
    「パーツって? やだ、もしかして秋葉原系じゃないの?」
    「そうだけど」
    「いやー。ネットアイドルとか追っかけてないよね?」
    「メイドさんのお店とか行ってるんじゃないの?」
    「ナマミにしなよ、ナマミに」

    と、勝手に決め付けられてしまったFくんなのでした。そして、飲み会の帰り道、学生時代にいちばん仲のよかった同学年のTちゃんといっしょになると、Tちゃんからもイロイロと質問攻めにあいました。

    「会社にかわいい子とかいないの?」
    「ああー、いるだろうけれど、そういう子はみんな、もう彼氏がいるんじゃないかな」
    「ホントに、ネットアイドルとか、メイドさんを追いかけてるわけじゃないよね?」
    「ああー、そういうところに熱さをかたむける元気はないかもね」
    「何いってんの? それじゃ本当にナマミの女の子以前の問題じゃない。じゃあ、何、自分の熱さはパソコンの組み立てに向けられてるとか、そういう感じなわけ」
    「…‥趣味といえば、それぐらいかな」
    「そっちのほうが問題じゃない。昔から面倒くさがりっていうか、女の子にマメじゃないなと思ってたけど、もうちょっと女の子に気を遣うとか、そういうことを心がけたほうがいいよ」

    そう、やさしく真顔で、聞き分けのない子をさとすように話されてしまったのでした。

    彼女がいる・いない、どちらのほうが楽しいかといったら、やっぱりいるほうが楽しいのではないかと私は思います。たとえば、仕事でいいことがあって家に帰ってきたときに、家にひとりきりで、自分に「乾杯!」してビールを飲むのもいいことです。でも、
    「今日、こんなことがあって」
    「よかったね。すごーい」
    と自分をホメ、いっしょにヨロコんでくれる彼女がいて、いっしょに乾杯してくれるのだったら、そちらのほうがより「うれしい」と思うわけです。

    自分、あるいは趣味にだけ向けているエネルギーや熱さを、少しだけだれか他の人(好きな女の子、気になる女の子)にかたむけてみて、ちょっとがんばってみる。少しだけマメになってみる。そうすることで、今すぐ彼女ができる……とはいわないけれど、少なくとも、イロイロなことを相談でき、女心について教えてくれる友だちができるはずです。

    しばらく女の子と話もしていなかったのに、いきなり本命彼女とうまくいく! というのはむずかしいことです。でも、日ごろから、少しだけでも女の子に意識を向けておき、女の子と話をし、いまどきの女の子事情を聞きかじっておくと、いざというときがきても、そんなにあわてなくてすむものです。

    「そういえば、女の子にぜんぜん興味もってなかったな」

    という自分に気づいたら、今からでも遅くはありません。イロイロなタイプの女の子にアイサツをしたり、やさしくしたりして、日ごろから「女の子を意識する」緊張感をもって、準備というか、女の子慣れをしておいてほしいなあと思います。


    酒井冬雪です。FC東京のホームゲームが長野であったので、行ってきました。長野まで行ったのに……負けるし。ちょっと悲しかったけれど、Jリーグが見られると思えば幸せかもしれません。では、またね。

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