【コラム】

理系のための恋愛論

191 恋人いない同士で遊んでるからダメなのよ

    酒井冬雪  [2005/11/04]

    この間、知人の編集者さん(26才、女の子)がこんな話をしていました。

    「私、ぜんぜん彼氏ができなくて。なんでだろうと思って、自分の姉に相談したんですよ。うちのお姉ちゃん、けっこうモテるっていうか、彼氏を切らせたこととかないタイプなんで。そうしたら『あんたは、彼氏がいない友だちとばかり付き合って、女同士で楽しんでばかりだからダメなのよ。彼氏がいる女の子と付き合ってると、彼氏の友だちを紹介してもらえたり、自分自身も危機感とかが芽生えたりしてくるわけ。わかった?』っていわれたんですよ。それっていえてるかもしれない、と思って」

    さてさて、これって、男性にもあてはめる話でしょうか?

    某製菓メーカーの開発者として働くAくん(27才)は、マジメな仕事人間ですが、彼は同期入社のK(27才)くんと親しくしていました。Kくんは、会社や取引先の女の子からとてもモテています。

    たとえば、幕張で会社のイベントがあったとき、打ち上げに行かずに帰るといったKくんが、イベント会社の何人もの女の子とタクシーに乗り込むところを目撃した、という人もいました。あからさまに美人でかわいい子としか口をきかないとか、取引先の担当者のほとんどと付き合ったことがあるらしいとか、まことしやかなウワサが後を絶たないのでした。

    Kくんと仲がいいAくんは、ときどきそのようなウワサを教えられて、
    「ホントなの?」
    「知ってるんでしょ?」
    と女の子からあれこれ聞かれます。しかし、Kくんとは仕事や趣味の車の話をするだけで、女の子の話をしているわけではないので、
    「そういうのは知らなくて……」
    といっては、女の子を失望させ、困り果てるAくんなのでした。

    ある日のこと、同じ会社で営業職をしているWちゃん(26才)から、Aくんのところにメールが届きました。仕事のことで相談があるので、時間をつくってほしい……という内容です。

    社内でも「キレイ」と評判のWちゃんから「相談にのってほしい」といわれ、Aくんはあわててその週の金曜日、仕事帰りに彼女とふたりで飲みにいく約束を取り付けました。女の子には縁遠い生活を送っているAくんは、しばらく浮かれた気分でいましたが、ハタとあることに思い当たりました

    (よりにもよって、大して親しいわけでもない自分に相談にのってほしい……というからには、もしやその相談の内容は仕事のことというより、Kのことでは?)

    そう気付いてしまったことに、大いにガッカリしたAくんですが、おかげさまで、Wちゃんと会うときも、緊張してガチガチにならず、ゆったりと構えることができました。Wちゃんの相談の中身は、こうでした。

    「会社を辞めようかどうしようか悩んでて」
    「ええ、どうして?」

    驚いて思わず聞き返してしまったAくん。その後のWちゃんの告白は、純真な彼にとっては、ありえない話でした。

    「…‥あの、私がKさんと付き合ってるのは知ってますよね。でも、別れることにしたんです。っていうのも、Kさん、私の他にも、先輩の○○さんと、新人の△△ちゃんとも付き合ってたから。なんだかもう、いたたまれなくて」

    そういいながら、まばたきをして涙をこらえるWちゃん。寝耳に水のAくんは、ことばを失いました。

    「Aさんは全部知ってたんでしょう?」

    彼女に責めるようにいわれ、バカみたいにクビをブンブン横にふることしかできないAくんです。

    「ホントですか?」
    「ごめん、本当に何も知らなくて。Wさんと付き合ってることも知らなかった。オレたち、そういう話はぜんぜんしないんだ」

    Aくんの驚愕の顔を見て、Wちゃんは彼のことばを信じてくれたらしく、ポツポツと事情を説明してくれました。Kくんのケータイでの会話を聞いて、他にも付き合ってる子がいるらしいと察してしまったこと。問い詰めたらあっさりと三股をかけていることを白状されたこと。しかも本命は△△ちゃんだといってあやまられたこと。

    Aくんは、イロイロと話を聞きながら、最後に彼女にこういいました。

    「仕事がキライで会社がイヤというわけじゃないのなら、辞めないほうがいいと思う。オレも誰にも何もいわないし、Kだってしゃべらないから、社内でウワサになることもない。そういう心配は必要ないよ」

    Wちゃんは鼻をクスンクスンとならしながら「もう一度考えてみる」といいました。

    しばらくしてから、Aくんのところにメールがきました。

    > やっぱり、会社は辞めないことにしました。イロイロありがとうございました。また飲みに行きましょう。

    こうして、彼女とプライベートでしょっちゅう会うようになり、ついには付き合うことになったAくんです。

    「Wちゃんと付き合うことになったのも、考えてみればKのおかげかもしれない。Kと親しくなかったら、彼女から『相談がある』って話を持ちかけられることもなかったはずだし」

    笑いながらそう話すAくんでした。

    モテる人というのは、ハタから見ていてうらやましいし、ねたましいし、ハラが立つこともあるものですが、彼らの側にいると、自分の知らない世界を知ることができますし、モテる男を取り巻くイロイロな女の子を見る力もついてきます。モテる人といっしょにいると「どうせ、目当てはアイツだし」と、肩の力を抜いて、照れたり、カッコつけすぎたりせずに女の子と話す技術がついたりするものです。

    「イヤなヤツ~」と決め付けて敬遠するよりは、フツウに親しくしてみて「ほーっ。こんなふうにするのかぁ」と学んでみるほうがいいはず。女性のみならず、男性も、彼女がいる人、モテる人と親しくしてみるのは、けっこういいことだと私も思います。


    酒井冬雪です。先日、久しぶりにMYCOM PC WEBの編集長にお会いしました。彼から、このコーナーは毎週FC東京の話では? といわれ、そんなことはないわーと思った私です。書くのをガマンしてるくらいなのに。では、またね。

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

      2012年5月27日の運勢

      イチオシ記事

      新着記事

      特別企画

      マイナビニュースマガジン