【コラム】

理系のための恋愛論

174 占いを理解できる男になる

    酒井冬雪  [2005/05/27]

    女の子はなぜ「占い」を気にしたり、ハマったりするのだろうか?

    私の周囲の男性を見ると、占いの話を持ち出したときに、理系の男性ほど、
    「なーんで占いなんか気にする?」
    と笑い飛ばす傾向が強い。文系の男性だって
    「そうなんだー」
    と相槌をうちながらも、ちょっと軽蔑……という顔をしているものです。もちろん、女の子の中にも、占いに興味のない人はいるでしょう。けれど、たいていの女の子が、占いには少なからず興味を抱いてしまうものです。

    今回は「占い」とは女の子にとって何なのか? を知り、それにやさしく付き合ってあげられる、やさしい男になる方法について考えてみたいと思います。

    某飲料メーカーの研究室で働くRくん(29才)は、会社のイベントがあったため、久しぶりに本社の営業の人たちと大勢で飲みに行くことになりました。営業部には、見た目もハデでかわいい女性社員がわりといて、その中でも特に2つ後輩のTちゃん(26才)が気になっているRくんでしたが、シャイな性格がわざわいして、なかなか彼女のそばには近づけません。

    そこに、彼と同期入社のOさん(29才)がやってきて、なんと、
    「ねえ、久しぶりだからこの後もう一軒行かない? Tちゃんもいっしょなんだけど」
    というではないですか。はじめは、(Oさんに自分の気持ちがバレているのか)とドキドキしたRくんでしたが、彼女の顔を見てみると、そんなふうには見えなかったので、よろこんで、
    「あっ、じゃあ、行こうか」
    と返事をしたのでした。

    大人数の飲み会が解散して、RくんとTちゃんとOさんは、3人で銀座の街を歩きはじめました。すると、Tちゃんが、
    「あっ、あの占いの先生すごい有名ですよね。安いしちょっと占ってもらおうかな」
    といいだしたのです。Rくんがハッとして、周りを見てみると、たしかにあちこちに占い師が座っていて、女の子の行列ができているではありませんか。TちゃんとOさんは、早くもいちばん長い列に並んでいます。

    Rくんはうんざりしながら彼女たちのそばに近づいていきました。そして、Oさんに、
    「女の人って、どうして占いなんか信じるのかなあ。お金を払って他人の意見を聞くぐらいの悩みがあるのなら、自分をよく知ってる友だちに相談したほうがいいんじゃない?」
    すると、Tちゃんが恥ずかしそうな困ったような顔をしました。Oさんがすかさず、
    「じゃあさ、Rくんに好きな人がいて片想いだったとするじゃない。そのこと、自分の友だちとか会社の同僚に相談できる?」

    Rくんは友人の顔をあれこれと思い浮かべました。いわれてみると、恥ずかしくて相談できそうもないような気がします。それに、自分だけでなく、自分の友だちも女の人にはあまり縁がないので、よいアドバイスをしてもらえる可能性は低そうです。

    「友だちとかにはいいづらいけど、誰かに聞いて何かいってほしい。女の子が占いに行くのはそういう心理なのよ」
    「そうなんですよ。私、彼氏とかぜんぜんできなくて、友だちに『なんで~?』とかいってバカにされてて。今さら誰にも相談できないんですよ」

    ふだんは大人しいTちゃんが、すごい剣幕でOさんに同意して自分の悩みを打ち明けるのでした。

    「…はあ、なるほど(そうか、Tちゃんには今、彼氏がいないのかあ)」
    ちょっとニヤリとしてしまうRくんです。さて、いよいよTちゃんが占ってもらう順番になり、占い師に手相を見せたり星座や血液型を聞かれたりしていました。最後に、
    「何が聞きたいの?」
    と聞かれると、Tちゃんは、
    「いつ彼氏ができるか知りたいんです!」
    とキッパリ。それに対する答えは、
    「あなたは、誰かを好きになりたいとか、誰かを愛したいとか、自分から何かをすることばかり考えている。でも、男性から愛してもらえるっていうのも、女性にとってはとても大切なこと。自分から好きな人を探すんじゃなくて、自分を好きでいてくれる人を探せばすぐに恋人はみつかる。自分から相手を追いかけていつもドキドキして不幸になるより、恋愛は『愛されてるけど、少し物足りない』くらいの気持ちでちょうどいい」
    というものでした。

    わかったような、わからないような答えだ。だけど、さすがにうまいこというな……と静かに聞いていたRくんでしたが、突然、占い師が彼を指差して、
    「ほら、そこにいる彼は、地味でおもしろみのない男に見えるけど、こういう男は誠実だし女性をキズつけたりしない。こういうマジメな男から愛してもらうことの大切さを知らないとダメ。彼なんてどう?」
    といいだしたのです。

    Oさんがクスクス笑うので、Rくんの顔は赤くなりましたが、Tちゃんは、感心した顔をしてコクンコクンとうなずいていたのでした。

    やっぱり、占いなんて自分は行かないと思うけど、Tちゃんに自分をすすめてもらって、ちょっと満足のRくんでした。

    占いというものは、それが好きで気になる女の子にとってはライナスの安心毛布のようなものなのです。占いを信じる彼女を理詰めでせめたりせず、
    「うんうん、へええ」
    と話を聞いてあげたり、付き合ってあげる余裕ややさしさをみせてあげると、
    「この人って、理系だけど柔軟性もあるのね」
    と思ってもらえて、株が上がること間違いなし、のはずです。


    こんにちは、酒井冬雪です。私はあまり占いを見ませんね。悪いことは信じちゃうけど、いいことは信じられないので見るとつらいのです(ひねくれてるかも)。でも、なぜか占い関係の仕事がくるので、占い師さんと会う機会は多いです。けっこう、おもしろいです。では、またね。

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