【コラム】
会って話しているといい人なのに、電話の声を聞いているといい人なのに、なぜか彼のメールを読むとカチンときてしまう。仕事仲間の男性や知り合いの男性の書いたメールを読んで、こう感じる女性はわりと多いものであります。
あるゼネコンで庶務の仕事をしているLちゃん(26歳)は、取引先の某重工業メーカーで働くSくん(29歳)と、仕事上、ひんぱんに電話のやりとりをしています。彼と会ったのは一、二度だけですが、品のいい顔立ちで物腰はやわらかく、電話の声や話し方も落ち着いていて好感がもてる人だなあ、とLちゃんは思っていました。
あるとき、Lちゃんは仕事のことですこしばかり急ぎの用事があって、いつものようにSくんに電話をかけました。ところが、その日の彼は終日、会議中らしく、電話がなかなかツナがりません。一方、彼女の会社ではその曜日はノー残業デーになっていて、6時には退社しなくてはなりませんでした。
この時間になってしまったら、いずれにしろ明日にならないとSくんも動けないわね、と考えたLちゃんは、Sくんの名刺に書いてあった会社のメールアドレスに、はじめてメールを送ってみました。
翌朝、会社に出社してメールをチェックしてみると早速Sくんから返事が届いています。中を開けてみて、Lちゃんはビックリしました。
なぜなら、そのメールはいきなり「>」のついた彼女が書いたメールからはじまっていたからです。自分の書いた文章は飛ばして、もっと下を見てみると、ようやくSくんの返事がみつかりました。
↑それより、
私の携帯電話にご連絡いただければよかったのですが。
とにかく、明日の朝一番にご連絡ください。
これが彼からの返事なんです。彼女は別に、そんなに礼儀だとか社交辞令に重きをおく性格ではなかったけれど、それでもつい、(昨日は会議が長引いて電話で行き違ってしまい申し訳ありませんでした)くらいのことを書いてみても損はなかろうに…と思わずにはいられませんでした。
その後、電話で話した彼は相変わらず感じのいい好青年風だったそうですが、その日以来、Sちゃんは二度と彼にメールで連絡することはなかったのでした。
女の子は具体的に、男性のどういったメールにカチンとくるのでしょう。
1.そのまま返信してくるメール。タイトルは「Re」がついたまま。彼の書いた返信の文章の下には、自分の書いたメールが「>」つきでダーッとそっくり残してある。
2.引用メール。自分の書いたメールを思いっきり引用されて「↑の件ですが」とコメントを返してくる。
3.1行メール。「○○さんへ」だとか「こんにちは」「お世話になっております」などといった儀礼的なことは省略し、用件が1行だけ書いてある。
なぜ、返信するメールのタイトルを変えられない?(この件については、百歩譲って、どんな用件でメールしてきたかわかりやすくするため、という言い訳をゆるしてもいいとわたしは思うのですけど)。
どうして、送られてきたメールの文章を削除するだけの手間がかけられない? たったこれだけのこともできないほど忙しいのなら、メールを連絡手段に使わずに、さいしょから電話で済ませてしまえばいいと思ってしまいます。
しかし、こういった味も素っ気もないメールを書く男性には、いったい自分のメールのどこが無味乾燥なのか、わからないのではないかしら。
となると、女の子も、男性に同じような返信を送ってあげればいいかもしれない、とわたしは意地悪く考えます。そうすれば、自分の書いたメールをあらためて客観的に読まされる恥ずかしさや、自分の書いた文章の一部分だけをピックアップして、その件について批評やコメントや指示だけをされることへの不信と疑問や、実用一点張りで「こんにちは」の5文字すら書けないのか、この人は? というむなしさだとかを少しは思い知ってくれるに違いありませんもの。
けれど、それではあまりに大人気ないので女の子はそういうことはしないでしょう。よほどのことがない限り。
メールを書くときに、相手の文章を削除する、返信時のタイトルを変えるなど、ほんの5秒くらいでできそうなちょっとした気遣い、少しばかりのやさしさをあらわせないばかりに、女性に何時間も不快な気持ちをさせてしまうこともあるようです。
思い当たるフシのある男性は、仕事のやりとりのメールでも、女性には「○○さま」「こんにちは」や「お世話になっております」のひと言をそえるクセを身につけるか、電話で用件を済ませるほうが得策かもしれません。
☆
こんにちは。酒井冬雪です。あと2カ月で今年も終わりますが、わたしはお正月に自分が立てた目標「今年こそ、妹を甘やかさない」をまったく実行できずにおります。そもそも、考えてみると、家事を手伝ってもらったりして甘えているのは自分ではないか、ということに気がつきガクゼンとしています。今さらですけど。では、次回は再来週です。
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