【コラム】

理系のための恋愛論

2 「知らない」ことを恋に活かす方法

    酒井冬雪  [2000/07/21]

    「ねえねえ、今あたし、すっごく悩んでるんだけど。えっ、何を悩んでるかって? うんとね、ジル・スチュアートのワンピース。ベビーピンクのペイズリー柄で、カシュクールっぽくなってて、超かわいいんだけど、買おうかどうしようか悩んでるの。でもさ、それ買って、ミュールはいて、ヴィトンの小ぶりのヴェルニとか持ったら、絶対かわいいと思わない?」

    と、女のコから一方的に、ファッション問題について熱っぽく語られても、あなたはきっと、とてつもなく困惑するだけでしょう。
    「かわいいと思わない?」
    と、いきなり意見を求められても、何というか…ピンクのワンピースっていうくらいだから、たぶんかわいいんだろうなあと想像するくらいしかできないし、とっさに気の効いたホメことばが出てくるわけもなく、途方に暮れてしまうはずです。

    どうしてこんなことをいうのかといいますと、女のコがファッション問題やメイク問題を語るとき、男性にはわからないブランド名や用語を駆使するのと同じで、あなた方が一生懸命パソコンの話や仕事の話をしてくれても、女のコにはまるっきり、ちんぷんかんぷん…という場合が多いからなのです。

    百貨店で働くFちゃん(27歳)は、今まで会社でしか使っていなかったメールを自宅でも使ってみたくなって、自宅にノートパソコンを導入しました。

    導入したのはいいけれどツナぎ方がわからないので、ソフトウエア会社に就職した大学時代の友人Aくんに電話をかけてみました。

    「インターネットにツナぐのってどうやればいいのかな?」
    「ウィンドウズ?」
    「うん、たぶん、ええとね、IBM」
    「………。あのさ、モニターの左側にオンラインサービスっていうボックスがあるでしょ。それ開いてさ、好きなプロバイダ選んで、あっ、手元にカード用意しといたほうがいいよ。電話回線はツナがってる?」
    「電話回線ってどうやってツナぐわけ?」
    「ええ、わかんないの? うそでしょう」

    彼女と彼はこのような会話をえんえんと繰り返し、けっきょく、彼が次の週の週末に彼女に部屋まで行って実際に「ツナいであげる」ということで話は収拾がついたのでした。

    「そんなこともわからないくせに、パソコン買うなよなあ」理系のあなた方はビックリするかもしれませんが、わたしだとてFちゃんのことはいえません。だって、デジカメで撮った画像をメールで送ることも、インターネットでみつけたフリーの使えそうなソフトをダウンロードすることもできないんですから。

    そもそも、こういっては何ですが、ある専門的な分野(たとえばパソコン関係)に精通していて、その分野の専門用語を使いまくると、ある意味、その分野のことをよく知らない人に対して優越感を抱くことができたりするし、反対にその分野に詳しい人同士の間ではなかば内輪ウケ的に話が盛り上がったりもできることでしょう。 でも、それって、部外者にはとってもつらいことだとお思いになりませんか?

    で、ここで話を「女のコが語るファッション問題」に戻しましょう。
    ここでわたしがいいたい点は、女のコというものは、あなた方が何をいっているのかさっぱり理解できなかったとしたら、たいていの場合、
    「ごめんね、わかんないんだけど」
    とスナオに正直に打ち明ける、ということなんです。

    すると、理系のあなた方は、女のコに対して、専門分野に関するたぐいまれなる知識をあますところなく披露することができます。

    が、しかし、女のコにものを教えるというのは、裏を返せば、何がわからないのかもわからない人を相手に、わかるようにわかりやすく話をする能力があるかどうか…ということにツナがっているわけで、ここであなた方の力量が試されたりもするんですけどね。

    とにかく、理系のあなた方に教えを請い、実用的で役に立つ知識をわかりやすく解説してもらうことで、女のコはどんどん賢くなることができます。

    で、残る問題はあなた方です。あなた方はもし、女のコから、前述のようにわけのわからないファッションの話をされたらどう対応しますか? たぶん、
    「うん、いいんじゃないの」
    と、素っ気ない、興味なさげな返事をして、話を終わらせてしまい、知らないことを知らないままにしてしまうのでは? これは非常に恐ろしいことです。なぜなら、女のコというものは、どうでもいいようなことばの裏側に恐るべき下心を持ち合わせていたりすることもあるから。実は彼女の誕生日が近く、あなたが気をきかせて、
    「バックなりワンピースなり、ミュールなりを買ってくれたらいいのになぁ」
    と考えていたりするかもしれないのに。

    まあ、そんなヨコシマなケースはまれであるとしても、女のコはやっぱり好きな男性には「かわいい」と思われたい生き物。あなたの意見をファッションやメイクに取り入れたい! あなた好みの女のコでいたい。そう願う女のコは非常に多いんです。ですから、どうでしょう。ここはひとつ、思い切ってあなたも、正直に、
    「えっ? 最近よく聞くんだけどさ、ミュールって何なの?」
    と、女のコに聞いて教えを請うてみる、たまには自分の弱点をみせてみるのはいかがでしょうか。さすれば、
    「ええ? アタマがいいあなたでも知らないことってあったんだ…。うふ、かわいい」
    彼女は心の中でこっそりとニンマリするはずですし、あなたはファッション問題にまでその教養のハバを広げることになるわけです。

    それに「アタマがよくて完璧」な人より、「アタマがいいけど、ときどきお茶目」な人にこそ、女のコは、親しみや好意を強く感じやすいものですからね。賢いあなたが、「それ、知らないんだけど」と口に出すのはつらいことかもしれない。家に帰って自分で調べてないことには、気がすまないかもしれない。

    けど「わからない」と、弱みを見せることで、女のコの気持ちをぐっとひきつけられるし、一見、くだらなく思える女のコの話に興味を抱くことで、相手の自尊心をくすぐってあげたり、知識のハバが広がるかもしれない……、ということも、アタマの中にしっかりインプットしてほしいなあと思うわたしです。

    1週間のごぶさたの酒井冬雪です。暑い、暑いけど、夏のヴァカンスも楽しみ。ヴァカンスに出かける前のお悩み、ご相談も随時お待ちしておりますね。

    fuyukies@pc.mycom.co.jp

    バックナンバーはこちら
    http://pcweb.mycom.co.jp/column/rikei.html

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

      2012年5月27日の運勢

      イチオシ記事

      新着記事

      特別企画

      マイナビニュースマガジン