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この番組がスゴイ! LAW&ORDER:犯罪心理捜査班

容疑者がビビる微笑みの力

スタンリー・キューブリック監督の映画『フルメタルジャケット』をご存じだろうか。人間の恐怖や狂気を冷徹に描き、高い評価を得てファンも多い作品である。ベトナム戦争を題材にした戦争映画だけにセリフはスラングの嵐。容赦なく続く下品なセリフは特に印象深かったのだろう。映画内で使われた「フゥハハハーハァー、ホント戦争は地獄だぜ!」など多数のセリフが、ネットの掲示板などでよく使用されている。元ネタは知らずともセリフだけは聞いたことがある人は多いはずだ。また、映画内ではもうひとつ、印象深かった存在がある。レナード・ローレンス。通称“微笑みデブ”である。

このデブ君、体だけはデカイがとにかくぼんやりしていてミスが多い。そのため教官からは厳しく怒られ、連帯責任をとらされることになる同じ班の訓練生からも熾烈なイジメを受ける。次第に精神に異常をきたし、最後には錯乱して……となる人物なわけだが、そうして変貌を遂げていく過程が実に恐ろしい。同じくキューブリックの映画『シャイニング』の主人公を超えるほどのオツムのイカれた顔をするのである。

FOX インターナショナル・チャンネルズの『LAW&ORDER:犯罪心理捜査班』で、"微笑みデブ"のパワーアップした"微笑み"をチェック!(「FOX インターナショナル・チャンネルズ」より)

前フリが長くなったが今回、紹介する『LAW&ORDER:犯罪心理捜査班』(FOX インターナショナル・チャンネルズ)はアメリカで最も長いドラマシリーズ『LAW&ORDER』の数あるスピンオフのひとつ。そのデブ君を演じたヴィンセント・ドノフリオが主役のゴーレン刑事となるクライムドラマだ。前述したフルメタファンなら驚くことに、なんと彼が優秀な刑事を演じているのである。ただ、といっても某杉下右京氏のようなスマートなタイプではない。博覧強記なのは同様だが、さすが微笑みデブというべきか、特に優秀なのは容疑者の感情を苛立たせることだ。

扱う事件は容疑者は絞られているが物的証拠がない事件。そのためドラマの焦点は被疑者を落とす、つまり自白させることに絞られる。だが、日本のドラマのように「お前がやったんだろう!」とは言わない。徹底的に人物像を調べ上げ、じとーっと見つめたり、後ろから覗き込んだり、相手が嫌がるような仕草をしながら、発言の矛盾点を突いて感情を揺さぶっていく。ゴーレンは心理戦のプロなのである。怪優として名高い彼だけに役が決まったときは「いい人の役で嬉しい」と喜んだらしいが、容疑者相手にニタァと微笑む顔は絶対に友達になりたくないほどのいやらしさ。フルメタファンならぜひ、見るべし!

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