【コラム】

レンジファインダカメラのこころ

2 海津式レンジファインダ術-1 「R-D1を28mmから始める」

 

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ついに手を出してしまった「R-D1」

(1)R-D1xGとフォクトレンダー「ULTRON 28mm F2.0」。奥は愛用していたOLYMPUS-AUTO

2004年にリリースされた初代の頃から気になっていたレンズ交換が可能なレンジファインダ型デジタルカメラエプソン「R-D1」シリーズについに手を出してしまいました。その引き金は、私にとって大切なレンジファインダカメラであった「OLYMPUS AUTO」を思い出してしまったことです。このカメラは、父の目線で子供の頃の私を撮ってきたカメラです。そして私自身も学生の時にしばらく使っていたことがありました。そんなわけで最新のR-D1xGでいろいろと遊び、それを随時報告していきたいと思っています。

まず、一般的なカメラとは異なり、R-D1シリーズはボディのみの販売だけで、エプソンはレンズの販売をしていません。ただし、ボディはコシナ フォクトレンダー ベッサシリーズをベースとして再設計された筐体らしく、レンズもフォクトレンダーシリーズが実質的な純正レンズという認識を多くのユーザーが持っているようです。もっともライカMマウント互換のVMマウントですので、Mマウントレンズ、またはLマウントレンズにMマウントアダプタを使用すれば装着できるため、200種類以上のレンズが利用可能です。

ライカ製の古いレンズを使うのもの良いのですが、新品のレンズを購入したい場合は、ライカ純正品の他にコシナのフォクトレンダーシリーズや同Carl Zeissシリーズが選択肢であります。なお、コシナのフォクトレンダーシリーズは2割引程度で販売している店も多く、中古レンズの吟味に自身がない初心者には高性能でリーズナブルなフォクトレンダーシリーズの存在は大変助かる製品と言えます。

(2)R-D1xGとフォクトレンダー ULTRON 28mm F2.0

R-D1は、CCDのサイズの関係で装着するとレンズの画角は1.53倍となるため、ファインダに内蔵されたフレームが28mm、35mm、50mmとなっていても、実際には43mm、54mm、77mmということになります。そこでいろいろと事前調査した結果、最初は広角気味の標準レンズとなるフォクトレンダー ULTRON 28mm F2.0を購入する事にしました。OLYMPUS AUTOの固定レンズが42mm F2.8でしたので、43mmなら感触を掴みやすいと思ったからです。なお、レンジファインダカメラは一眼レフとは違ってレンズの開放F値の大きさに関係なく明るい状態で被写体を見ることができます。私が今回あえて明るめのレンズを選んだのは、望遠的な撮影を想定したからです。

撮影の前に

R-D1XGで撮影するのに際して、私なりのルールを再確認してみました。

  • レンズ保護用のフィルタを装着

  • バッテリとSDメモリーカードの予備を用意

SDメモリーカードに関してはRAWとJPEG同時書き込み設定なら1GBでおおよそ100カット書き込めます。R-D1XGはSDHC規格に対応しているので最大で32GBまで使用できますが(R-D1とR-D1sは最大で2GB)、私は価格的にもこなれている2GB〜4GBを数枚持ち歩くようにしています。

ということでいざ撮影。1回目はレトロ風カメラのイメージに合わせて神社でファーストインプレッションとしました。とにかくOLYMPUS AUTOを使っていた頃を思い出せば撮影も簡単…と軽く考えていました。最近はオートフォーカスに慣れきっているので、苦戦する可能性もあるのですが、一眼レフでの撮影はマニュアルフォーカスレンズを使うことが多いので、思ったほど心配はしませんでした。

ただし、一眼レフでのマニュアルフォーカスはファインダ内のどの位置でもピントを合わせることができるので、初めに構図を決めてからピントを合わせることができましたが、R-D1の場合は画面の中央のみでしかピントを合わせられません。そのため、構図が決まったらピントを合わせたい被写体を中央にいったん移動してピントを合わせるか、最初に被写体にピントを合わせてからその後構図を考えるという流れになります。この流れに慣れるのに少し時間が必要かもしれません。もっとも、デジタルカメラなので気軽にガンガン撮影できて、しかもすぐに確認できるメリットを生かし、たくさん撮影することで感覚は掴めるのではないでしょうか。

作例はすべてノートリミングでノーレタッチとしています。また、撮影に際し、RAWとJPEG同時書き込み設定としていますが、今回は事情があってJPEG画像を掲載しています。

28mmから始めるレンジファインダカメラ

ULTRON 28mmは、35mm換算で43mmという画角は標準レンズの域になりますが、使い方で広角風にも望遠風にも被写体や風景を切り取ることができます。闇雲に交換レンズを買いあさる前に、まずこのクラスのレンズで撮影技法を学んでみると面白いと思います。

(3)ピントを合わせてから構図を決めます。徹底的に中心に納めるか、あるいはおもいっきり外すという具合に極端な構図で撮影すると、写真が面白くなってきます。ちなみに、この狛犬の写真は、開放F2.0で撮影することで望遠レンズ的なイメージを演出してみました(ULTRON 28mm)

(4)建物や林のような場所ではローアングルから見上げるような構図にすることで広角レンズ的な表現を演出してみました。ある程度ピントを合わせてからF5.6以上に絞り込めばノーファインターで撮影しても良好な結果を得ることができます(ULTRON 28mm)

(5)完全にシンメトリーを意識した構図で撮影してみました。実は撮影位置を変更してシンメトリーを崩したモノをいくつか撮影していますが、このシーンに限りそれほど良好な結果とはならなかったので完全なシンメトリー採用しました(ULTRON 28mm)

(6)非シンメトリーを狙うことで空間を作り出した写真。ただし、垂直と水平のバランスを崩して撮影してしまったため、少々中途半端な結果になってしまいました(ULTRON 28mm)

とにかく、レンジファインダカメラの撮影でありがちな古くて高価なレンズの表現力を楽しむというのではなく、一般的なスナップ写真撮影そのものを楽しむ方向で、ゆったりと作品を撮りたいと考えています。なんでスナップ写真かというと、マニュアルフォーカスのフイルム一眼レフカメラと比較すると、撮影レンズを通して被写体を見る必要がないので、暗い場所でもピント合わせが簡単であること。また、構造上ミラーアップがないので小型で高性能なレンズが作りやすく、低速でシャッターを切っても振動が少なくブレにくいので、スナップ撮影に向いているからです。

(7)自動露出とAEロック機能を使っても入射光測光のため、作例のようなデリケートなアスファルトの部分の撮影は露出補正で数カット撮影しないと得られません。実は、私は単独の反射光式露出計を可能な限り持ち歩き、必要に応じて使い分けるようにしています。なお、露出計については次回以降に改めてお話しいたします(ULTRON 28mm)

失敗談


格子や規則性のある被写体のレンジファインダでのピント合わせには私自身がまだ慣れていないこともあり、とんでもなく外してしまうことが多々ありました。例えば、格子1本分完全にずれてピントを合わせてしまったという具合です。これは私が学生の頃から愛用しているニコンのフォーカシングがR-D1と真逆であることが大きく影響しています。そういえばオリンパスOMシリーズもニコンと逆だったので苦労したことを思い出しました。

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インデックス

連載目次
第10回 海津式レンジファインダ術-5 「R-D1で学生のポートレート撮影に挑戦!」
第9回 R-D1片手に東京散歩-4 オールドレンズで遊ぶ
第8回 海津式レンジファインダ術-4 「小石川後楽園で強い日差しと格闘」
第7回 R-D1片手に東京散歩-3 R-D1xGとGPSレシーバで撮影場所を特定する
第6回 海津式レンジファインダ術-3 「駿河台大学で21mmを使う」
第5回 R-D1片手に東京散歩-2 広角のレンズが必要なわけ
第4回 海津式レンジファインダ術-2 「R-D1で夜景に挑戦」
第3回 R-D1片手に東京散歩-1 悩むライカレンズのボディ
第2回 海津式レンジファインダ術-1 「R-D1を28mmから始める」
第1回 高機能で低価格の時代に一石を投じるデジタルカメラ「R-D1」

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