【コラム】

ペンタブレット「Intuos4」の全てがわかる大百科

15 ドライバ設定や様々なカスタマイズで「Intuos4」の描き味をさらに探求する

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芯選びから始まったペンのカスタマイズ、今回はその3回目。前回に引き続きドライバの設定と、さらにその他のカスタマイズの可能性を探ってみよう。

芯、グリップ、筆圧設定、盤面など様々な要素でタブレットの描き味は大きく変わる。自分好みの設定を探ってみよう

クリック圧の設定

ドライバの「筆圧レベル:詳細設定」で現れる、もうひとつの調整項目「クリック圧」は、ペン先を盤面に付けたとき、反応が始まる圧力の設定。標準の設定時には、このクリック圧と筆圧は同じ位置に設定されるが、詳細設定では個別に設定ができる。絵を描く場合はあまり体感できるような差はないが、ツールをクリックで選んだり、ウィンドウをドラッグしたりする時、不意に動いてしまう(クリック圧が軽すぎる)と感じる場合は、クリック圧を少し大きめに設定してやるといいだろう。逆にこれらの反応が悪い場合は「クリック圧が「大きい」側になっていることが考えられるので、確認してみよう。

クリック圧は「大きい」側にするほど、クリック反応が鈍くなる

アプリケーションごとに設定する

Intuos4の各種設定は、アプリケーション毎に変えることができる。たとえば、ペン画を描くための「コミックスタジオ」と、絵の具で描くようなイラストを描く場合の「ArtRage」では、筆圧の設定を変えておきたいという場合もあるだろう。また、「Illustrator」など編集中心のアプリではサイドスイッチに右ボタンクリックなどの機能を割り当て、描画中心のアプリでは誤動作させないためにサイドスイッチはオフにしておきたいといったケースも考えられる。

アプリケーション毎に設定を変えるには、まずドライバの「アプリケーション」欄にアプリケーションを追加する。「その他すべて」で設定されている内容がそのままコピーされるので、必要な箇所だけ再設定すればよい。また、ペンごとに設定を変えることも可能。これについては、今後この連載の中で紹介していきたい。

アプリケーション欄の「+」ボタンを押すと、現在起動中のアプリケーションを選べる。起動していない場合は「参照」ボタンから選べばよい

グリップの交換でも描き味が変わる

Intuos4の標準ペンには交換用の極太グリップが付属している。これもまた、描き味に大きな影響を与える重要なパーツだ。というのは、標準のグリップと極太のグリップでは、ペンを持つ手の位置が変わってくるからだ。標準グリップと極太グリップでは、ペンのもっとも太い位置が異なる。極太グリップの方がピークの位置が高く自然に先細りになっているため、よりペン先側を握ることになる。さらにペンの重心がペン先側になるため、ペン先が非常に安定するのだ。

持つ位置と重心が極太グリップは先端に近くなるので、細かいコントロールがしやすい。ただし、ペンのサイドスイッチは使えなくなる

これは特にペン画、線画を描く場合に威力を発揮する。急なカーブを描くときでも安定してコントロールできるので、ぜひ試してみて欲しい。また、標準のグリップと比べてクッション性が高いので、ペンダコに悩んでいるという人にもオススメだ。「ペンは細身がいいけどペンダコが……」という人は、市販のグリップを装着してみるといい。ただし、純正以外のグリップを装着するときは、無理をするとペン軸が折れる場合もあるので、充分注意して装着・使用すること。

写真はクッション性の高い市販のグリップ「ソフトグリップ」(ナカトシ産業製)を装着してみた例(※シルバーのペンは「Intuos3」のもの)。

シートを工夫する

これらの設定でもまだ満足しない人は、本体の操作面にシートを貼ってみよう。摩擦を減らしたいのならプラスチックなど樹脂のシートを、摩擦を増やしたいなら紙などを貼ってみると劇的に書き味が変化する。Intuos4は盤面とペンの距離がある程度離れていても反応するため、たとえばカッティングマットや段ボールを敷いても描くことができる。Intuos4以前のモデルでは、様々な芯が用意されていなかったため、紙やシートなどを試して、自分好みの描き味を探したものだ。特に紙は表面の摩擦だけでなく、厚みによって沈み込みが大きく変わるため、様々な描き味を実現できる。各自、色々試してみるとよいだろう。

さて、数回に渡りペンの描き味を徹底的にカスタマイズする方法を紹介してきた。絵を描くには様々な技法があり、技法と道具が切り離せない関係にあるように、デジタルペイントでも、アプリケーション、描き方、ペンの設定、性能などが、効率や完成度を大きく左右する。また、絵を描くという行為は、メンタル面の影響も大きい。気に入った画材であれば、インスピレーションがどんどん沸いてくるが、画材などが少しでもしっくりこない場合は、ストレスが募って思うように描けないものだ。自分にとってしっくりくるベストセッティングを探し出して、Intuos4の性能を存分に引き出そう。

Illustration:まつむらまきお

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インデックス

連載目次
第36回 大百科のまとめ ~「Intuos4」のメンテナンスや使用環境を考える
第35回 「Intuos4」を音楽制作に活用する(後編)
第34回 「Intuos4」を音楽制作に活用する(前編)
第33回 次世代イラストレーションアプリ「clip paint lab」の編集機能を試す
第32回 次世代イラストレーションアプリ「clip paint lab」の機能を試してみる
第31回 「Intuos4」でセルシスの最新アプリ「clip paint lab」ベータ版を試す
第30回 「Adobe Illustrator」に最適な「Intuos4」の設定とは
第29回 「Adobe Illustrator」を「Intuos4」で使いこなす
第28回 「Adobe Illustrator」の「線の補正」機能を「Intuos4」で試す
第27回 「Adobe Flash」の「線の補正」機能を「Intuos4」で試す
第26回 国産アプリケーションの「線の補正」機能を「Intuos4」で試す
第25回 「Intuos4」を使って上手に線画を描いてみる
第24回 「ArtRage」のトレース機能を使って「Intuos4」で絵画調のイラストを描く
第23回 「Intuos4」とグラフィックアプリケーション「ArtRage」で絵具を楽しむ
第22回 ペンタブレット「Intuos4」で使える専用マウス
第21回 ユニークな形状とホイールが魅力 -「Intuos4」のエアブラシペンを試す
第20回 回転検出が可能にする抜群の操作性 -「Intuos4」のアートペンを試す
第19回 「Intuos4」で超軽量クラッシックペンとボールペン内蔵インクペンを試す
第18回 「Intuos4」のオプションのペンの特徴や機能を徹底解剖
第17回 「Intuos4」と「comic studio」による漫画制作テクニック(応用編)
第16回 「Intuos4」と「comic studio」による漫画制作テクニック(トーン表現編)
第15回 ドライバ設定や様々なカスタマイズで「Intuos4」の描き味をさらに探求する
第14回 「Intuos4」のドライバによる筆圧設定で描き味を探求する
第13回 「Intuos4」の用途に合わせて電子ペンの芯を選択する
第12回 「Intuos4」のマッピング設定をマスターしよう
第11回 「Intuos4」の筆圧感知を駆使した、水彩タッチの塗り重ねテクニックを紹介
第10回 ケーブルからの開放! 「Intuos4 Wireless」の機能と有効な活用法
第9回 かなり使える「Intuos4」のラジアルメニューとは
第8回 好みに応じて自由にタッチホイールを使いこなそう
第7回 「Intuos4」のタッチホイールで出来る様々な事
第6回 「Intuos4」のファンクションキーをカスタマイズする
第5回 「Adobe Photoshop Elements」を活用して「Intuos4」でイラストを描く
第4回 ペンタブレット初心者が上手に「描く」ための練習法とドライバ設定とは
第3回 『Intuos4』を設置、環境設定して、実際に描いてみよう
第2回 使用目的や機能からペンタブレットを選ぶ
第1回 ペンタブレットとマウスの違いとは

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