【コラム】

ペンタブレット「Intuos4」の全てがわかる大百科

8 好みに応じて自由にタッチホイールを使いこなそう

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前回は「Intuos4」の目玉機能ともいえる、タッチホイールの機能と、カスタマイズの方法を紹介した。今回は実際にそれらの機能を使っていく上でのヒントを紹介していこう。

タッチホイールを使いこなす

設定次第で様々に利用できるタッチホイールだが、なんといっても「キャンバスの回転」が重宝する。絵を描くときに紙を廻す、というのは、多くのイラストレーター、画家が行う動作。線を描く場合、手首や肘を軸にして描くのでどうしても円弧になる。描きたい線と円弧のカーブがあっていれば、自然とキレイな線が描け、カーブが逆だととても描きにくい。マンガ家やアニメーターなど線で絵を描く仕事の人は常に用紙を回転させながら描くのが普通で、アメリカのアニメ業界では回転板のついたライトテーブルが使われているといいうほど、重要なテクニックなのだ。

昔からこの機能はどのアプリケーションにも切望されながら、パソコンのグラフィック性能の問題でなかなか実現しなぁつたが、ここ数年、ようやく一般的になってきた機能だ(実際「PhotoShop CS4」でもマシンによっては回転機能が使えない場合がある)。

キャンバスの回転は、タッチホイールを使うことで、より直感的に使える機能になったといえる。回転させる機能と、タッチホイールを扱う動作が一致していて、非常に直感的に操作できる。

キャラクターのように円弧が多い絵は、回転させて描くと圧倒的にキレイに線がひける。図は前髪のカーブを描いているところ

ズーム機能もマウスホイールでは一度の回転に限界があるが、Intuos4のホイールなら極小~超アップまで一気に変化するのが気持ちいい。反応が敏感すぎるようなら、コントロールパネルの「ポインタの速度」で回転による速度を調整することができる。これに対し、画面スクロール機能は一方向にしか動かないので使いにくい。前回紹介した、ファンクションキーの「移動」機能の方が縦横に直感的に移動できて、効率がいいだろう。

タッチホイールでズームと回転、ファンクションキー+ペンのドラッグで画面の移動。この3つの機能で描画の自由度は飛躍的に向上する

目玉機能のキャンバスの回転だが、「ArtRageStudio」などPhotoShopの設定に準拠している場合はいいのだが、「Painter」や「ComicStudio」などでは「shift+マウスホイール操作」などマウスホイール操作とキーとの併用になっており、せっかくアプリケーションには回転の機能があるのに、タッチホイールの「キーストローク」では設定できない。そんな場合はファンクションキーにそれらのキーを登録しておき、ホイール操作時に併用することでホイールでの回転を実現できる。

「painter essentials」での設定例。「option+command」をファンクションキーに設定。ホイールには「スクロール」を設定。これでファンクションキーを押しながらタッチホイール回転でキャンバスが回転する。「ComicStudio」では「shift+マウスホイール(スクロール)」でキャンバスを回転できる

また、PhotoShopのように「F13」、「F14」といったキーが割り当てられている場合がある。ところが通常のキーボードではファンクションキーはF12までしかない。このような場合は「修飾キー」の設定で「特殊キー」からこれらのキーを指定することができる。

「PhotoShop」の回転で使う「F13」「F14」は通常のキーボードにはないキーだ。これを割り当てるには、「特殊キー」から該当するキーを選ぶ

なおIntuos4の問題ではないが、アプリケーションによっては、日本語入力モードになっていると、ショートカットを文字列として受け取ってしまう場合がある。動作しない場合はテキスト入力モードを確認してみよう。

電子ペンのスイッチも使える

これまで3回に渡り、本体のスイッチを紹介してきたが、Intuos4は電子ペンにもスイッチが搭載されているので紹介しておこう。人差し指か親指でクリックできる位置にあるこのボタンには「右クリック」と「ダブルクリック」が初期状態で割り当てられている。機能の変更はファンクションキーと同じなので、自分好みの機能を割り当てられる。ただ、ペンのボタンはペンの持ち方によっては、不用意に押してしまうことがある。キーの機能を無効にすることもできるし、出っ張りが気になるようならスイッチそのものを取り外すことも可能だ。右クリックはなくてはならない機能のひとつなので、好みによってペンのボタンに割り付けるか、ファンクションキーなどに割り付けるか検討するといいだろう。

ペンの持ち方によっては、ボタンを誤操作してしまう。そんな場合はボタンをはずしてしまうことができる。ボタンは爪で引きはがす感じでひっぱると簡単にはずれる

テールスイッチもボタンの一種。ペンを持ち替えるのが面倒なのか、意外とこの機能を使わずに、アプリケーションの消しゴムツールを選んで使用するという人も多いのだが、「Adobe Flash」のように、このテールスイッチでしか消しゴムに「筆圧」を利用できないケースもある。

「ファンクションキー」、「タッチホイール」、「ペンのボタン」と実に豊富なIntuos4のファンクションスイッチ類だが、すべて使わなくてはならないというわけではない。ペンのボタンやホイールのようにあえて機能の一部を「無効/スキップ」することで描くことに集中できる場合もある。用途に応じて機能を絞り込むのも賢い使い方なのだ。逆に「これらのボタンでは足りない」というヘビーユーザーには、「ラジアルメニュー」という必殺技が用意されている。これについては回を改めて紹介していく予定だ。

llustration:まつむらまきお

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インデックス

連載目次
第36回 大百科のまとめ ~「Intuos4」のメンテナンスや使用環境を考える
第35回 「Intuos4」を音楽制作に活用する(後編)
第34回 「Intuos4」を音楽制作に活用する(前編)
第33回 次世代イラストレーションアプリ「clip paint lab」の編集機能を試す
第32回 次世代イラストレーションアプリ「clip paint lab」の機能を試してみる
第31回 「Intuos4」でセルシスの最新アプリ「clip paint lab」ベータ版を試す
第30回 「Adobe Illustrator」に最適な「Intuos4」の設定とは
第29回 「Adobe Illustrator」を「Intuos4」で使いこなす
第28回 「Adobe Illustrator」の「線の補正」機能を「Intuos4」で試す
第27回 「Adobe Flash」の「線の補正」機能を「Intuos4」で試す
第26回 国産アプリケーションの「線の補正」機能を「Intuos4」で試す
第25回 「Intuos4」を使って上手に線画を描いてみる
第24回 「ArtRage」のトレース機能を使って「Intuos4」で絵画調のイラストを描く
第23回 「Intuos4」とグラフィックアプリケーション「ArtRage」で絵具を楽しむ
第22回 ペンタブレット「Intuos4」で使える専用マウス
第21回 ユニークな形状とホイールが魅力 -「Intuos4」のエアブラシペンを試す
第20回 回転検出が可能にする抜群の操作性 -「Intuos4」のアートペンを試す
第19回 「Intuos4」で超軽量クラッシックペンとボールペン内蔵インクペンを試す
第18回 「Intuos4」のオプションのペンの特徴や機能を徹底解剖
第17回 「Intuos4」と「comic studio」による漫画制作テクニック(応用編)
第16回 「Intuos4」と「comic studio」による漫画制作テクニック(トーン表現編)
第15回 ドライバ設定や様々なカスタマイズで「Intuos4」の描き味をさらに探求する
第14回 「Intuos4」のドライバによる筆圧設定で描き味を探求する
第13回 「Intuos4」の用途に合わせて電子ペンの芯を選択する
第12回 「Intuos4」のマッピング設定をマスターしよう
第11回 「Intuos4」の筆圧感知を駆使した、水彩タッチの塗り重ねテクニックを紹介
第10回 ケーブルからの開放! 「Intuos4 Wireless」の機能と有効な活用法
第9回 かなり使える「Intuos4」のラジアルメニューとは
第8回 好みに応じて自由にタッチホイールを使いこなそう
第7回 「Intuos4」のタッチホイールで出来る様々な事
第6回 「Intuos4」のファンクションキーをカスタマイズする
第5回 「Adobe Photoshop Elements」を活用して「Intuos4」でイラストを描く
第4回 ペンタブレット初心者が上手に「描く」ための練習法とドライバ設定とは
第3回 『Intuos4』を設置、環境設定して、実際に描いてみよう
第2回 使用目的や機能からペンタブレットを選ぶ
第1回 ペンタブレットとマウスの違いとは

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