さて、「Intuos4」を手に入れたら、いよいよ設置だ。「Intuos3」以前の古い機種からの買い換えの場合は、必ず古いドライバをアンインストールし、再起動しておこう。「Banboo」、「Favo」などの製品はドライバが異なり、「Intuos4」と共存できるのでアンインストールは不要だ。

高級感漂う凝った作りのパッケージには、本体、電子ペン、ケーブル、ドライバディスクなどが入っている。特にディスクにはマニュアルが入っているので無くさないように注意しよう

まずは製品内容を確認

ドライバディスクにはドライバインストーラの他に、チュートリアルアプリと詳細なPDFマニュアルも収録されている。ドライバはアップデートされている場合もあるので、ワコムサイトから最新版をダウンロードしてアップデートしておこう(アップデートの自動通知機能はないので、サイトをチェックする習慣をつけよう)。インストール後、Winの場合は「コントロールパネル」、Macの場合は「システム環境設定」に設定画面が登録される。なお、アンインストールしたい場合は、アプリケーションフォルダ内にアンインストーラが登録されているので、こちらを利用しよう

インストールディスクには、ペンタブレットの使い方についてアニメーションで解説してくれるチュートリアルアプリとPDFマニュアルが収録されている

ペンタブレットのベストな設置場所とは?

ドライバのインストールが終わったら、本体の設置だ。悩ましいのが、キーボード、マウスとの位置関係。ペンタブレット本体を、マウスパッドのようにキーボードの右に置く人も居るが、ディスプレイとセンターを合わせて置くのが基本。筆者の場合は、ペンタブレットを手前、キーボードを奥に置き、文字を集中的にタイプする時にはキーボードをタブレットの上に置くというスタイル。テンキーなしの小型キーボードなら、キーボードとタブレットを並べて置くことで、キーボードショートカットを使いやすくなる。スケッチブックのように膝の上にペンタブレットを立てかけて使う人も多い。このスタイルはLargeサイズでおすすめ。なお、Intuos4は本体側のケーブルがminiUSB(Bタイプ)になっているので、不要な時は簡単に片付けることができる。

基本はモニターとセンター合わせ。描くのがメインなら、ミニキーボードと組み合わせて使うのがオススメ

もしあなたが左利きなら、配置と設定を変更しよう。利き腕の側にファンクションボタンがあると、誤って手のひらで押してしまうことになるからだ。まず、Intuos4のファンクションボタンが右に来るように配置する。ミディアムサイズモデルでは、盤面裏にスライドバーがあり、USBポートを上下どちらかに切り替えられる。スモールサイズはL型USBケーブルが右利き、左利き2種類付属している。向きを変えただけではペンの動きとポインタの動きが正反対になってしまうので、ドライバで配置設定を変更するように。

レイアウトの設定はペン→マッピング画面で行う。左右のみでなく、縦置きでの使用も可能だ

環境設定して「Intuos4」で描いてみる

これで基本設定は完了だ。手持ちのグラフィックソフトやバンドルソフトを使ってさっそく何か描いてみよう。最初はペンの動きと、画面のカーソルの位置に戸惑うかもしれない。ペンタブレットの盤面の四隅がモニター画面の四隅に対応しているので、ツールの場所、メニューの場所は常に盤面上の同じ場所を選ぶことになる。ペンの反対側には消しゴムツールが割り当てられるのでこちらも試してみよう。

ペンにはサイドスイッチが付いている。デフォルトではペン先側に右ボタンクリック、反対側にダブルクリックが割り当てられている。このふたつの動作はペンタブレットが苦手な操作ということで、標準で割り当てられているのだが、ペンの持ち方によって押しにくかったり、不意に押してしまったりする場合もある。このボタンの機能は環境設定で他の機能にしたり、オフにしたりすることが出来るので、使いにくい場合は設定を変えてみよう。

ペンのサイドスイッチの設定画面。様々な機能の他、動作をオフにすることもできる。それぞれの機能については今後を改めてこの連載で紹介する予定だ

盤面の横に並ぶファンクションも試してみよう。デフォルトでshiftなどモディファイキーが設定されている。これらのボタンを押しながら、ペンを操作すると、キーを押しながらマウスクリックするのと同じ操作になる。たとえばOption(alt)キーを押しながらクリックするとスポイト機能になる、といった具合。アプリやツールによって、その動作に何が割り当てられているかは千差万別だが、ぜひ試して欲しいのが、初期設定で一番下に割り当てられている「スクロール」機能。グラフィックツールはもちろん、ブラウザやテキストエディタなどでも、タテヨコ自在にスクロールができ、マウスホイールに匹敵する使い易さが実感できる。

スクロールホイールがないのが、タブレットの弱点のひとつだが、ファンクションキーのスクロールモードは横方向、斜め方向にもスクロールでき、スクロールホイールにも匹敵する便利さを備えている

さて、実際にIntuos4を設置して使ってみたが、どうだったろうか? 筆者が15年以上前に初めてペンタブレットを買った時は、期待が大き過ぎたせいか、思うように描けずにがっかりしたという記憶がある。しかし、これはペンタブレットの問題ではなく、慣れが必要だったということ。次回はペンタブレットに慣れるための攻略法を紹介していきたい。

llustration:まつむらまきお