2007年5月から続いてきましたこのコラムですが、2011年9月を持って終了することとなりました。故に残り2回は、『少女漫画に学ぶ[ヲトメ心とレンアイ学]』総括編とさせていただきます。皆様、長のご愛読ありがとうございました。

さて、男に女心とやらを教えるために書き始めたこのコラム。そもそもの発端は、「そりゃ男は男向けの媒体ばっかり、女は女向けの媒体ばっかり見聞きして育ったら、いきなり大人になって異性と恋愛しようとしたってお互い全然違うこと考えてるんだから、上手く行くわけないだろ」と思ったところからだ。

男も女も大概怠け者だから、少年漫画では女のキャラが勝手に主人公に言い寄ってくるし(島耕作のミラクルな世界では、世の中の女全員が溜まって溜まって仕方がないようである)、少女漫画ではやたらと男が積極的だ。男も女も「自分はなーんにもしないで、勝手にモテていい思いができたらいいなー」と思っているんである。

なので、もし心の底から異性にモテたかったら、女は少年漫画に出てくるよーな女を意識して男を口説けば、成功率が高くなる。男は少女漫画のヒーローのやってることを真似れば、性交率が高くなるというわけだ。結局は、モテたかったら異性に媚びるのが近道なんである。

でもその"媚び"る方向を間違えると、金だけ奪い取られて心は奪えない、という悲しいことになるので、「少女漫画を媒介にして女心を知っておきましょう」というのが、スンゲー長くなったけど、このコラムのコンセプトだったわけである。

長く連載が続く中で、女性の読者からは「共感する」「面白い」と言っていただけたようだ。そして男の知り合いからは、「俺、少女漫画読まないから、わかんないんだよねー、あのコラム」と言われ続けた。その場わざわざ修正するのも面倒くさいので笑って聞いていたけど、心の中で「知らねー奴のために読み解いてるんだっつーの!」と吠えていたのである。というわけで、本コラムのコンセプトが、どれだけの方にくみ取っていただけていたのかは悲しいほどに不明である。「男女のいさかい、減少へ」とかいうニュースも聞かないし。

改めて少女漫画を分析していくにあたって、つくづく「ヲトメ心なんか、男にはわかんないだろうなー」と思った。男に比べて非力なため夜道が怖いこと、怒ったり叫んだりする男が近くにいると命の危険を感じること。性の対象として見られることの嫌悪感。男には明確にはない「賞味期限」が女にはあること。それ故、より早く、より良い男を確保しなければならないこと。そのために、時には身体を投げ出したり、なん股をもかけて時間の節約をすること。

女が男をセックスに誘う理由は、ただ「溜まってるから」「上手いから」「立派だから」じゃない。心が通じ合っていないことのもどかしさ、心の隙間を埋めたい、自分の存在価値を再確認したいといった、満たされない思いがあるからかもしれないのだ。そういうことも、少女漫画にはこれでもか、これでもかと描いてある。

「俺の彼女、スゲーセックス好きでさ」とか言って喜んでる男性がいたら注意だ。それはもしかしたら、あなたの態度が女を不安にさせているからかもしれないのだ。まあ、つまんない女の話を楽しそうに聞いてやって、スゲー長い時間かけて女を満足させた結果、セックスが遠のくんじゃあ、今まで通り、つまらん話は適当にあしらっておいたほうがいい思いができるのかもしれないけど。

次回の最終回では、少女漫画の傾向と対策について語って、有終の美を飾ろうかと思います。