「いいわけねぇだろ!」が萌えだ。なんの話かというと、これはドラマ『流星の絆』のワンシーン。二ノ宮和也の台詞で、第8話の冒頭で見られる。ドラマ放映中、初めて観たときは、かなりドッキリして飛び上がった。しかし、そのドッキリはそのままドキドキに変わり、その後、何度巻き戻して見たことか。「いいわけねぇだろ!」シャーっ、「いいわけねぇだろ!」シャーっ、「いいわけねぇだろ!」シャーっ……。

滅多にドラマを見ない私だが、久々に見たらこれだ。大変なことになっちゃったなあと思っていたら、私の友達全員が萌え萌え巻き戻しリピートのようである。類が友を呼ぶと言うが、私の女友達はメール分だけ読んだら、かなりごっつい男前風の言葉遣いだし、気骨がある奴らばかりだ。にもかかわらず、そういう女たちが、メロメロとこの台詞に萌えるのだから、二ノ宮の演技のすごさがわかるというか、女はいくつになっても、どんなタイプでも、ヲトメ心ってのを持ってるというか。

で、その気骨女子の代表という感じの友達が、「面白い」と言って勧めてくれたのが『ストロボ・エッジ』なのである。最初聞いたときは「ストロボ・エッチ」だと思ってしまい、わぁ、そりゃよさそうだけど大変だ、そんな話を勧められたよ、とひとり妄想が膨らんでしまった。カメラマンとモデルの下ネタ漫画なのかしら……パシャリパシャリと……?

というのは杞憂(?)で、この作品は楽しい高校生活を送る女子高生たちの、恋愛と恋愛の物語であった。いや~、少女漫画には必須の要素である「恋愛」だが、ほかの要素がほとんどなく、恋愛だけで話がズカズカ進む漫画を久しぶりに読んだ。そして、膨大な書物を読み、膨大な映画を観、浮ついたことにあまり興味がない気骨女子が、こうした少女漫画をよいと言うとは、本当に女はいくつになっても、どんなタイプでも、ヲトメ心ってのを持ってるというか。

主人公は、仁菜子。マーガレット系の漫画でそれはよく見かける、小柄でカワイイタイプの、素直で無邪気な女子高生である。彼女とその友達は、同級生の蓮くんをファンクラブ的にキャーキャー言って楽しんでいる。しかしその後、仁菜子は偶然(てのがいいよね)電車で蓮くんと一緒になり、少々のきっかけから始まり、本格的に蓮くんを好きになるところから話が始まる。

この漫画のよいところは、「登場する男子が、今まで読んだ本の中で一番かっこいい」ことだそうだ。うん、確かに蓮くんはよい。そして拓海もよい。よすぎるほどよい。学生やら実家住まいやらという若者は、すっかり交際対象から外れて久しい私だが、こんな高校生がいたら、ぜひお付き合いしてほしいよ。

人間は、若さを失うのと反比例して人としての経験値・魅力を蓄えていくものってのが理想だが、若くて人生の経験が薄いこと、自立をしていないことによる、人間としての甘さや責任感の薄さがなくて、人としてできあがってるなら、そりゃー若いほうがいいに決まってんだろ。

詳細は次回取り上げるとして、「なるほど、こりゃ萌えだ」と思う台詞。両親の離婚に苦しむ蓮くんの彼女・麻由香に、「麻由香には俺がついてるから。ちゃんといるから」と言う。何度も言う。もちろん、言うだけじゃなくて、ホントに夜中に呼び出せばサクッとやって来ちゃって、有言実行なのである。それだけじゃなくて、勉強もできてバイトにもせっせと励んでるんだから、言うことないでしょ。

「そばにいる」ってのは、恋愛関係においてかなりキーポイントだ。次回は、そんな話に焦点を当てつつ。
<つづく>