先日、筆者はとある仕事でとある男性にインタビューをしました。その彼は、なにやら家庭が複雑そうで、アンニュイな感じでした。……はぅん……。ワタシになにかオテツダイデキルことはアリマスカ……?

「母性本能」という言葉があるが、子供なんか全然好きでも何でもない筆者ですら、そのようなものがニョキニョキと生えているようなのである。昔っから、なんか影のあるっぽい男の子が好きなのよね。

いやしかし、これは筆者個人の嗜好ではなさそうである。ガンダムがあれほどの人気を誇ったのも、主人公がアンニュイだったからだ(と、大学の『漫画史』講座で習ったぞ)。アムロはなんだかいつでもうじうじ悩んでいるし、クールなシャアにはどん暗い過去が。アンニュイは、人の心を打つようである。

そしてここにも、アンニュイな男の子たちが登場する話がある。大金持ち、血族、特殊能力の話ときたら、樹なつみの描いた『朱鷺色三角(トライアングル)』だ。いや～、久々に読み返してみたが懐かしかった。

その昔、少女漫画はドラマチックだった。登場人物は涙を流しながらミュージカルのごときジェスチャーで愛を叫び、びっくりしては目から星を出し、バラの花びらを散らしたものだ。現在、そのような華美なムードはかなり控えめになってきていて、ドラマチックな展開以外に話を作るのが不得手な作家は、ボロボロといなくなった……と思っていたのだが、いたいたここに! 前述の『朱鷺色三角(トライアングル)』である。

これ自体、80年代後半に書かれたものなので、古いっちゃー古いんだが、話の劇的さ加減は黄金期並みだ。主人公は、クオーターでバスケの天才、霖。そしてそのいとこで女ったらしの零。おまけのブ少女、蕾(つぼみ)。おまけはおいとくとして、この霖と零、2人とも美少年でスポーツマン。霖はおとぼけくんで、零はクール。一見全く違うこの2人、しかし共通点がある。2人とも、ものすごーいアンニュイなんである。鬱々と悩みを抱えているのだ。

ヲトメの読者は、純朴そうな男が好きなら霖、女の扱いがうまい男が好きなら零と、お好きなほうを選ぶことができる。そのうえ、2人とも微妙にアンニュイなんである。うまいつくりだ! そして"アンニュイな男にのみ許されるとある技"がある。その技とは一体なにか?

それについては次回に述べることといたしましょう。ひひひ。
＜つづく＞