ネット上を"第3世代iPhone"の噂が飛び交っています。真偽のほどは定かでありませんが、ハードウェアスペックの向上(特にメモリ容量)は真実……だと思いたいですね。VNCなどのアプリを利用していると、メモリが残り少ないとたびたび警告されますから。まずは、6月のWWDCに期待です。

さて、今回はVPN編の4回目。外出先から自宅LANにVPNでログインしたとき、iPhoneから3G回線経由でアクセスすることを前提に、どのような用途に利用できるか、具体例を挙げつつ考えてみたい。

最初は「Wake On LAN」

自宅のVPNサーバ(BUFFALO BHR-4RV)とHUBの電源は常時ONだとしても、Macの電源まで常にONにしておくのは資源のムダだ。必要なときネットワーク経由でMacをアクティブ化する「Wake On LAN(WoL)」の機能を利用すれば、ふだんはスリープさせておけばいいわけで、電気代がかなり変わってくる。

WoLの機能を備えたiPhoneアプリはいくつかあるが、BHR-4RVユーザには必要ない。ブラウザでBHR-4RVの管理画面(初期設定ではhttp://192.168.12.1/)にアクセスし、画面左にある「リモートアクセス可能なPCを表示」ボタンをタップすればいい。LAN上のノードが一覧表示されるので、目的のマシン近くに表示された「WakeOnLAN」ボタンをタップすると、起動 / スリープ解除されるマシン宛に信号(マジックパケット)が送信され、そのマシンが"起きる"。若干手間はかかるが、BHR-4RVの管理画面をブックマークに登録するなどしておけば、気にならないはずだ。

BHR-4RVの管理画面から、WoLの機能でMacを"起こす"ところ

なお、"起こす"マシンがMac OS X Leopardの場合、事前にシステム環境設定「省エネルギー」ペインの「オプション」タブで、「Ethernetネットワーク管理者のアクセスによってスリープを解除」をチェックしておくこと。他のマシンも同様に、システムの設定を見直してWoLを有効化しておこう。

事前に「省エネルギー」ペインの設定を見直しておくこと

VNCで自宅のMacを遠隔操作

WoLでMacを"起こして"しまえば、あとは家庭にいるときとほぼ同様にアクセスできる。たとえば、VNCクライアントを利用したMacやWindowsの遠隔操作。App Storeでは、「Mocha VNC Lite」という無償のVNCクライアントが配布されているので、これを利用させていただいた。3G回線の場合、多少描画速度に難はあるものの、急遽外出先から自宅にあるMacのデスクトップを見なければならなくなった、という場面では重宝するはず。なお、VNCサーバの設定方法は「第310回 Leopardのリモートデスクトップ機能をあれこれイジる」を参照願いたい。

VNCクライアントの「Mocha VNC Lite」を使えば、WoLで"起きた"直後のMacも遠隔操作できる

Mac付近の様子をうかがう

いまどきのMacは、一部機種をのぞけば「iSight」を標準装備。MacBook / Proならば、本体の前に座る人物の顔をバッチリ映すことができる。これをうまく活用すれば、自宅の様子を外出先からうかがうこともできるはず。とはいえ、「第195回 Darwin Streaming Serverで子供を見守れるか? (1)」で紹介したDarwin Streaming Serverを起動しておくのも大げさだし、そもそもiPhoneでは再生できないし……。

というわけで辿り着いたのが、VNCでQuickTime Player(Pro)を起動するという方法。作業はかんたん、メニューバーから[ファイル] - [新規ムービー収録]を選択するだけだ(VNCで操作するのはなかなか面倒だが)。これで、描画が滑らかとは到底いえないものの、VNCクライアントの画面から自宅のMac付近の様子を確認できる。iSightの方向を変えることはできないが、ハムスターなど小動物のケージを見えるようにMacを置いておけば(液晶の輝度は最小にしておいたほうがいいかも)、ふだん見ることのできないペットの様子がわかるかもしれない。

MacBook Proの液晶を半開きにしていたので、近くにあるキーボード(最近はApple Wireless Keyboardを使うことが多いのだ)が映されている

このVPN編、お伝えせねばならぬことがまだいくつか残っている。できれば今回を区切りにしたいと考えていたが、あともう1回続くので、どうかお付き合い願いたい。