史上最薄かどうかの議論はともかくとして、やたらと薄い「MacBook Air」が出ました。Macworldの会場付近には「There's something in the air (何かが宙に)」の垂れ幕がありましたが、その意味はコレだったわけですね。確かに、宙に舞ってますものねえ。

さて、今回は「iPod touch」の新ソフトウェアについて。まだMacbook AirもTime Capsuleも手元に届かないため、今すぐ試せるiPod touchの最新ファームウェアと「iPod touch January Update」を紹介してみよう。

少し面倒なアップデートの下準備

Appleが提供を開始した有償アップデート「iPod touch January Update」について語る前に、導入までの手続きを整理しておこう。

January Updateをインストールするには、同日公開の最新版ファームウェア (v1.1.3) が必要。ファームウェアのダウンロードとアップデートの作業はiTunesで行うことになるが、動作条件がMac OS X 10.4.10以降 / iTunes 7.6以降となっているため、事前に更新を済ませておくこと。その際、レンタルムービーの再生にはQuickTime 7.4が必要……と警告を受けるので、あわせてアップデートしておこう (システムの再起動が必要)。つまり、QuickTime 7.4→iTunes 7.6→ファームウェア v1.1.3の順にアップデートすることが合理的だ。

v1.1.3へのアップデートを完了したあと、January Updateの紹介ページにアクセスすると、iTunesで「iPod touch 1月のソフトウェア・アップグレード」というページが開かれる。あとは画面の指示に従い、iTunes Storeで購入手続きを済ませれば、いよいよJanuary Updateの導入は完了だ。

新しくなったホーム画面は"ガクブル"だ!

ファームウェア v1.1.3とJanuary Updateを適用すると、iPod touchのデスクトップ (ホーム画面)が変わる。"脱獄"していない以前のiPod touchにはない、「メール」や「株価」などのアイコンが追加される。ホーム画面下部のDock領域は、Dashboard風のメッシュパネルへと変更される。

Dockのデザインが鏡面仕上げから"Dashboard風メッシュ仕上げ"に変更された

アイコンが移動できるようになったこともおもしろい。「設定」アイコンを長押しすると、ホーム画面上のアイコンがガクガクブルブル震え出すので、その間にアイコンを任意の位置へドラッグする。アイコンが移動するときの表示効果は、15ゲームとビリヤードを足して2で割ったような (わかりますか?) ユニークなもので、UIに一家言あるAppleの面目躍如といったところ。

15ゲーム風というかビリヤード風というか……アイコンがピュンピュン動く

ホーム画面は仮想デスクトップ化され、最大9つまでホーム画面を登録できるようになった。操作方法にはコツが必要で、ホーム画面を前述の"ガクブル状態"にしたあと、アイコンを右隣の(仮想)ホーム画面へドラッグする。このとき、中途半端な位置をドラッグすると、画面上のアイコンすべてが操作対象になってしまうので、軽くプレスしアイコンが一回り大きくなったことを確認してからドラッグし始めるのがコツだ。

ガクガク震えるアイコンを捕まえて右端へドラッグすると、隣のホーム画面へ移動する

動作の様子を撮影した動画ファイル(ipodtouch.mp4)を配布しています。

ホーム画面が増えると、Dockの上に"○"が増える。○の数は現在存在するホーム画面の総数を意味し、そのうちアクティブな画面は白で表示される。ホーム画面の切り替えは、移動したい方向へ画面上をドラッグするか、○の両側付近をタップするかの2つの操作方法を利用できる。

ホーム画面が増えると、Dockの上に"○"が増える。ホーム画面は最大9つまで増やすことが可能

まだまだあります、変更点

January Updateをインストールすると、これまで"脱獄"しないかぎり利用できなかった「メール」や「メモ」、「マップ」を使えるようになる。下表のとおり、ここ日本ではあまり意味のないアプリケーションも含まれるが、外出先からiPod touchで任意のプロバイダのメールを送受信したかった、というユーザには有用だろう。

とはいえ、2,480円。正直に言えば、微妙なプライシングだ。今回は紙幅が尽きてしまったため、その検証はまた次回。

表: ファームウェア v1.1.3および「iPod touch January Update」適用後の主な変更点

Safari レンダリング速度が向上、Webクリップの作成に対応した。水平時の日本語入力も可能になった
マップ Googleマップと連動した地図表示サービス。日本では現在位置や経路、渋滞状況を表示できない
メモ 日本語入力に対応したシンプルなテキストエディタ。作成したメモは「メール」に転送可能
メール POP3/IMAP 4対応のメールクライアント。宛先には「連絡先」に登録したメールアドレスを使用できる。メッセージに添付されたPDF / Word / Excel文書のプレビューが可能
ホーム画面 アイコンの並べ替えが可能になった。最大9つの(仮想)ホーム画面を登録できる
株価 株価情報 / グラフを表示する。米国株式市場に上場の株式(米Yahoo! Financeが取り扱う銘柄)しか対応しない
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