【コラム】

OS X ハッキング!

241 Macを揺さぶれ! Wiiリモコン的入力装置を考える

    海上忍  [2007/08/31]

    気になるグッズが米国で販売されるようですね。その名も「Young Woz and Jobs Playset」、LEGOブロックのカスタムセットです。ところでこの商品、肖像権とかそういったものは問題ないのでしょうか?

    さて、今回は「緊急モーションセンサー」(Sudden Motion Sensor、SMS)について。3次元加速度センサーを利用したこの機能は、2005年1月発表のPowerBook G4でMacに初採用、以降MacBook / Proなどノート型機に標準装備されている。ボディに不意の衝撃が加わることを察知してHDDのヘッドをロックすることが本来の目的だが、メーカーの思惑から外れたアプリケーションも少なからず公開されている。そのような"Yet Another"なアプリケーションを紹介しつつ、SMSの奥深き世界に片足を突っ込んでみよう。

    SMSってなんだろ……SMSってなあに?

    SMSが初めてMacに採用されてから2年以上経過しているが、当コラムでpmsetコマンドを利用したSMSの停止方法を紹介して以降、個人的には存在を強く意識したことはない。電源コードに足をとられて本体を床に落とすことが、MagSafeを採用したMacBook/Proの登場以降皆無となったことも理由の1つだ。

    ちなみに、SMSと同等の加速度センサーは、任天堂のゲーム端末Wii用のコントローラ「Wiiリモコン」にも採用されている。その入力装置としての楽しさと可能性は、テレビCMを見れば想像できるはず。あるときにはゴルフクラブ、あるときにはテニスラケット、またあるときには刀。Wiiの話はさておき、Yet Anotherな加速度センサーの活用方法としては出色の存在といえるだろう。

    ノート型機でのSMSの採用はもはや珍しくないが、入力装置としての可能性を秘めているのであれば話は別。MacをWiiリモコンのように振り回し、快刀乱麻とはかくの如し、とデスクトップを操作できれば重畳だ。なお、振り回してMacが破損しても筆者および編集部は一切責任を負わないので念のため。

    まずは基本ツールをGET

    SMSを入力デバイスとして使用する方法は、有志ユーザの尽力によりある程度確立されている。「 Mac OS X Internals: A Systems Approach」などの著作で知られるAmit Singh氏はその1人で、SMSの情報にアクセスするコマンド「AMSTracker」は、基本ツールといっていい存在だ。まずは以下の手順に従い、コマンドを/usr/local/binへインストールしてみよう。

    
    $ curl -O http://www.osxbook.com/software/sms/amstracker/download/AMSTracker-0.34.dmg
    $ open AMSTracker-0.34.dmg
    $ sudo cp /Volumes/AMSTracker\ 0.34/AMSTracker /usr/local/bin/
    

    インストールの完了後は以下のコマンドを実行し、SMSがどのような値を返すか反応を見るとおもしろい。本体を傾けたときはもちろん、キーをタイプしたときやトラックパッドを叩いたときなど、軽微な振動にも反応することがわかるはずだ。

    
    $ AMSTracker -u 0.1
    ([Control]-[C]キーを押すと終了する)
    

    応用編の手始めは、Matt Webb氏が作成したPythonスクリプト。AMSTrackerから情報を受け取り、衝撃を感知するとApple Script経由でiTunesを再生開始 / 停止するというシンプルなものだが、SMSの活用術としてはむしろ正当派だ。筆者の場合、スクリプト上の定数THRESHOLDは「3」、COMPONENTは「0」にすると、ちょうどいい具合に操作できた。

    
    $ curl -O http://interconnected.org/home/more/2005/03/bumptunes.py
    $ AMSTracker -u 0.1 -s | python bumptunes.py
    

    探せばいろいろあります

    腰を入れてネット上を探してみると、SMSの機能を利用したアプリケーションは意外なほど多いことに気付く。ゲーム用入力デバイスとしての利用は想定の範囲内だが、LiquidMacのような一種の環境ソフトや、盗難防止に役立ちそうなiAlertUなど、これまでにないタイプのアプリケーションが開発されたのはSMSあればこそだ。下表にいくつかピックアップしてみたので、これを機会に試してほしい。

    往年のTVゲームを思わせる「Tilt SCREAM Pong」。SMSらしい使われ方ではある

    Macをポンと叩けばiTunesの曲がスキップする「Skip Checker」

    「LiquidMac」には環境ソフト的な楽しさがある

    Macの傾きにあわせ画面が回転する「SMSRotateD」

    もっとも、ポンと叩けばiTunesの曲がスキップするなどの機能はともかく、けっして軽くはないMacBook / Proを両手で揺らすのは正直ツラい。iPhoneやiPodなどの小型デバイスであれば、さらに使い途はありそうだけれど……。そこで、MacBook / Proより格段にコンパクトなサブノートを出す、という折衷案はどうですか、Appleさ~ん! (テリーとドリー風に)

    SMSに対応するフリーウェア一覧

    種別名称説明
    実用SMSRotateD本体の傾きにあわせ画面を回転させる
    Skip CheckerMacに振動を与えてiTunesの曲をスキップする
    iAlertU盗難防止用ツール。筆者の環境(初代MacBook)では動作せず
    SeisMac地震計として使える振動測定ツール
    AMS2HIDSMSを入力デバイスとして使う
    ゲームTilt SCREAM PongMacを傾けてボールを弾く
    Bubblegym球を転がしてフルーツに当てる
    その他LiquidMacMacを傾けると液体状の物体が反応する
    MacSaberMacを振り回すとライトセーバー風の効果音が
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