【コラム】
Windows Vistaに対応したBoot Campの最新版が出ました。この原稿を書き上げた後に気付いたもので、まだ試していませんが……ともあれ、Leopardが予定どおり今春リリースという線は固そうですね。
さて、今回はH.264(MPEG-4 AVC)ムービーについて。高圧縮率 / 高画質な次世代の動画コーデックとしてQuickTime 7から採用、第5世代のiPod(以下、単にiPodとする)で再生可能なこともあり、いまやOS Xユーザには定番の存在。さらに先日Apple TVがリリース、対応機器が増加した。個人的にQuickTime Playerのエクスポート機能には納得できないため、iPodとApple TVの両方で再生できる"ベストな"H.264ムービーの作成方法を考えてみたい。
昨年iTunesがバージョン7にアップデートした折、iTunes Storeで販売されるビデオクリップが一斉にVGA(640×480)化、映像の情報量はそれまでのQVGA(320×240)から4倍に増えた。QVGAのビデオクリップをテレビに出力すると、"VHSの3倍モードもかくの如し"なクオリティになってしまうため、ハイビジョン対応のテレビを使うことが半ば前提のApple TVでも楽しむことを考えれば、ビデオクリップのVGA化は必須だ。
そのApple TVが対応するH.264のスペックは、最大1280×720ピクセル / 24fps / 5MbpsというHD品質(ADCのTechnical Note TN2188 を参照)。一方でiPodが対応する最大スペックは、640×480 / 30fps / 1.5Mbps。高スペックなApple TV側にあわせHD品質でエンコードすると、iPodでは再生できないが、VGAにしておけば両方で楽しめる。そもそもHD品質のソースが少ない(コピー可なものはDVD品質以下だろう)現状を考慮に入れれば、VGA品質が最適解ということになるはずだ。
DVDをソースに使うのならば、ズバリお勧めは「MediaFork」。DVD-Videoディスクもしくは(DVD-Videoフォーマットの)ISOイメージしかソースとして指定できないが、オープンソースベースで開発され利用は無償、設定が容易なうえに2パスエンコードに対応するため画質も良好、インターレースの解除など付随機能も備えている。iPod用のプリセット値も用意されているので、操作も簡単だ。
操作手順は、最初に「Source」欄でエンコードする範囲を選び(チャプター単位で指定可)、「Destination」欄に出力するファイルを、「Output Settings」欄ではファイルフォーマットに「MP4 file」、コーデックに「AVC/H.264 Video / AAC Audio」を指定する。あとは「Video」タブのエンコーダ欄で「x264 (h.264 iPod)」を選び、1500kbpsを超えない範囲でビットレートを入力すればOKだ。インターレース解除は、[Picture Settings]ボタンをクリックすると現れるシートから設定できる。
このMediaFork、かつて「HandBrake」として開発されていたソフトが長らく停滞、iPod準拠のビデオをエンコードできないことに業を煮やしたユーザ有志が立ち上がり、分岐プロジェクトとして発足したもの。いわば"VGA品質のH.264"に対応することを目標に開発が進められた経緯があり、その意味でも頼もしい存在といえる。紆余曲折あって、近日中にHandBrakeとして再統合するそうなので、今後の開発の進展に期待しよう。
QickTime Proライセンスキーの保有が条件だが、QuickTime Playerの書き出し機能を使うという手もある。使い方は簡単、ソースをQuickTime Playerで開き、書き出し用のダイアログで「ムービーからiPod」を選択すればOK。エンコードの知識など一切不要、640×480 / 1.5MbpsのH.264ムービーを生成してくれる。
ビットレートを微調整したければ、書き出し用のダイアログで「ムービーからMPEG-4」を選択し、以下の要領でオプションパネルを設定すればいい。ポイントは、ファイルフォーマットに「MP4」、ビデオフォーマットに「H.264」、イメージサイズに「640 × 480 VGA」、ビデオ・オプションで「ベースライン」を有効にすることだ。パネルのスクリーンショットを以下に示すので、あわせて参考にしてほしい。
ただし、QuickTime単独ではMPEG-2をソースとして使えない。インタレース解除などのオプションもなく、ことiPod / Apple TV用ムービーの生成に関するかぎり、QuickTimeのコストパフォーマンスは今ひとつの感が拭えない。
個人的なお勧めは、無償で使える「iSquint」。エンジン部分にはオープンソースのx264やffmpegを使用しているため、エンコーダとしての性能は前述したMediaForkと同等と考えていい。残念ながら2パスエンコードには対応しないが、MPEG-1 / 2やDivX / XviD、WMVをソースに使えるという点は大きい。画質もビットレートを多めにとれば十分満足できるレベルになるので、iPod / Apple TV購入の暁にはぜひ試してほしい。
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