【コラム】

OS X ハッキング!

213 噂の「MacFUSE」を試す(1)

    海上忍  [2007/02/08]

    KOMONO道」と題した連載が始まりました。プラットフォームを問わず、イカした安価/小型なデバイスの紹介を行いますが、Mac用周辺機器も積極的に取り上げますので、応援のほどよろしくお願いします。ちなみにタイトルは……往年の忍者アニメ「忍風カムイ外伝」のエンディングテーマ冒頭部分の影響大です、ハイ。

    さて、今回はFUSE(Filesystem in USErspace)のOS X移植版、「MacFUSE」について。SpotlightとFinderを融合させた「SpotlightFS」など、従来のファイルシステムのあり方を変えてしまう可能性を秘めている……というと大げさかもしれないが、かなりユニークな機能を実現できるAPIだ。それでは早速、その機能の概要から解説を始めよう。

    FUSEの概要

    FUSEは、いわゆる"ユーザランドファイルシステム"用API。当初はLinuxの外部プロジェクトとして開発が進められていたが、カーネル2.6.14-rc1のとき正式にソースツリーへ統合。FreeBSDなど、他のUNIX系OSへの移植も行われている。MacFUSEは、Linux版FreeBSD版をベースにした、OS X移植版だ。

    ファイルシステムがユーザーランドに実装されることの利点は、開発が容易になること。UNIX系OSの場合、ファイルシステムはカーネルの一部、またはカーネルモジュールの形で実装されるため、開発は大掛かりなものになりがちだが、APIにアクセスする形で開発できれば格段に作業はラクになる。

    実際、Linuxを対象としたFUSE本家では、CVSリポジトリをマウントするCvsFSなど、さまざまなサブプロジェクトが進行している。これらがOS Xで動けば、いろいろ便利に使えること確実だ。

    MacFUSEを導入する

    MacFUSEの導入は簡単、プロジェクトのWebサイトからディスクイメージ(MacFUSE-Core-0.1.9.dmg)をダウンロード、同梱のパッケージをインストール後システムを再起動すればOK。後日削除する場合に備え、アンインストーラ(/System/Library/Filesystems/fusefs.fs/uninstall-macfuse-core.sh)も用意されているので安心だ。

    なお、MacFUSE自体はファイルシステムそのものの機能を持たないため、別途MacFUSE上で動作するプログラムが必要。MacFUSEでは、関連プロジェクトとして「SpotlightFS」と「sshfs」の2種類を提供しているので、MacFUSE本体とともにインストールしておこう。どちらも一般的なバンドル形式のアプリケーションなので、手順の説明は不要だろう。

    SpotlightFSを試す

    SpotlightFSを起動すると、「SpotlightFS」がVolumesディレクトリにマウントされる。Finderにはフォーマット種が「Spotlight File System(MacFUSE)」のボリュームとして認識され、アンマウントなど操作方法は一般的なフォルダ同様だ。

    ただしファイルシステムとしての役割は大幅に異なり、その名のとおりSpotlightを統合した機能を備えている。まずはボリュームのルートに適当な名称のフォルダを作成し、ダブルクリックで開いてみよう。フォルダ名をキーワードとした検索結果がエイリアス(正確にはシンボリックリンク)の形で一覧されるはずだ。

    SpotlightFSの情報パネル。フォーマット欄に注目

    「KOMONO道」というフォルダを作成、開いたところ関連するMail.appメッセージへのリンクが現れた

    スマートフォルダとどう違う?

    SpotlightFSの機能は、Finder上に実装されたスマートフォルダと基本的に同じだが、挙動の異なる点がいくつかある。具体的には、複数の条件を指定することが難しい、Mail.appのメッセージが検索対象に含まれる、「種類:音楽」のようにファイル種の指定ができない点が挙げられる。

    その決定的な違いは、Finder以外のインタフェースを経由してスマートフォルダ的な処理が可能なことだろう。TerminalからSpotlight検索を行う場合、通常はmdfindコマンドを使うことになるが、SpotlightFSならば/Volumes/SmarterFolderディレクトリでlsコマンドを実行するだけでOK。たとえば、MacFUSEに関するファイルを探したければ、「ls MacFUSE」とだけ実行すればいい。

    スマートフォルダより賢い? 「SmarterFolder」でSpotlight検索を実行

    ここで紙幅が尽きたため、続きは次回。MacFUSE用ファイルシステムの目玉的存在「ntfs-3g」を中心に、話を進める予定だ。

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