【コラム】

OS X ハッキング!

211 Intel Macの新しい仮想化ソフト「VirtualBox」を試す(2)

    海上忍  [2007/01/25]

    来月発売予定の新AirMac Extremeベースステーションですが、ふだん持ち歩いている初代MacBookでは802.11nの高速性を活かせません(対応機種はこちら)。うむむ、どうしましょう。

    さて、今回も仮想化ソフトの新顔「VirtualBox」について。前回はVirtualBoxのビルドに備えた環境構築を終えたところで紙幅が尽きたので、VirtualBox本体をインストールするところから再開する。

    VirtualBoxをビルドする

    libsdlとi386-elf-gccのインストールが完了したら、いよいよVirtualBoxのビルドを開始。ソースコードのダウンロードにはsvnを利用するので、こちらのサイトから入手しておくこと。

    あとは以下に示す手順どおり作業すればOK。筆者はvboxリポジトリのリビジョンが258、kBuildリポジトリのリビジョンが778の時点で試したところ、src/VBox/HostDrivers/Support/darwin/Info.plistがないためにエラーが発生したことを除き、特に問題なくビルドは完了した。今後開発が進んだ場合、作業手順を変える必要が生じるかもしれないので念のため。

    $ svn co http://virtualbox.org/svn/vbox/trunk vbox
    $ cd vbox
    $ rm -rf ./kBuild/
    $ svn co http://svn.netlabs.org/repos/kbuild/trunk/kBuild kBuild
    $ ./configure --disable-xpcom
    $ source env.sh
    $ touch src/VBox/HostDrivers/Support/darwin/Info.plist
    $ BUILD_TYPE=profile kmk

    いざ起動

    無事ビルドが完了したら、付属のGUIフロントエンド「VBoxBFE」でゲストOSを起動してみよう。インストール用スクリプトが整備されていないため、バイナリが生成されたディレクトリ(OS Xの場合out/darwin.x86/profile/bin)へ移動し、VBoxBFEを起動するといいだろう。なお、仮想化機能を高速化するKEXTが実装されていないので、環境変数VBOX_SUPLIB_FAKEに「fake」を定義しておく必要がある。

    $ export VBOX_SUPLIB_FAKE="fake"
    $ cd out/darwin.x86/profile/bin/

    これでVBoxBFEを起動できるが、GUIとしての機能は窓枠程度しか実装されていないので、メモリ容量や起動用デバイスなどの情報は、オプションとして指定しなければならない。CD-ROMを使用する場合、「-cdrom」オプションに続けてISOイメージかデバイスファイル名を指定するが、どのようなデバイス名を指定してもCD-ROMのマウントは×。現状、ISOイメージを指定するしかなさそうだ。

    ISOイメージであれば、起動は簡単。割り当てるメモリサイズが512MB、CD-ROMとして使用するファイルがデスクトップ上の「WinXP.iso」、起動デバイスがCD-ROMの場合には、次のとおりコマンドを実行すればいい。オプションの使い方を調べるときには、オプションを付けず「./VBoxBFE」としてみよう。

    $ ./VBoxBFE -m 256 -cdrom ~/Desktop/WinXP.iso -boot d

    CD-ROMからのWindows XPの起動には成功するものの……

    オルタナ系OSを試す

    OS XでVirtualBoxを利用した感想だが、先行するParallelsやVMwareと比較すると、まだまだという状況。感覚的にはPowerMac G5上でQEMUを利用しているときに近く、Intelプロセッサを搭載するメリットが感じられない。GUIが未整備なことはともかく、仮想機能を高速化させるKEXTが実装されないことには、実用は難しいと言わざるをえない。

    VirtualBoxのメーリングリストで流れた情報によれば、現時点では独自形式の仮想ディスクフォーマット(*.vdi)しか利用できず、QEMUやVMwareといった他の仮想化ソフトのイメージファイルには対応しないとのこと。付属のvditoolコマンドを利用すれば、新規仮想イメージは作成できるが、Windows XPのように巨大なOSをインストールすることは、実行速度からして現実的とは思えない。

    しかし、"オルタナ系OSファン"には朗報が。vditoolのRAWイメージファイル変換機能を利用すれば、BeOSクローンの「Haiku OS」を起動できるのだ。Haikuプロジェクトはシステム一式をRAW形式のイメージファイルとして配布しているので、これをVDI形式に変換すればOK。Parallelsでは、VMware用のイメージファイルをParallels Transporterで変換しても起動に失敗するが、VirtualBoxならイケる。デスクトップにイメージファイル(haiku.image)があるとき、以下の要領でコマンドを実行すれば、BeOSそっくりなHaiku OSを体感できるはずだ。

    $ ./vditool DD haiku.vdi ~/Desktop/haiku.image
    $ ./VBoxBFE -m 512 -hda haiku.vdi -boot c

    それにしても遅い、遅すぎる。初代MacBook 1.83GHzでは、GLTeapotが1.3FPSですよ……そこで一首。

    仮想箱 試してみたら 遅すぎて おもわずHAIKU 和歌になりけり

    ではまた来週。

    速度は遅いが、Haiku OSを試すことができる

    回転するヤカンで処理能力を測る「GLTeapot」

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

      イチオシ記事

      新着記事

      特別企画

      マイナビニュースマガジン