【コラム】

OS X ハッキング!

193 OS Xに最適なオフィススイート「NeoOffice」(その1)

    海上忍  [2006/08/31]

    8月のApple関連トピックは、LeopardとMac Proの話題に終始する……かと思いきや、月末になっていきなりGoogleのSchmidt会長兼CEOがApple取締役に就任というニュースが飛び込んできました。少なくともAppleとGoogleが疎遠な関係には進まないことの表れでしょうから、なにかの形に"実を結ぶ"可能性も考えられそうです。

    さて、今回はフリーなオフィススイート「NeoOffice」について。平たく言えばOpenOffice.orgのOS X移植版だが、Aquaと親和性の高いユーザインターフェイスと、追加インストールなしにATOKなどの日本語IMEを使える利点は大きい。以前紹介したときには、TIPS的な使い方に終始してしまった反省の意味も込めて、OpenOffice.orgとの比較を中心にお伝えしてみよう。

    OpenOffice.orgとの違いは?

    今回リリースされた最新β版「NeoOffice 2.0 Aqua Beta 3」は、OpenOffice.org 2.0.3のソースコードをもとに開発されている。両者の基本的な機能に差はなく、最新のセキュリティ対策も施されている。NeoOfficeが後を追う形となるため、機能的には本家OpenOffice.orgに遅れをとっていたが、今回のリリースでバージョン的には並んだ格好となる。

    なぜ基本機能が同じ2つのオフィススイートが存在するかだが、1つにはユーザインターフェイスに対する取り組み方針の違いが挙げられる。NeoOfficeでは、ユーザインターフェイスに関する実装をJavaで行う(Cocoa-Javaブリッジ)ことにより、Cocoaの外観と操作性を獲得。Commandキーを軸としたショートカットキー、アプリケーション間でのコピー&ペースト、フォントの利用方法などなど、ほぼCocoaアプリとしての体裁を持つことは、オフィススイートの用途を考えると利点が大きい。

    一方のOpenOffice.Orgは、UNIX系OS汎用に開発されているため、X Window System(X11.app)に描画とユーザインターフェイスを依存する。Controlキーを軸としたショートカットキー、Aquaと分離されたフォント管理機構など、Aquaらしい操作感は期待できない。日本語IMEを利用する場合には、kinput2にパッチを当てたうえで~/.xinitrcに手を加える、という作業も必要になる。UNIX汎用のアプリケーションをOS Xで動かしているため、当然といえば当然だが、敷居の高さを感じるユーザも多いはず。本家OpenOffice.orgでもMacネイティブ版の開発が進められているが、現時点ではOS Xの長所が活かされていないことは確かだ。

    NeoOfficeはといえば、設定なしに日本語IMEを使えるうえ、Spotlightのインポータ(neolight.mdimporter)が標準装備されるなど、あらかじめOS Xユーザ向けにリファインされている。現時点では、OpenOffice.org 2.0(相当)の機能をOS Xで使うベストの選択肢だといえるだろう。

    NeoOfficeを使おう

    前置きが長くなってしまったが、NeoOffice導入の手順を紹介しておこう。β3時点での情報であり、正式リリースまでには仕様が変更される可能性もあるため、その点に留意して読み進めていただきたい。

    まずはインストール。利用するMacのアーキテクチャに応じたパッケージ(Intel MacならばNeoOffice-2.0_Aqua_Beta_3-Intel.dmg)をダウンロード、ディスクイメージに含まれるパッケージをインストールしたあと、日本語のランゲージパック(NeoOffice-2.0_Aqua_Beta_3-Language_Pack_Japanese-Intel.dmg)、最新のパッチ(NeoOffice-2.0_Aqua_Beta_3-Patch-1-Intel.dmg)の順にインストールする。これだけで、準備は完了だ。

    NeoOfficeを起動すると、最初はワープロ(NeoOffice Writer)の画面が現れる。他の機能を利用したい場合には、ツールバー左上のプルダウンボタンをクリック、表計算(NeoOffice Calc)や図形描画(NeoOffice Draw)などの候補を選択すればOK。ツールバー上のボタンにマウスカーソルを移動すると、かんたんな機能説明がポップアップ表示されるので、迷うことは少ないはず。環境設定パネルの[NeoOffice]→[全般]で「詳細ヒント」を有効にしておけば、より詳しいヒントを表示できる。

    と、ここで紙幅が尽きたため、続きは次週。Microsoft Officeを含め、他のオフィススイートとのファイルフォーマット互換性について検討する予定だ。

    Aqua準拠のインターフェイスを持つ「NeoOffice 2.0 Aqua」。Spotlightプラグインも同梱されている

    Microsoft Wordの文書ファイルを開いたところ。画面をスクロールすると表示が崩れる現象が起きたものの、レイアウトは崩れていなかった

    NeoOffice Drawで作図しているところ。AutoCADファイル(DXF)やEPSも読み込めるとのこと

    面倒な設定なしに日本語IMEを利用できることもメリットの1つ

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