【コラム】

OS X ハッキング!

191 WWDC 2006で浮かび上がったLeopardの姿

    海上忍  [2006/08/17]

    WWDC 2006が無事終幕、基調講演ではBertrand Serlet上級副社長のLeopardとVistaの比較が印象に残りました。そうそう、彼はNeXT出身で、NEXTSTEP/OPENSTEP版FinderともいえるWorkspace Managerの開発者だったんですよ。このようなイースターエッグが許された時代、懐かしいですね。

    証拠のスクリーンショット

    さて、今回は「Leopard」について。もちろん、WWDC 2006で発表された内容など手元にある材料を使わざるをえないが、状況証拠を寄せ集めれば片鱗ならぬ"尻尾"程度は見えてくるはずだ。

    「仮想化」はどうなる?

    新OSの経過報告という点では、Windowsとの比較という一種のイベントばかり注目を集めてしまった今回のWWDC。確かに、自動バックアップ機能を提供する「Time Machine」や、複数のデスクトップを切り替えて広大な作業領域を実現する「Spaces」など、目立った新機能も発表されたが、OSの足腰ともいえる下位レイヤーに関する発表は多くなかったように思う。「Core ***」のAPIシリーズとして「Core Animation」が発表されたことを除けば、ほとんどがアプリケーション層の機能だ。

    Mac OS Xが"最先端指向のOS"という前提に立つと、今回の基調講演に不足していたキーワードが浮かび上がってくる。その1つは「仮想化」。仮想化技術の利点は企業のサーバ運用コスト低減にあると考えられるため、個人ユーザ主体のOS Xで可及的速やかに必要とされる機能かどうかは議論の余地があるものの、それが無視できない大きなトレンドであることは確かだ。

    コキ下ろされたVistaに目をやると、仮想化は「Windows Server Virtualization」という形でフォローされている。Linuxは言わずもがな、Red HatNovellなど大手ベンダーはこぞって仮想化のソリューションを明確に打ち出している。WWDC 2006の開幕にタイミングを合わせてMac OS X版VMwareの投入計画が発表、先行するParallels Desktop for Macも動きを見せたことを考えると、仮想化がLeopardでスルーされるとは考えにくい。Intel製CPUのメリットを生かせる機能なだけに、来春までになんらかの動きがある…… と予想するが、どうだろう?

    オープンソースからLeopardを予想する

    一方、OS Xにはオープンソースの機能を取り込むという手もある。この観点からLeopardを予想すると、Tiger以降にリリースされたCUPS 1.2(Tigerでは1.1)と、他の大半のUNIX系OSが移行を完了したX.org X11R7.x(TigerのX11.appはXFree86 4.4.0ベース)の導入はかなり確度が高いと予想される。Ruby on Railsのように、導入が明言されたものについては言うまでもない。

    WWDC 2006で発表された技術から推理する、という方法もある。Leopardの目玉機能の1つ、バックアップ技術の「Time Machine」は、随時スナップショットを作成することである時点の状態を保存しているようだが、それに合わせHFS Plusの仕様を拡張、もしくは新しいファイルシステムの導入を行っている可能性がある。

    ここで思い出されるのが、Appleの開発者がZFSに関心を寄せていたという。現在のTime Machineの完成度から推測すると時期的に遅すぎるため、ZFSがそのまま移植されたとは考えにくいが、なんらかの形でZFSの技術が生かされているかもしれない。現在メインのファイルシステムであるHFS Plusが、ベースとなったHFSのリリース(1985年のSystem 4)から数えて20年以上経過していることも併せて考えると、そろそろ新しいファイルシステムが導入されてもおかしくはない…… と予想するが、どうだろう?

    最後に少しばかり宣伝を。今月下旬、技術評論社より拙著「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンドポケットリファレンス」が刊行されます(ISBN:4-7741-2877-5、本体価格1,980円)。Mac OS X独自のコマンドも多数取り上げていますので、ぜひお買い求めください。もちろん、印税はギークな品々の購入に充てさせていただきます(平伏)。

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

      イチオシ記事

      新着記事

      特別企画

      マイナビニュースマガジン