【コラム】

OS X ハッキング!

181 OS XでGoogle Spreadsheetsを試す

    海上忍  [2006/06/08]

    斬新な機能を持つアプリケーションの開発で知られるGoogle Labsが、Web上で実行可能な表計算ソフト「Google Spreadsheets」を発表した。Googleからの招待状(当然Googleアカウントも必要)を貰わなければ利用できないため、申し込みから数十時間ほど悶々としていたところ……招待メールが到着!! というわけで、今回はGoogle Spreadsheetsの使用レポートをお届けしたい。

    早速使ってみました

    Google Spreadsheetsは、JavaScriptを利用してサーバサイドと通信しながら動作する、Webブラウザをインタフェースとした"表計算クライアント"だ。対応するWebブラウザは、IE 6.0以降/Firefox 1.0.7以降/Mozilla 1.7.12以降/Netscape 7.2と8.0/Camino 1.0以降に限られ、Mac OS X標準のSafariはサポートされない。ユーザエージェントではねられてしまうため、SafariのDebugメニューを利用してIE 6.0と偽ってみたものの、異常終了してしまった。Mac OS Xユーザの場合、FirefoxかCaminoを選択することになるだろう。

    Google Spreadsheetsにログインすると、上部に「Format」と「Sort」、「Formulas」の3種のタブを持つシートが現れる。これは数式バーやステータスバーを配置するためのスペースを節約するための工夫らしく、表としての体裁を整えるときにはFormat、並べ替えや行を固定して表をスクロールさせるときにはSort、数式を入力するときにはFormulasと、状況に応じてタブを使い分けると作業しやすい。

    気になる操作性だが、操作から一瞬間が空くような反応の鈍さを除けば、十分実用的だといえる。セルのコピー/ペーストなどの処理に[control]キーを使う点は、[command]キーを軸とした操作体系に慣れたOS Xユーザにはウケが悪そうだが、OS非依存のアプリケーションゆえに仕方のないところか。なお、マウスの右クリック([control]+クリック)も、ブラウザの影響下にあるため使用できない。

    ファイルの操作は、Google Spreadsheetsロゴ右横に配置された[File]メニューを利用する。[Open]を選択するとローカルからサーバへアップロード、[Save]を選択すると作業中のシートがサーバ上の領域に保存される。ローカルに保存する場合は、[Download as .xls]または[Download as .csv]を選択すればOK。[Get HTML]を選択すれば、現在表示中のシートをHTMLに変換することもできる。

    目玉機能は……

    Google Spreadsheetsの目玉機能の1つが、コラボレーション機能。複数のユーザが1つの表を同時に、しかもWebブラウザで編集できることは、かなり目新しさを感じる。テストに参加できる人員が他に見当たらなかったため、残念ながら試せてはいないが、左上の[Show sharing options]をクリックして編集(または閲覧のみ)を許可するユーザアカウントを登録すればいいらしい。

    ファイルの互換性はといえば、Excelブック(.xls)および.csvファイルがサポートされている。確認すべき項目があまりに多いため、こちらも十分にはテストできていないが、グラフやリストボックスなどのオブジェクトは画面に現れず、マクロはまったく無視、の2点は確認できた。二百数十種が用意された関数も、その書式や(Excelとの)互換性を検証するには時間が足りないことから、今後の課題とさせていただきたい。

    Googleが目指すものは

    Google SpreadsheetsはGoogleのMicrosoftへの挑戦状、とでも言いたげな報道が多いようだが、筆者はそのような見方に懐疑的だ。

    表計算ソフトの歴史は、約四半世紀前にApple IIの人気を決定づけた「Visicalc」に遡る。MS-DOS全盛期に入りトップシェアはLotus 1-2-3へと移り、数年後にはWindowsの爆発的普及とともにExcelの時代を迎えたわけだが、ここ10年ほどその圧倒的シェアは揺らいでいない。理由は多々考えられるが、機能の豊富さと(VisicalcやLotus 1-2-3との)互換性の高さがあることは間違いないだろう。

    現時点で判断するかぎり、Google SpreadsheetsにはかつてLotus Improvに見られた表計算ソフトとしての斬新さ -- かなり端折った物言いだが、Excelのピボットテーブル的な多次元性を備えていた -- は感じられず、対応するファイルフォーマット種もXLSとCSVの2種のみで、グラフやマクロには対応しない。Webブラウザという汎用化したインタフェースを使うこと、複数のユーザが同時に作業できることはユニークだが、表計算ソフトの本質には影響しないように思える。Excelに伍する存在になるとすれば、グラフやマクロを含むExcelファイルを安心してインポートできるようになってからだろう。

    非対応のWebブラウザでログインしようとすると現れるメッセージ。残念ながらSafariは×

    Google Spreadsheetsの作業画面。とりあえず日本語の表示/入力は問題なし

    この画面で操作を許可したユーザによって、1つの表を同時に編集することが可能になる

    従来型の“ファイルの保存“は“ファイルのダウンロード”になる

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

      イチオシ記事

      新着記事

      特別企画

      マイナビニュースマガジン