【コラム】

OS X ハッキング!

178 出なけりゃ作る!? Cocoa風味の"サブサブノート"

    海上忍  [2006/05/18]

    出ました、MacBook。しかも最上位モデルは黒ですよ、黒。全モデルCore Duoですよ、デュアルコアですよ! それにつけても気になるのが……キーボード。浅そうに見えるキーストロークが、PC-6001とかJR-100/200とか、往年の8ビット機を彷彿とさせる!! そうそう、あの頃はTinyゼビウスに(話が長くなるので以下省略)。

    さて、今回はQuantumSTEPについて。OSにLinuxを採用したSHARP SLシリーズ(通称: Linuxザウルス)およびNokia 770で動作するGNUstep互換環境という、その筋の人間でなければ見向きもしないスパルタンなシステムだが、NEXTSTEP/OPENSTEPライクなアプリケーションが動くならば儲けもの。どれほど"使える"機能を持つか、SLシリーズを対象としたZaurus-Editionの最新開発版(DR7/Build86)で検証してみよう。

    私は"サブサブノート"が欲しいのだ

    思えば、Appleから久しく"サブノート"が発売されていない。サブノートなる言葉の定義は曖昧だが、仮に"本体重量が2kg以下で液晶が12インチ以下のノート型機"とすると、97年に発売されたPowerBook 2400c/180(IBM製)以来、サブノート機は存在しないことになる。PowerBook G4 12"はイイ線を行っていたが、重量と液晶のいずれも基準を若干オーバーしている。

    それでもMac OS Xをサブノート機で動かそうとすると、PearPCなどのPowerPCエミュレータに頼ることになるが、実用にはほど遠いパフォーマンスとなることは必至。CocoaはムリでもGNUstepで使い慣れたNEXTSTEPの雰囲気を……と考えたところ、QuantumSTEPの存在を思い出した次第だ。もし思惑通りの速度で動作すれば、Cocoa風味の"サブサブノート"が実現するので、試さない理由はない。

    QuantumSTEPのZaurus-Editionは、SL-5500G/5600、SL-C7xx/8xx、SL-C1000/3000に対応している。Zaurus側での作業手順はパッケージに同梱の文書を参照いただくとして、ホストとなるOS X側の手順は、2年半ほど前に当コラムで解説している。ドライバのバージョンアップやSLシリーズの仕様変更により、手順は多少変わっているが、参考になるはずだ。

    なお、HDDを内蔵しないSL-C1000では、SDカード(またはCFカード)の増設が必要になる。その場合、以下の要領で作業すれば、ファイル一式をSDカードにコピーできる。インストール先には「本体メモリー」を選択することになるので、念のため。

    $ su
    # umount /mnt/card
    # mkfs.ext2 /dev/mmcda1
    # ln -s /mnt/card /home/myPDA

    動作はするが…… 遅かった

    QPEのアプリケーションタブに追加された「QuantumSTEP on X/Qt」アイコンをタップすると、いよいよQuantumSTEPが起動する。最初に現れるX11のルートウインドウをタップしたあと十数秒ほど待つと、メニューバーやアプリケーション起動用の「myapp Launcher」が起ち上がり、次第にCocoa風味のデスクトップが整う。カラム表示を採用したファイルブラウザ「myFinder」、ディスク管理用の「myDiskUtility」など、Mac OS Xユーザであれば容易に機能を推測できるアプリケーションで作業を行う仕組みだ。

    実行速度はDR6の頃と比較して改善されているものの、まだ実用的な段階には達していない。SL-C1000を純正カーネルのまま使用していることもあるが、画面をタップして一呼吸置かなければ反応がない、という印象だ。システム全体も安定性に乏しく、正常に機能しないアプリケーションも少なくない。QVGAの解像度で起動すれば(QPEの設定タブにあるアイコンから起動)、パフォーマンスは多少改善されるものの、現行バージョンをインストールしたところで実用性に乏しく寒々しい"さぶさぶノート"になること必定だ。

    とはいえ、GNUstep用アプリケーションをわずかな労力で移植できること、Mac OS XやLinuxでアプリケーションを開発できることなど、利点も多い。GNUstep同様、長い目で見守るべきプロジェクトなのかもしれない。

    SL-C1000の場合、/home以下に/mnt/cardのシンボリックリンクを作成したあと(本文参照)、インストール先に本体メモリーを指定する

    QuantumSTEPのパッケージには、X Window System(X/Qt Server)も同梱されている

    QuantumSTEPのデスクトップ。Aqua風メニューバーなど、そこかしこにコダワリを感じさせる仕上がり

    QVGAの画面サイズで起動すれば、パフォーマンスが改善される

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