【コラム】

OS X ハッキング!

172 rEFItで探るIntel Macの深層

    海上忍  [2006/03/30]

    Avadis Tevanian氏が3月末付でAppleを去るとのこと。彼の貢献がなければNEXTSTEPはなく、私の貯金が残高ゼロになることもなく、現在の職に就くこともなかったわけで、感慨深いものがあります。今はただ、長い間お疲れさまでした、とだけ…… 益々のご活躍を祈念しつつ。

    さて、今回はIntel Mac用ブートマネージャ「rEFIt」について。Intel MacでOSのデュアル/トリプルブートを可能にするという、その筋のユーザが泣いて(泣くか?)喜ぶこと間違いなしのユーティリティなのだ。解決されるべき課題は多いものの、LinuxのみならずWindows XPのブートも可能となった現在、扱いやすく自由度も高いブートマネージャは要注目といえるだろう。

    rEFItの特徴

    rEFItは、IntelがBSDライセンスのもと配布する「EFI Application Toolkit」をベースに、Christoph Pfisterer氏が開発したオープンソースソフトウェアだ。rEFItをIntel Macがサポートするブート用領域 -- GUID方式またはApple方式のパーティション -- へインストールし、blessコマンドで起動ディスクとして設定すれば、スタートアップマネージャ経由で起動できるようになる。オンボードの(Apple謹製の)ファームウェアを置き換えるわけではないが、HFS+で初期化したUSBメモリカードなどにrEFItを仕込んでおけば、Mac OS X標準のブートローダ(/System/Library/CoreServices/boot.efi)に手を触れることなくマルチOS環境を構築できる。

    典型的な活用事例を挙げてみよう。持ち運びが容易なUSBメモリカードを1つ用意し、HFS+でフォーマットする。そこへrEFItをインストールしてblessコマンドを実行、起動ディスクとして使えるようにしておけば、WindowsやLinuxでブートしたいときにはUSBポートへ差し込んでブート、通常どおりMac OS Xでブートしたいときには抜いてブート…… といった具合だ。rEFItのインストール先は5MB程度あれば足りるので、容量が小さすぎて引退に追い込まれたメモリカードを活用してもいい。FATとHFS+の2パーティション化したiPod Shuffleを使う、という手もあるだろう。

    具体的なインストール方法だが、Webサイトからダウンロードした書庫ファイル(tar+gz形式)を以下の手順で展開すればOK。ボリューム名は、ここでは仮に「HFS」としているが、適宜読み替えていただきたい。

    $ tar xzf refit-bin-0.3.tar.gz
    $ cd refit-bin-0.3
    $ cp -R ./* /Volumes/HFS
    $ cd /Volumes/HFS/efi/refit
    $ sudo ./enable.sh

    EFI Shellを使う

    rEFItの使い方は簡単、Intel Macの起動時に[option]キーを押し続けてスタートアップマネージャを呼び出し、そこでrEFItをインストールしたディスクを選択すればOK。対応するOS(Mac OS X/Windows XP/Linux)が検出された場合、画面上に対応するアイコンが現れるので、カーソルキーで選択して[return]キーを押すとブートプロセスが開始される。下の写真は、内蔵HDDにWindows XPとOS Xを、SuperDriveにUbuntu LinuxのLive-CDをセットした状態でrEFItを呼び出したときのものだ。

    シェルの機能を併せ持つことも、rEFItの特徴の1つだ。シェルとしての機能はごく基本的なものにすぎず、用意されたコマンドもバッチ処理用のものが多いため、利用する機会は少なそうだが、ごく当たり前にMac OS Xを起動するだけでは知り得ない情報も入手できる。たとえば、「drivers」とコマンドを実行すると、オンボードのEFIイメージに収録されているドライバを一覧できる。

    なお、コマンド名だけを実行するとかなりの勢いで文字が流れ去ってしまうため、「drivers -b」のように「-b」オプションを有効にしてみよう。moreやlessなどのページャの代わりになるはずだ。

    Mac OS XとWindowsとLinuxに対応する最強のブートマネージャ「rEFIt」

    EFI Shellでdriversコマンドを実行したところ。Airport(日本ではAirMac)がファームウェアレベルでサポートされているなど、ちょっとした発見がある

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