【コラム】
今年のWWDCは8月だそうですが、なにか新製品は発表されるのでしょうか? 昨年は6月に開催されたこの開発者向けイベント、2カ月後ろにズレるという点に"意図"を感じるのですが。
さて、今回は予告通り「Intel Macで稼働するKNOPPIX上で動くVMwareでWindows XPを走らせる」ことについて。子亀の背中に……のようでヤヤコシイこと限りないが、そのメリットは大きい。もはや趣味の領域に近づきつつあり読者不在の感も否めないが、今さら退けぬ、退けぬのだ、ということで今回もお付き合い願いたい。
Mac OS Xオンリーという読者のために、VMwareについて簡単に説明しておこう。VMwareは、仮想化ソフトと呼ばれるアプリケーションの1つで、Intel x86系CPUを搭載したWindowsまたはLinux上で動作する。他のOSを動かすことを目的とするが、同一のCPUで動作するOSのみ対象とするため、いわゆるエミュレータのようにCPUコードを変換する必要がなく、そのぶんパフォーマンスを稼げる。単純な比較はできないが、PowerPC Mac上でVirtual PCを動作させるより速度的には有利だ。
そのVMwareは、最近まで1ライセンスあたり数万円以上の価格で販売されてきたが、VMwareの販売戦略の変更やXenなどオープンソースの仮想ソフトの台頭を受け、一部の製品について無償提供を開始している。しかも現在ベータテスト中のVMware Serverは、対称型マルチプロセッシング(SMP)をサポートするなど、Intel Core Duoを搭載する新iMacでの使用に適した機能を持つ。Windows XP単独のブートは困難だがLinuxはOKという現状にあって、VMwareはIntel MacでWindows XPをそこそこ快適に動かせる唯一の選択肢なのだ。
Intel Macで稼働するKNOPPIX上で動くVmware(VMware on KNOPPIX over Intel Mac、以下「VKIM」と勝手に略す)は、現状KNOPPIX側の設定が未了なためネットワーク機能を利用できないことを除けば、特に問題なく動作する。インストールパッケージにはVMware社で配布されているtar+gz形式選択、展開後に同梱されているperlスクリプトを管理者権限で実行する程度のもの。サービス(vmware-serverd)起動用のスクリプトも/etc/init.dディレクトリ以下にインストールされ、次回KNOPPIXを起動したとき自動的に開始される。
VMwareの設定も特筆すべきことはなく、シェルから「vmware &」を実行、あとはウィザードが示す手順に従いWindows XP用の設定を選択し、作成する仮想HDDの容量を適当に指定、ウィザード完了後にCPUの数を2つに変更する程度でOK……のはずだったが、最初の挑戦はファイルコピーが26%辺りまで到達した時点でシステムごとハングアップ。気を取り直してKNOPPIXをリブート、PIDファイル(/var/run/vmware/vmware-serverd.PID)を削除してからVMwareのサービスを再起動して2回戦に臨んだが、CPUの数を1つに減らすなど設定を変更しても結果は変わらず。仕方なくリアルのWindows XPで動作するVMwareで作成したディスクイメージを使い、VKIMでWindows XPを起動させることにした(ああ、ややこしい)。
なお、VMwareでは付属のユーティリティ(VMware Tools)をゲストOSにインストールすると、SVGAドライバの追加などパフォーマンスが最適化される。ゲストOSの導入が完了した状態でインストールしなければならないため、ここまで作業してからKNOPPIX側にコピーしている。
前回紹介した方法でKNOPPIXをブートし、あらかじめリアルWindows XPからコピーしておいた(Windows XPがインストールされた)vmdkファイルとvmxファイルの2つをVMwareで開くと……FDDのデバイス名を/dev/fd0に書き換えた云々というメッセージが表示されたあと、ついにWindows XPの起動が始まった。
気になる処理性能だが、体感速度は上々。スタートメニューはスッと表示され、ウインドウの最小化/最大化も速くはないがモタつくほどではない速度で動作する。付属の3Dピンボールゲーム(Space Cadet)もサクサク動き、音が出ないことを除けば本気で遊べる。Linuxが安定して動作するようになり、ネットワークに接続可能となれば、かなり"使える"存在になることは確実だ。XPよりも要求スペックの低いWindows 2000を選択すれば、実用性はより高まるだろう。
Windowsで著名なベンチマークソフト「HDBENCH 3.3」でパフォーマンスを測定してみたところ、以下の図に示す結果となった。CPUとメモリの項目でにわかに信じ難い数値が叩き出されているため、トータルでは現実味の薄いスコアとなっているが、リアルWindows XP上で稼働するVMware上で動くWindows XPを上回っている(体感速度も同様)。ここまで辿り着くには多少の手間がかかるが、興味があれば是非トライしていただきたい。
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