【コラム】

OS X ハッキング!

168 Intel Mac強化計画 ~ Intel MacでKNOPPIXを動かす

    海上忍  [2006/03/02]

    Intel版のMac mini、出ましたねえ。PowerPC版と比べて価格は上昇したものの、USB 2.0ポートが4基に増えたりGigabit Ethernet対応になったりと、CPU以外にも変更点はいろいろあるんですよね。メモリは最大2GBだし。ん? 4倍もスピードアップ? それは素直に喜べないかも……

    さて、今回はIntel Mac上でLinuxを動かす方法の続編をお届けする。前回はiPod ShuffleにLinuxカーネルとブートローダ(elilo)を仕込み、起動に成功したところで紙幅が尽きてしまったため、今回はその続編、Linuxディストリビューション「KNOPPIX」を起動するまでの手順を紹介しつつ、どの程度"使える"かを検証してみたい。

    Intel MacでKNOPPIXを動かすために

    iPod ShuffleからLinux -- 使えるのはBusyBoxのコマンドのみ -- が起動したところで、これといって役に立つ場面がないことは事実。しかし、iPod Shuffleを足場に(他のディスクへインストールしておいた)Linuxディストリビューションを起動すれば、利用可能なアプリケーションは格段に増える。さらに最近無償配布が開始されたVMware Serverを実行できれば、Windowsがネイティブに近い速度で動作する…… しめしめ、ということになる。

    ディストリビューションのチョイスには一家言ある読者も多いと思うが、ここではCD-ROM1枚に日本語環境やKDEなど必要な一式が詰め込まれた「KNOPPIX」を選択したので、悪しからず。KNOPPIXにはknx2hdというインストール支援ツールが用意されているほか、カスタマイズしたブータブルCD-ROMを作成する機能も含まれているので、後々の作業を考えれば妥当な選択だろう。

    KNOPPIXを起動する手順だが、前回紹介したiPod ShuffleでIntel Macをブートし、USBハードディスクへあらかじめインストールしておいたKNOPPIXへchrootコマンドで切り替える、という方法を利用する。Intel Macでのブートおよびインストールに対応したLinuxディストリビューションは本稿執筆時点では存在しないため、BIOSを搭載した一般的なPCを利用してHDDにインストールしなければならないが、それらの材料さえ用意すればスムーズに事が運ぶはず。

    筆者が利用したものは、eliloとLinuxカーネルのみインストールしたブート用のiPod Shuffleと、産総研が配布しているKNOPPIX日本語版CD-ROM(knoppix_v4.0.2CD_20050923-20051116+IPAFont.iso)をインストールしたUSB 2.0ハードディスク、そして購入したままの状態のIntel iMac(Core Duo 1.83GHz/512MB)。メモリを増設すると起動しないので、その点は注意しよう。

    KNOPPIXを起動する

    準備が整ったら、いよいよKNOPPIXの起動。iPod Shuffleからのブートが完了したあと、以下のとおりコマンドを実行すれば、2~3分後にKDEのデスクトップが現れるはずだ。なお、筆者の環境ではKNOPPIXがインストールされたUSB HDDは/dev/sdb1として認識されていたが、利用する環境にあわせて適宜読み替えてほしい。

    # mkdir /mnt/external ←マウントポイントを作成
    # mount /dev/sdb1 /mnt/external ←あらかじめPCでインストールしておいたLinux(KNOPPIX)の領域をマウント
    # chroot /mnt/external  ←ルートディレクトリを変更する
    # mount -t proc /proc proc ←procファイルシステムをマウントする
    # /etc/init.d/rc 5   ←ランレベル5で起動する

    パフォーマンスは良好、しかし……

    KNOPPIXの動作に成功してから数時間しか経過していないため、いまだ詳細の確認には至らないが、とりあえずOpenOffice.orgやGimpなど多くのアプリケーションの動作は確認できている。動作速度は"サクサク"といっていいほどで、まったくストレスは感じない。

    具体的な数値を挙げると、KNOPPIX上でビルド(--enable-nasmを有効)したMP3エンコーダのLAME v3.97Beta2は、約4分のAIFFファイルのエンコードに要した時間が19.96秒(Play/CPU=12.083x)と、PowerMac G5 2.0GHz×2上でビルドしたもの(同22.99秒、Play/CPU=10.941x)より良好な結果となった。ただし、基本的なOpenGLの描画性能を測るツール「glxgears」の結果は840fps程度と、PowerMac G5+X11 for Mac OS Xの環境(2600fps)に劣後している。

    周辺機器の動作状況だが、カーネルおよびカーネルモジュールの再構築にまで手が回らないため、内蔵のNICやAirMacが動作するかどうかは検証できていない。とりあえず、(PCでインストールした)KNOPPIXを起動しただけではネットワーク機能とサウンド機能を利用できないため、完全に使える状態にするまでにはしばらく時間がかかりそうだ。

    次はVMwareを…… といきたいところだが、続きは次週。Windowsのインストールまでたどり着ければ、ベンチマークソフトを利用してパフォーマンスの検証を行う予定だ。

    USBハードディスクへインストールしたKNOPPIX日本語版でIntel Macを起動したところ

    「KDE情報センター」でプロセッサ情報を表示したところ。Intel Core Duo 1.83GHzということが読み取れる

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