【コラム】

OS X ハッキング!

165 Intel Mac強化計画 - 薔薇とWineとフリーセルの日々

    海上忍  [2006/02/09]

    突然登場の新型iPod nano、価格も驚きの1万円台。容量が1GBとはいえ、カラー液晶を搭載しているとあれば、人気化は確実なところ。しばらくは入手困難な状況が続くのでしょうね。え? 私ですか? 2GB/黒モデルを持っているので微妙な気持ちです。

    さて、今回はIntel Macで動作するエミュレータ…… の予定を若干変更、「WINE」についてお届けしたい。PowerPC時代にはバイナリ変換処理がネックとなっていたが、x86時代に入りそれも解消、Mac OS Xのアプリケーション環境を一気に充実させる技術として注目を集めているが、果たして実力のほどは?

    まずは最新情報の確認から

    出荷開始から約3週間が経過したIntel Macだが、OS Xとそれ以外のOSとの安定したデュアル環境構築に成功した、という話を聞かない。好事家(?)が運営する「Windows XP on an Intel Mac」なるWebサイトでは、Mac OS XとWindows XPのデュアルブート環境構築法の発見者に賞金をかけているのだが、有志の寄付がドシドシ集まり、100$からスタートした賞金は2月9日現在で11,160US$にまで増加。EFIからの起動をサポートしないXPのみを対象とし、Vistaや2003 Serverは除外するというハードルの高さが一因だが、そもそもMac単独でブート時にEFIシェルへ入る方法すら発見されていないという状況もある。この"EFI問題"の解決には、しばらく時間がかかりそうだ。

    一方、エミュレータなどMac OS Xの傘の下で他のOSとの共存を目指すチームは、着々とIntel Macへのポート作業を進めている。先週も少し触れたQEMUは、Q.appの開発者を中心に移植作業が進行中。GCC4とMach-O絡みの問題が解決され次第、Intel Macに最適化されたバイナリの提供が始まる見込みだ。

    Wineのポートも着々と進行

    WindowsとのAPI互換環境を提供するWineも、Darwineの開発者を中心に移植作業が進められている。Wineプロジェクト本家(Wine HQ)への統合は見送られているようだが、開発者向けのメーリングリストには、最新のCVS版コードに対応するパッチがやり取りされている。 筆者もそのパッチを利用し、2月9日時点のCVS版コードでビルドを実行。特に問題なくインストールは終了した。ただし、そのままでは大半のWinバイナリを起動できない(はず)なので、WindowsからDLLを拝借。筆者の場合、Windows XPから「mfc42.dll」と「mfc42u.dll」、「msvcp60.dll」と「mscvrt.dll」を~/.wine/drive_c/windows/systemディレクトリへコピーした。これで、Windowsのバイナリを~/.wine/drive_c/windows/system32などのパスが通ったディレクトリへ置けば、「wine ***.exe」と実行することにより(X11上で)Windowsアプリケーションが起動するはず。

    フリーセルが……動いた

    おもむろにxterm上で「wine freecell.exe」を実行、果たして結果は……日本語が文字化けした。一旦終了してLANG環境変数に「ja_JP.eucJP」を設定、もう一度起動すると、今度はバッチリ日本語メニューが! [ゲーム(G)]→[スタート(N)]でカードが配られた!! それエースだハートだスペードだ!!!……と遊ぶこと約30分。安定した動作とストレスを感じない処理速度を確認するとともに、フリーセルの中毒性について再認識した次第だ。

    ペイントやハーツなどWindows XPに付属の(小規模な)アプリケーションを一通り試したが、勝率は50%といったところ。現状、インストーラの力を借りなければ導入が難しい大規模アプリケーションは期待薄だが、現時点でこれだけ動けばOKか? いずれにしても、明るい未来が待っていることは間違いないだろう。

    動作を確認したWindows XP付属のアプリケーション

    アプリケーション名動作状況
    スクリーンキーボード×起動しない(msswch.dllをコピーしても×)
    フリーセル特に問題なし
    メモ帳特に問題なし(日本語入力は未確認)
    ハーツ特に問題なし
    ペイント特に問題なし
    ワトソン博士×起動しない(drwtsn32.exeを使用)
    拡大鏡×起動しない(Mag_Hook.dllをコピーしても×)
    電卓ボタンを押した直後に異常終了
    cmd.exexterm上で起動(日本語の表示は未確認)
    telnet.exe×起動しない
    ※:Wine HQ 2月9日時点のCVS版コードに、Darwine-develメーリングリストでEmmanuel Maillard氏が配布したパッチを適用したものを使用

    プレイヤーの時間を確実に食い潰すことで有名な“あの”フリーセルが動いてしまう。筆者もおもわず30分を浪費しました

    ペイントもバッチリ動きます

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