【コラム】

OS X ハッキング!

161 OpenFirmwareからEFIへ - WindowsはIntel Macで動くのか?

    海上忍  [2006/01/12]

    出ました、Intel Mac。名前も外観もPowerPC版とほぼ同じiMacはさておき、PowerBookならぬ「MacBook Pro」の略称がどうなるか気になる今日この頃です。「MB」ではマザーボードっぽいですね。「MBP」では機能性飲料のようだし……日本語ではどうなるか? やはり「マクブク」ですかねえ。ブクブク(沈没)。

    さて、今回は当然ながらIntel Macについて。筆者もアップルのプレスイベントに出席、"インテル入ってる"iMacとMacBook Proに触れる機会に恵まれた。既に伏せ字にする意味も感じない担当編集者O氏とああだこうだ言いながらイジっていると、ブートローダも確認しておこうという話になり、Terminalを起動して「nvram -p」を実行…… 明らかにOpenFirmwareではない文字列が出現。そう、「efi-boot-devie-data」などの文字列からも伺えるように、Intel Macのファームウェアには「EFI」が採用されているのだ。

    そもそもBIOSの役割とは

    Macユーザにとって、いわゆるPC/ATのBIOS(Basic Input/Output System)は馴染みが薄い存在。EFIについてあれこれ書く前に、そもそもBIOSとは何か、そして何故EFIが採用されたかについて簡単に説明しておこう。

    BIOSとは、システムの電源投入直後におけるハードウェア制御プログラムで、モニタへの出力や記憶装置のサポートといった基本的な入出力機能を提供することにより、電源投入直後の状態からOSの起動までの処理を担う(かつてはOSから呼び出される形でも利用されていた)。実装としてはまるで異なるが、起動処理における基本的な役割はOpenFirmwareと同じだ。

    BIOSの歴史は古く、仕様がPC/ATとして公開された1984年発売のIBM 5170にまでさかのぼる。IBM PCの最初のモデル(5150)を含めると、Macintosh以前に発売されたマシンのアーキテクチャが今なお第一線で利用されていることになる。当初はROMに収録されていたものがフラッシュメモリ化されたり、VESA互換グラフィックスに対応したり、機能の継ぎ足しにより生き長らえてきたBIOSだが、当然ながら制約も多い。

    その最たるものが、Intel 8086互換の「リアルモード」でしか動作しないという事実。CPUは32bitか64bit、メモリは最低でも512MBというこの時代に、わずか1MBのメモリ空間、メモリ保護機能なし、全レジスタのアドレス幅がデフォルトで16bitという環境は、かなり"レガシー"ということが想像できるはず。

    そのような事情から、BIOSレベルでサポートされるデバイスはなかなか増えず、実際FireWireデバイスからのブートに対応するBIOSはほとんど見かけない。近頃でこそUSBデバイスをサポートするBIOSも増えたが、機種によっては起動できないこともあるなど、問題も多い。PC/ATおよびMS-DOSの呪縛にとらわれないMacが、レガシーなBIOSを敢えて採用する理由はまったく見当たらないのだ。

    WindowsはIntel Macで動くのか?

    そのような状況下、Intelは新規格の「Extensible Firmware Interface」(EFI)を提唱。IBM PCの時代から続くレガシーなブートシーケンスとの訣別を宣言した。そもそもはIA-64プラットフォーム用に考え出されたものだが、現在ではIA-32ベースでも採用が進もうとしている。

    しかし、EFIをサポートするOSは、Intel版Mac OS Xをのぞけばわずかだ。Windowsでは、Windows 2003 Serverが対応しているものの、本格的なサポートは今年発売予定のWindows Vistaからだ。LinuxにはELILO(EFI LInux LOader)が開発されているものの、インストールの段階から対応しているディストリビューションはFedoraなど数種に過ぎない。

    AppleからMac OS X以外のOSが動く/動かないに関する公式なコメントは一切出ていないが、Intel MacがEFIを採用している以上、プロテクトが施されていないかぎりEFI対応のOSをインストール可能なはず。Intel Macの実機も製品版のWindows Vistaも手元にない以上、言い切ることはできないが、理屈の上ではIntel MacでWindowsが走る可能性は高いのだ。

    なお、EFIのフレームワークには、EFI未対応のOSを動作可能にするCSM(Compatibility Support Module)という機構が用意されている。このCSMがIntel Macに実装されているかどうかについては未確認のため、今後の検証をお待ちいただきたい。

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