【コラム】

OS X ハッキング!

160 Darwin x86から来年を予想する

    海上忍  [2005/12/22]

    時折、iTunes Music Storeで楽曲のフリーダウンロードを実施してますが、あれ、いいですね。自分が普段聴かないジャンルでも聴いてみようかという気になるし、30秒という足枷もない。三十路も半ばを過ぎた私ですら、フリーダウンロードをきっかけに知ったアーティストの曲をiTMSで購入した経験があるほどなので、プロモーション効果はかなり大きいはず。来年にも期待しましょう!

    さて、当年最後のお題は「Darwin x86」について。PowerPCアーキテクチャ上で動作するx86(だけではないが)エミュレータのQEMUを使い、現行PowerMacで来るべきIntel Macを一足早く体験しよう、という寸法だ。

    天丼 - 天麩羅 = Darwin ?

    Darwin x86についてあれこれ述べる前に、Darwinの定義について確認しておきたい。「オープンソースであり、Mac OS Xというシステムの基盤をなす独立して存在するOS」という定義は誤りではなく、筆者も幾度となくそのように説明してきたが、現実は違う、ということだ。

    何を言いたいかというと、DarwinとはMac OS Xからプロプライエタリな部分を取り除いて起動できるよう調整されたシステムで、独立したOSとして利用されることを目的にしていない、ということ。美味しい部分は、QuartzやAqua、Cocoaといった上位レイヤーなのだ。喩えは悪いが、天麩羅を取り除いた天丼といったところか。

    そのように「辻褄合わせ」でリリースされた感が否めないDarwinだが、ことIntel版にかぎれば、現在のところNDAの制約を受けずに語ることができる唯一の"語り部"と言える。天麩羅の残り香を頼りにその美味を語ることが、今回の隠れた目的なのだ!?

    Darwin x86のインストール(1)

    Darwin x86のインストールには、マルチアーキテクチャ対応のエミュレータ「QEMU」を使用する。簡素なCUI版もいいが、ここではOS X用にリファインされた「Q」を例に話を進める。まずはWebサイトから最新のUNSTABLEビルド(Q-0.8.0d191.dmg)を入手し、インストールしよう。AppleのWebサイトからDarwin 8.0.1/x86のISOイメージを入手しておくことも忘れずに。

    「Q」を起動して最初に行うのは、新規ゲストの作成。[Guest PC]→[New Guest PC]を選択し、以下の図版を参考に設定を完了してほしい。ポイントは、アーキテクチャに「x86-64 PC」を選択すること。Darwin 8.0.1は、Pentium 4以降に追加されたマルチメディア拡張命令セット「SSE2」をサポートする環境でなければ動作しない -- Appleがそのようにビルドしている -- からだ。

    「General」タブ。NICを有効にするときは「Turn on …」をチェック

    「Hardware」タブ。「x86–64 PC」を選択しなければ起動できないので注意

    作成したゲストをスタートして8秒以内に[return]を押すと、Darwin/x86ブートローダの設定画面が現れる。ここでbootオプションに「plartform=X86PC」を指定すると、Darwinのインストーラが起動するはず。あとは以下のとおり作業して、書庫ファイルが解凍されるのを待てば(1~2時間は覚悟すること)、Darwin x86のインストールは完了だ。

    1. インストール先のHDDに関する質問には「1」(QEMUで使用する仮想HDD)と答える
    2. パーティション設定に関する質問には、マニュアル操作の「2」と答える
    3. FDISK起動後の最初の質問(ディスク初期化の確認)に「y」と答える
    4. FDISKの内部コマンドを「auto hfs」「update」「write」「quit」の順に実行する
    5. 「Which will be the root partition?」の質問に「/dev/disk0s1」と答える
    6. HDDの消去を確認する質問に「yes」と答え、続けて適当なボリューム名を入力する
    7. 「error: nknown filesystem type:」と表示されるので、[enter]を押してリブートする
    8. もう一度ゲストを起動し、インストール先のHDDに関する質問には「1」と答える
    9. 今度は選択肢に「3) Use existing partitions」が現れるので、インストール先には「3」を、次の質問(5と同じ)には「/dev/disk0s1」と答える
    10. ファイルシステムのタイプに関する質問には「hfs」と答え、次の質問は6と同様に答える

    bootオプションに「platform=X86PC」を指定すること

    パーティションをfdiskで手動作成後、再起動することがコツ(画面は2度目の起動時のもの)

    と、ここまで書いて紙幅が尽きてしまった。来年1月12日掲載の第161回に続く予定だが、1月10日の「Macworld Conference & Expo/San Francisco 2006」では、何かサプライズがあるかもしれない。ひょっとしてひょっとすると、アレが出てしまうかも…… そうなれば急遽内容を変更してお届けするつもりなので、乞うご期待。それでは皆さん、どうぞよいお年を。

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