【コラム】

OS X ハッキング!

157 VLCはただのビデオプレイヤーにあらず

    海上忍  [2005/11/28]

    米国のアップルストア(オンライン)でApertureの販売が開始されたようですね。各種RAWデータに対応、非破壊画像処理エンジンを備えるなど、最近E-300をイジリ回している筆者には興味深い機能が盛りだくさん。日本でもそろそろ発売でしょうか?

    さて、今回はビデオプレイヤー「VLC」について。MPEG-1/2やDivX、MP3やAAC-LCなど数多くの映像/音声コーデックに対応、世間に流通しているマルチメディアコンテンツを再生可能という優れモノを、より高度に使いこなしてみよう。

    今度の目玉は「Streaming/Transcoding Wizard」

    Mac OS X向けにビルドされたVLCは、バージョン0.8.4から「Streaming/Transcoding Wizard」なるツールが実装された。コーデックの種類とビットレートを指定する程度で動画を再エンコードできるため、MPEG-2 PSをMPEG-4に、DivXをMPEG-2 PSに、といった作業も簡単に行える。

    ただし、画面サイズ変更用オプションが省略されている点には要注意。たとえば、MPEG-2ムービーをこのウィザードにかけると、ピクセル数が720(704)x480のまま変換されてしまうため、最高でも480x480ピクセルのiPod with videoでは再生不能なムービーとなってしまう。後述する方法を使えばこの問題は解決できるが、折角のGUIを利用できないことは残念だ。

    Streaming/Transcoding Wizardのコーデックの種類とビットレートを選択する画面。ピクセル数を変更できないことが難点

    VLCをTerminalで使う

    では、どうやってMPEG-2ムービーをiPod with videoで再生可能なMPEG-4ムービーに変換するか? その答えは、VLCの実行部分( /Applications/VLC.app/Contents/MacOS/VLC )にコマンドラインからアクセスすること。パスの指定は面倒だが、以下の要領でエイリアスを定義しておけば問題なし。

    $ alias vlc=/Applications/VLC.app/Contents/MacOS/VLC

    再エンコードの際に与える引数は、前述のウィザードを活用すればラクに記述できる。再エンコードを開始する直前の要約ウインドウに「:sout=」から始まる文字列が表示されるので、その部分を範囲指定して[command]-[c]でコピー、Terminalにペーストしてから「width=320」と「height=240」をtranscode{ … }の内側に書き加えればいい。

    なお、要約ウインドウに表示される文字列には、「{」などシェルにそのまま与えてはマズい記号が含まれるため、範囲の前後を「"」で囲む必要がある。「:sout=」を「--sout 」に変え、さらにソースとするムービーをコマンドラインの前半に付け加えれば、一丁上がりだ。ここまでくると、ffmpegを直接操作する場合と変わらない手間がかかるのだが、VLCはこういった使い方もできる、という意味では知っておいて損はないだろう。

    :sout = #transcode {vcodec=mp4v, vb=1024, acodec=mp4a, ab=128} :standard{mux=mp4, url=/Users/shinobu/Desktop/For_iPod.mp4, access=file}
      ↓   ↓   ↓
    $ vlc Source.mpg --sout "#transcode {vcodec=mp4v, vb=1024, width=320, height=240, acodec=mp4a, ab=128}:standard {mux=mp4, url=/Users/shinobu/Desktop/For_iPod.mp4, access=file}"
    (※: 実際はそれぞれ1行で入力される)

    ストリーミング配信を楽しもう

    「Streaming/Transcoding Wizard」は、文字通り動画のストリーミング配信にも利用できる。従来のバージョンもこの機能をサポートしていたが、Advancedオプション扱いでわかりにくく、利用したことがないユーザも多いのではなかろうか。書斎のPowerMacに貯め込んだ空耳アワーの動画をコタツに入りながらAirMac付きのiBookで見る、といった楽しみ方には最適なので、この機会に使い方をマスターするのも悪くないと思う。

    作業手順だが、まずは配信する動画を開いた状態で[ファイル]→[Streaming/Transcoding Wizard...]を選択。ウィザードの最初の画面で[Stream to network]ラジオボタンを選択し、ストリーミング方式に[UDPマルチキャスト]を指定して[Destination]欄に「239.255.0.1」と入力、あとはデフォルトのままウィザードを進めれば準備完了だ。

    受信する側では、[ファイル]→[ネットワークを開く]を選択し、ネットワークタブで[UDPマルチキャスト]を有効化、ホスト名に先ほど入力した「239.255.0.1」を指定すればOK。これで、サーバ側で再生中の動画をストレスなく鑑賞できるはずだ。

    ストリーミング配信の設定はこの画面で行う。「すとりー民具」はご愛嬌?

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