【コラム】

OS X ハッキング!

136 虎飼い日記 その4 - 電子印鑑をAutomatorで作成する

    海上忍  [2005/05/30]

    もうすぐ6月、梅雨の季節の到来です。6日にはWWDC 2005が始まりますが、この不快な気分を忘れさせてくれるほどの新製品が発表されればいいなあと。もちろん、新製品が出れば即買いですよ、入梅というだけに……ジットリした気分にさせてすいません。

    さて、Tigerネタの4回目にあたる今回は「Automator」について。ご存知、プログラミングの知識を必要としないアプリケーション自動化ツールだが、登場から日が浅いためか、今ひとつ実力が知られていないような気もする。ここでは、Tigerの印刷関連の新機能もあわせ、早く作れるだけでなく、役に立つAutomatorの活用事例を紹介しよう。

    Automatorでできること

    Automatorは、「アクション」と呼ばれる部品を並べて自動化処理の手順(ワークフロー)を作成する。アクションには具体的な操作内容を連想させる名前 - iPodに曲を追加、ゴミ箱に入れる、ディスクを取り出す、など - が付けられているほか、アクションを選択すると、作業の内容や扱うデータ/ファイルの種類が表示されるため、難しい知識は必要ない。OS Xを一通り使えるだけの理解があれば、必ずや自分なりのワークフローを作成できるはずだ。

    作成したワークフローは、(ダブルクリックするとAutomatorが起動する)通常の書類としてだけでなく、独立したアプリケーションとして保存できる。Automatorがインストールされた環境でなければ動作しないが、Automatorの存在を意識することなく使えるメリットがある。

    注目すべきは、プラグインとしても保存可能な点だろう。現在のところ、対応するアプリケーションはFinderやiCalアラームなど数種類に限られるが、アプリケーションの機能を自由に拡張できてしまうのだ。Finderを例にすると、[control]+クリックまたはマウス右ボタンのクリックで現れるコンテキストメニューに表示されるコマンドとなる。ファイル名を連番にするワークフローを作成しておけば、画像ファイルの整理などに大いに役立つと思う。

    PDFにウォーターマークを描画する

    プラグインの活用事例として、アプリケーションの印刷ダイアログから選択できる「PDFに電子印鑑を加えるプラグイン」を紹介してみよう。ウォーターマークの代わりに印鑑風の画像ファイルを重ねるだけのことだが、手軽に作成できるうえに実用的なので、はじめてAutomatorをイジるユーザにもお勧めだ。なお、電子印鑑として使う画像ファイルを1点以上用意してから作業に臨んでほしい。

    1. Finderライブラリから「Finder項目の選択を求める」アクションを選択、作業領域へドラッグする。プラグイン作成時には削除する動作検証用のアクションのため、タイプや開始場所など諸条件は初期値のままでOK。
    2. PDFライブラリから「PDFにウォーターマークを描画」アクションを選択、処理順が2位となるように作業領域へドラッグする。
    3. [追加...]ボタンをクリックし、あらかじめ用意しておいた電子印鑑の画像ファイルを選択する。
    4. 「オフセット」や「サイズ調整」、「不透明度」などの項目を操作し、電子印鑑として使う画像ファイルが適切な位置に表示されるよう調整する。
    5. プレビューライブラリから「プレビューでイメージを開く」アクションを選択、処理順が3位となるように作業領域へドラッグする。

    作業が終了したら、[実行]ボタンを押してワークフローが意図どおり動作するか検証してほしい。現れたダイアログボックスでファイル(PDF)を選択、そこへ電子印鑑がプリントされたPDFがプレビューで表示されればOKだ。

    なお、「PDFにウォーターマークを描画」と「プレビューでイメージを開く」の2つのアクションは接続可能なはず(PreviewはPDFを開ける!)だが、スクリーンショットで示すとおり、赤字で表示されている。動作には支障ないため、ここではそのまま使用している。

    このワークフローで"電子印鑑"が追加されたPDFが作成できれば準備OK

    プラグインとして保存する

    無事電子印鑑がプリントされたPDFが表示されれば、プラグインの完成まであと少し。今後の改良に備え、適当な領域へ通常のファイル(ワークフロー)として保存しておこう。

    このワークフローを印刷用プラグインとして利用する場合には、ユーザにファイルの選択を促す最初のアクションは必要ない。作業領域で「Finder項目の選択を求める」アクションを選択、[delete]ボタンを押して削除したうえで、[ファイル]→[プラグインを別名で保存...]を選択しよう。適当なプラグイン名を入力し、プラグインの対象として「プリントワークフロー」を選択、[保存]ボタンをクリックすれば作業は完了だ。これで、プラグインは~/Library/PDF Services以下に保存される。

    最後に、PreviewなどのPDFビューアで適当なPDF(プロテクトされていないもの)を開き、[ファイル]→[プリント...]を選択、現れたシートの左下にある[PDF]ボタンをクリックしてみよう。先ほど保存したプラグインの名前が表示されたはずだ。

    プラグインとして保存すれば、このように表示されるはず

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