【コラム】

OS X ハッキング!

107 TerminalでATOK 17を使う

    海上忍  [2004/09/27]

    待てど暮らせど第4世代iPod用のシリコンケースが届かない。米国では既に数種類が発売されているが、品薄のため日本のショップにはなかなか入荷されないようだ。やむなく眼鏡拭きにくるんで使っているが、さすがにこの状況が2ヶ月続くとは思いもしなかった。いっそのこと自作するか? でも、子供の頃に使っていた"お母さんが作った手提げ袋"風に仕上がりそうな予感……

    さて、今回はTerminalで日本語IMの「ATOK 17 for Mac OS X」を使う方法について。このたびバージョンアップを果たした本製品を試用する機会に恵まれたため、いかにしてTerminalおよびシェル、UNIXコマンドで使えるようにするか、その導入方法を解説したい。

    OS X登場からの苦難の道

    結論から言うと、OS X 10.3(Panther)に収録されているTerminalでは、いくつかの問題を除けばATOK 17などの日本語IMをそのまま利用できる。Terminalを起動して「mkdir 私のフォルダ」などとコマンドを実行すれば、特にどうということもなく日本語名のフォルダを作成できる。

    だが、この段階に到着するまで3年近い月日を要したことを忘れてはなるまい。2001年3月にリリースされた最初のバージョン(v10.0/Cheetah)から次のバージョン(v10.1/Puma)までは、Terminal自体が日本語を含むマルチバイト文字を扱えず、日本語IMを利用した文字入力はおろか表示さえままならない状況。2002年夏に登場したv10.2/Jaguarでは、ようやくマルチバイト文字に対応したが、標準のシェル(tcsh)がマルチバイト文字を通さない設定になっていたため、自力で再コンパイルする必要があった。

    PantherのTerminalで日本語を使う

    現行バージョンのOS X(v10.3/Panther)では、特別なソフトをインストールせずともTerminalで日本語を利用できる。Terminalにいくつか設定を施したうえで、標準のシェルとなったbashの初期化ファイル、そしてbashの編集機能を担うreadlineライブラリの初期化ファイルを用意すればOK。用意すべきファイルとその内容については、当コラム第69回を参照いただきたい。

    Terminalの設定は、[ターミナル]→[ウインドウ設定...]を選択すると現れる「ターミナルインスペクタ」で行う。以下に示す項目の設定を終えたら[設定をデフォルトとして使用]ボタンをクリックし、デフォルトの設定として登録しておこう。これで、一般的なアプリケーションと同様に日本語を扱えるようになるはずだ。

    Terminalで日本語を扱うための設定(ターミナルインスペクタを使用)
    • 「エミュレーション」タブ
    • 1.非ASCII文字をエスケープする : チェックしない

    • 「ディスプレイ」タブ
    • 2.テキスト : 日本語対応のフォントファミリー(例:Monaco、Osaka)を指定
      3.日本語や中国語などにワイドグリフを使用する : チェックする
      4.ワイドグリフは2桁とカウントする : チェックする
      5.文字セットエンコーディング : Unicode (UTF-8)

    Terminal用にATOK 17を設定する

    "かしこい日本語"というキャッチコピーから伺えるように、今度のATOKはどちらかといえば変換効率より付加機能の向上に力点が置かれている。変換候補を表示した状態からCtrl-Aを押すと機能する「連想変換」は特にユニークで、ある言葉から連想される言葉を導き出す働きを持つ。たとえば、「打ち合わせ」を元に連想変換を行うと、「商談」や「相談」、「諮る」や「言い合わせる」などといった言葉が候補に現れるのだ。ボキャ貧を避けたい職業柄、このシソーラス的機能はとてもありがたい。

    しかしTerminalで書く日本語文書は、本当にちょっとしたものなので、連想変換を使う機会は多くなさそう。むしろ他のアプリケーションと設定を分離し、半角全角変換などTerminalで使うときに都合のよいカスタマイズを施したほうがいいはずだ。いろいろ調べたところ、以下の手順で"環境設定関連付け"を行うと、Terminalのみ有効な設定を用意できることがわかった。ATOK 17を手に入れた暁には参考にしていただきたい。

    • ATOK 17でTerminal専用の設定を用意する
    • 1. ATOKパレットの[メニュー]ボタンをクリックし、[環境設定]→[環境設定関連付けツール]を選択する。
      2. 起動した「ATOK17環境設定関連付けツール」の画面下部にある[追加...]ボタンをクリックし、アプリケーションとして「ターミナル」を指定する。
      3. 2の画面の下部にあるプルダウンメニューで[新規...]を選択する。
      4. ベースとする(既存の)環境設定を選択し、新たに作成する環境設定名(例:ターミナル)を入力する。
      5. [OK]ボタンをクリックして画面を閉じ、2の画面へ戻る。
      6. [環境設定編集...]ボタンをクリックしてTerminal専用の環境設定を開始する。

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