【コラム】

OS X ハッキング!

100 LinuxをiTunesサーバに仕立てる

    海上忍  [2004/07/26]

    先週末に国内デビューを果たした「iPod mini」は驚異的な売れ行きを示し、Apple Store, Ginzaの店頭はiPod miniを求める人で溢れかえった。うだるような暑さの中、開店前の行列は銀座1丁目付近まで続いたというのだから、その情熱たるや凄まじいものが……くれぐれも"熱中症"には御注意を。

    さて、そのiPodだが、ほとんどの場合iTunesとセットで利用しているはず。ふと気が付けばハードディスクの大半がMP3かAAC、というユーザも多いことだろう。iPodと同期する必要のない曲はファイルサーバへ追い出せばスッキリするのだが、そうなるとiTunesで聴くときに不自由する。iTunesの音楽共有機能に対応したファイルサーバがあれば……今回はそんなiTunesヘビーユーザの願望を実現すべく、LinuxをiTunesのファイルサーバに仕立てる手順を紹介してみよう。

    iTunesの音楽共有機能の概略

    iTunesの音楽共有機能には、DAAP(Digital Audio Access Protocol)というApple独自のプロトコルが使用される。iTunesはDAAPサーバ兼クライアントとして機能し、さらにRendezvousの機能によって他のiTunesと容易に通信できる仕組みとなっている。DAAPの仕様は正式公開されていないが、有志の尽力によりかなりの部分が解析され、フリーな実装がいくつか存在する状況だ。

    細かい部分を端折って言うと、Rendezvous+DAAPサーバの環境があれば、iTunesのファイルサーバとして機能する。iTunesからは共有プレイリストして見えるに過ぎないため、その先にあるOSの種類は関係ない。RendezvousとDAAPが動作可能で、ファイルサーバに適した導入コストの低いOSといえば……Linuxが適役だろう。

    使用するパッケージ

    Linuxで「Rendezvous+DAAP」な環境を構築するには、以下に示すソフトウェア(インストールする順に列挙)が必要となる。筆者の書斎にあるLinux-BoxにはFedora Core 2がインストールされているので、ここではRPM形式のパッケージを挙げているが、自分が利用しているディストリビューションに合ったものを入手してほしい。もちろん、ソースコードからコンパイルしても構わない。

    ・Howl
    プロジェクトのURL : http://www.porchdogsoft.com/products/howl/
    利用したパッケージ名 : howl-0.9.5-4.i386.rpm
    入手先 : ftp://ftp.kddlabs.co.jp/Linux/packages/fedora/core/development/i386/Fedora/RPMS/

    ・libid3tag
    プロジェクトのURL : http://www.underbit.com/products/mad/
    利用したパッケージ名 : libid3tag-0.15.1b-2.1.fc2.dag.i386.rpm
    入手先 : http://dag.wieers.com/packages/libid3tag/

    ・mt-daapd
    プロジェクトのURL : http://mt-daapd.sourceforge.net/
    利用したパッケージ名 : mt-daapd-0.2.0-1.fdr1.i386.rpm
    入手先 : http://www.sourceforge.net/projects/mt-daapd

    パッケージのインストールが完了したら、daapd(DAAPサーバ)の設定を行う。以下のリストを参考に、設定ファイルの「/etc/mt-daapd.conf」を書き換えよう。筆者の場合、/var/mp3ディレクトリにMP3やAACを貯め込んでいるので、そこを「mp3_dir」に指定している。あとは「sevrername」に共有名を記述すればOK。

    /etc/mt-daapd.conf(抜粋)

    mp3_dir /var/mp3 ←共有するディレクトリ(初期値は/mnt/mp3)
    servername Linux ←共有名(初期値はmt-daapd)

    最後に以下の手順でdaapdをサービスとして登録すると、"iTunesサーバ"の準備は完了。同じサブネットに接続されたマシンであれば、/etc/mt-daapd.confに定義した共有名がiTunesに現れたはずだ。音楽を再生する方法はiTunes同士で共有する場合とまったく同じなので、あとの説明は不要だろう。

    $ su
    # /sbin/chkconfig mt-daapd on ←サービスに登録(次回起動時から有効)
    # /sbin/service mt-daapd start ←手動で起動する場合

    記念すべき連載100回目の舞台はLinuxとなってしまったが、無手勝流をポリシーとしている当コラムゆえどうかお許し願いたい。脱線ついでに、次回はOS X以外で動作するdaapクライアント(早い話がiTunesクライアントもどき)を紹介する予定だ。

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