【コラム】

OS X ハッキング!

75 OS Xの動画環境を整理する(2)

    海上忍  [2004/01/19]

    Macworld Expoが予想以上にあっさりと(だよね?)終わってしまい、なんだか肩透しを喰ったような気分のまま正月が過ぎた。iPod miniもいいが、Mac20周年記念モデル登場の噂のほうが気になる今日この頃……。ともあれ、本年もご愛顧のほどよろしくお願いします。

    さて今回は、前年末に尻切れトンボで終わってしまったOS Xの動画環境について。紙幅の都合もあるため、現在もっとも普及している動画フォーマットの1つ「MPEG-1」を中心に話を進めてみたい。

    ○QuickTime Proが対応するコーデック

    OS Xにおける動画環境がQuickTimeをベースに構成されていることは、前回説明したとおり。動画の生成(エンコード)にしても同様で、QuickTime PlayerなどのQuickTime対応ソフトにより処理できる。QuickTime Proへのアップグレード(AppleStore価格で3,600円也)が必要になるものの、再生ソフトから"フォーマット変換"する感覚で動画を生成できるメリットは大きい。QuickTime 6.5が対応する動画フォーマットについては、こちらを参照してほしい。

    なお、QuickTimeにはMPEG-1/2を書き出すためのコーデックが用意されていない。MPEG-1は再生(デコード)にこそ対応するものの、エンコードには未対応。MPEG-2に至っては、別売りのコンポーネント(Apple Store価格は2,400円也)を用意しなければ再生すらできない状況だ。

    ○MPEG-1でエンコード

    旧Mac OS時代に手頃な再生ソフトが存在しなかったためか、Video-CDはMacユーザにあまり馴染みがないらしい。OS Xの時代に入っても事情は変わらず、一足飛びにDVD-Videoが普及してしまった感がある。しかし、Video-CDに採用されているMPEG-1は多様なプラットフォームが対応しているという大きな利点がある。少なくとも、Appleが推進するQuickTime/MPEG-4より普及していることは確かだ。

    前述したとおり、QuickTime(Pro)にはMPEG-1のエンコーダは含まれていないが、フリーソフトの「Movie2MPEG」を利用すれば、DV形式などのQuickTimeムービーからMPEG-1ムービーを生成できる。Video-CD準拠のMPEG-1ムービーを生成するためのプリセット値が用意されているため、iMovieなどのキャプチャ機能を備えたアプリケーションで素材を用意しておくだけでOK。できることなら細かい設定は避けたい、というユーザにはピッタリだろう。

    ○ffmpegを導入する

    プリセット値を適用するだけでは飽き足らない、ビットレートやフレームレートを微調整したい、というユーザには「ffmpeg」がお勧めだ。QuickTimeとは無関係のエンコーダであるため、QuickTime対応ソフトを通じて利用することはできないが、かなり細かいオプションを設定することが可能だ。まずは以下のとおり作業を行い、インストールしてみよう。

    CVS版ffmpegのインストール(要管理者権限)

    $ curl -O http://ffmpeg.sourceforge.net/cvs/ffmpeg-cvs-2004-01-15.tar.gz
    $ tar xzf ffmpeg-cvs-2004-01-15.tar.gz
    $ cd ffmpeg-cvs-2004-01-15
    $ ./configure
    $ make
    $ sudo make install
    ※:ここでは、本稿執筆時点における最新のソースコード(CVS版)を利用しています。curlコマンドでダウンロードするファイル名は、http://ffmpeg.sourceforge.net/cvs/で確認してください。

    インストールが完了したら、素材となるDVフォーマットの動画ファイル(sozai.dv)が置かれたディレクトリに移動し、以下のコマンドを実行してみよう。これで一応はMPEG-1の体裁(画面サイズ=360x240、ビットレート=1.15Mbps、オーディオビットレート=128Kbps/2ch)を持つ動画ファイル「movie.mpg」を生成できたはずだ。

    $ ffmpeg -s 320x240 -r 29.97 -b 1150 -ab 128 -ac 2 -i sozai.dv movie.mpg

    次回は、このffmpegをより高度に使う方法を紹介する予定だ。素材を用意してお待ちいただきたい。

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