【コラム】
いやはや、今年の夏は長かった。当コラムは3週の休みを頂戴したが、筆者は遊んでいたわけではない。休みの間に誕生した娘の世話に追われていたのだ。自宅の1室を仕事部屋としている成り行き上、当面は家事一切を妻に代わって取り仕切らねばならぬ。娘の寝顔を楽しみに、しばし頑張るか。
さて、今回はSHARP SLシリーズ(以下、SL-Zaurus)をOS Xで使う方法について取り上げたい。SL-Zaurusは敢えて説明するまでもなく、美麗な液晶とキーボードを搭載したLinuxベースのPDAとして人気を集めているが、OS Xはサポートされていない。そこを工夫と忍耐と力技とでなんとかしよう、というのが本稿の趣旨である。なお、ベータ版のKEXTを使用するため、システムが最新バージョン(v10.2.6)であることを確認してから作業に臨んでほしい。
○USBケーブルでつなぐ
SL-Zaurus全機種には、USBケーブルが同梱されている。これでPCと接続することにより、PIMデータのバックアップやザウルスドライブ(sambaを利用したファイル共有機能)といったPDAらしいデータ連携が可能になる。
残念ながらメーカーからMac用接続キットは提供されていないが、以下に示すWebサイトで配布されているフリーのドライバを導入すると、v10.2以降のOS XでUSB接続の端末として認識されるようになる。PIMのデータを同期するといった便利な機能はないが、SL-Zaurusをファイルサーバとして使えるほか、telnetでリモートログインできるようになる。シェルが使えれば、かなりのことが可能になるはずだ。
・Mac OS X USB driver
このドライバの導入方法は簡単で、上記のWebサイトからパッケージ(AJZaurusUSB_0_2_4.tgz)をダウンロード、解凍した後にInstaller.appで処理すればOK。なお、以前のバージョン(v0.2.3)ではSL-C760を認識できないため、導入済の場合にはアップグレード(方法は新規インストールと同じ)が必要だ。
再起動後、システム環境設定の「ネットワーク」パネルを開き[表示]プルダウンメニューをクリックすると、SL-Zaurusは「Ethernetアダプタ(en1)」の名称で認識されているはず。SL-ZaurusはデフォルトでDHCPサーバが稼働しているので、[DHCPサーバを参照]を選択すれば準備完了だ。あとはTerminalからpingを打つなどして、通信可能な状態にあることを確認しよう。
○まずはザウルスドライブをマウント
USB経由でOS Xに接続した場合には、自動的にsmbdとnmbd(sambaで使用されるデーモン)が起動されるため、何も設定しなくても「ザウルスドライブ」がマウント可能になる。Finderで[移動]→[サーバへ接続...]を選択し、表示されたウインドウのアドレス欄に「smb://zaurus/」とだけ入力すれば(IPアドレスを指定してもOK)、サーバに接続するためのダイアログが表示されるはずだ。ワークグループ名とユーザ名、パスワードはブランクで構わない。
ただし、Finder備え付けのマウント機能(smbfs.kextを使用)では日本語を含むファイル名を正しく表示できない。この問題を回避するには、個人使用の範囲ならば無償の「Sharity」を利用するといいだろう。付属のマニュアルに従ってインストールしたあと、Sharityの設定画面の「Sharity General」項にある「Server Side Character Map」で「unimapShiftJIS.cfg」を選択、システムを再起動すると設定は完了。ザウルスドライブをマウントすれば、日本語ファイル名が正しく表示されるようになるはずだ。
・Sharity
開発元=ObjectiveDevelopment
○telnetdを有効にする
SL-Zaurusには、sambaの他にもtelnetdやftpdといったサービスが収録されている。しかし、デフォルトではすべてのエントリが塞がれているので、利用したいサービスがある場合には/etc/inetd.confを修正しなければならない。telnetdを有効にする場合の作業手順は以下のとおり。なお、SL-Zaurusには標準で端末ソフトが収録されていないため、zaurus-jaなどから入手しておこう。
・telnetdを有効にする(SL-Zaurusでの作業)
$ su ←rootになる
# vi /etc/inetd.conf
### With tcpd (TCP Wrapper) ### #ftp stream tcp nowait root /usr/sbin/tcpd in.ftpd -l -a telnet stream tcp nowait root /usr/sbin/tcpd in.telnetd
↑
行頭の「#」を外して上書き保存(viの場合「:wq」)
# /etc/rc.d/init.d/inet restart
と、ここで紙幅が尽きた。次回は、SL-ZaurusのPIM系アプリとのデータ連携術について紹介する予定だ。
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