【コラム】

OS X ハッキング!

60 bochs上でAmiga OS互換の「AROS」を動かす(その1)

    海上 忍  [2003/07/25]

    ここのところ、新iPod用アクセサリーが続々と登場している。どれもiPodオーナーのツボを押さえた製品ばかりで、1万円以内の小物買いが好きな筆者も何を買おうか仕事の合間にWebを散策する日々だ。ああ、iTripを買うべきや否や。もうFMトランスミッターは2台持っているのだけれど……。

    さて今回は、x86マシンのエミュレータ「bochs」を紹介したい。商用の製品として開発が開始されたが、やがてオープンソース化され、多くのUNIX系OSをサポートするに至ったエミュレータだ。動作速度に難はあるが、OS Xで動作する数少ない無償のx86エミュレータであることも事実。その点だけでも試す価値はあるだろう。

    ・まずはインストールと動作確認

    bochsのWebサイトではOS X用のバイナリが公開されているので、まずはダウンロードページからイメージファイル(Bochs-2.0.2.dmg)を入手しよう。マウントしたdmgファイルから「Bochs-2.0.2」フォルダを適当な領域へコピーすれば、インストールは完了だ。以降、この方法でbochsをインストールしたものと想定して話を進める。

    なお、bochsのパッケージには、余分な機能を削ぎ落として10MBにまで軽量化されたLinux(dlxlinux)がイメージファイルの形で同梱されている。他のOSを導入する前に、このdlxlinuxが動作するかどうか試しておこう。Bochs 2.0.2→dlxlinuxフォルダにある「bochs.scpt」を開き、「MacBochs x86 PC」というウインドウにLinuxのブートメッセージが表示されればテストは成功だ。

    ・ブート可能なOSの選定

    bochsはx86マシンのエミュレータであり、独自のOSを持たない。そこでOSの選定が必要になるのだが、実はbochsには不具合や未実装の機能が多く、安定して動作するOSは少ないのだ。実際、筆者がKNOPPIX(CD-ROM1枚で起動可能なLinuxディストリビューション)やWindows XPで試したところ、途中で異常終了してしまい起動できなかった。bochsのWebサイトでは、起動可能なOS(もちろん再配布が許されたもの)をディスクイメージの形で公開しているので、それを利用したほうが手間はかからないだろう。

    そこで筆者が選んだのは……Amiga OS 3.1互換のOS「AROS」。Amiga OSはA4000やA1200といったAmiga実機で動作するプロプライエタリなOSだが、AROSはx86マシンを主なターゲットとしたオープンシステムであり、自らブート可能なだけでなく、LinuxやFreeBSDなどのホストOS上でも動作する。

    Amiga用のバイナリをそのまま動かすことはできないが、Amiga OSと高い互換性を持つAPIを備えているため、多くのアプリケーションは再コンパイルすれば動作するとのこと(DEMOのようなハードウェアに直接アクセスするものは無理だろうが)。まだアルファ版の段階だが、Amigaの遺産を継ぐ受け皿として注目したい。

    ・いざAROSを起動する

    bochsでAROSを利用するためには、ブート可能なフロッピーディスクイメージが必要だ。まずはAROSのWebサイトから最新のイメージファイルを入手し、「aros.bin」にリネーム後Bochs-2.0.2フォルダへコピーしてほしい。続いて以下のリストを「bochsrc.txt」というファイル名でBochs-2.0.2フォルダへ保存、そこにある「bochs.scpt」を開いてみよう。すると、AROSのイメージファイルからブートが開始され、約1分後にはWorkBench(Amiga OSのGUI環境)とよく似た「Wanderer」のデスクトップが表示されたはずだ。

    肝心なのはこれより先の環境設定だが、ここで紙幅が尽きてしまった。OS Xからは少し(かなり?)脱線するが、消化不良のまま終わらせるには惜しいトピックでもあるので、次回はAROSの利用方法について紹介させていただこう。

    ○AROS起動用の「bochsrc.txt」

    megs: 128
    ips: 8000000
    display_library: carbon
    romimage: file=BIOS-bochs-latest, address=0xf0000
    vgaromimage: VGABIOS-lgpl-latest
    floppya: 1_44=aros.bin, status=inserted
    ata0: enabled=1, ioaddr1=0x1f0, ioaddr2=0x3f0, irq=14
    #ata0-master: type=disk, path=aros.img, cylinders=203, heads=16, spt=63
    boot: a
    floppy_bootsig_check: disabled=0
    log: bochs.log
    vga_update_interval: 5000
    keyboard_paste_delay: 100000
    floppy_command_delay: 500
    mouse: enabled=1
    keyboard_mapping: enabled=0, map=keymaps/x11-pc-us.map

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