【コラム】

OS X ハッキング!

48 X11 for Mac OS Xで日本語入力

    海上 忍  [2003/03/14]

    先日、アルバート・ゴア前米国副大統領がAppleの取締役に就任、というニュースが飛び込んできた。奇しくもその日はイラクへの攻撃が開始された日。大統領選での接戦は記憶に新しいところだが…なにやら因縁めいたものを感じたのは筆者だけ? それとも、某CEOが何かを意図してのことなのだろうか?

    さて今回は、X11 for Mac OS X(以下、X11)で日本語入力する方法を紹介しよう。インストールしたものの使い道がわからない、付属のXクライアントを起動するだけ、というユーザはぜひトライしてほしい。

    X11で利用できる日本語入力システムだが、LinuxやFreeBSDで利用されているものの多くが動作する。Mac OS X Server 1.2にも採用されていた「Canna」、「私の名前は中野です」…と一発で連文節変換できたことが名前(Wnn)の由来とされる「FreeWnn」、独特の変換方法で知られるSKKの派生版「skkinput」、いずれもほとんど手直しなしにコンパイル可能だ。GUIは提供されないが、稼働実績があるという点は安心材料といえる。

    GUIの不備が気に入らなければ、新しい日本語入力ソフト「Anthy」を利用してみよう。情報処理振興事業協会の未踏ソフトウェア創造事業に選ばれているこのソフトは、かな漢字変換エンジンのAnthyのほか、XIMサーバの「jmode」をインストールすれば、GUI(入力パレット)もサポートされる。設定も簡単なので、X11を導入して日が浅いユーザも安心して取り組めるだろう。

    Anthyのインストール方法は、次に示すとおり。なお、デフォルトの状態では共有ライブラリの生成に失敗するため、configureを実行するときに「--disable-shared」を指定している。変数の多重定義が原因と思われるが、ここでは先を急ぐことにした。

    ○Anthyのインストール(X11 for Mac OS Xが必要)

    % curl -O http://downloads.sourceforge.jp/anthy/2513/anthy-3900.tar.gz
    % tar zxf anthy-3900.tar.gz
    % cd anthy-3900
    % setenv CPPFLAGS -no-cpp-precomp
    % ./configure --disable-shared
    % make
    % sudo make install 注:管理者権限要
    % rehash

    続いて、入力用フロントエンドとして機能するXIMサーバ「jmode」をコンパイルする。以下に示す手順のとおり作業してほしい。ここではFinkに収録されているGTK+-1.2.0を導入済の環境を想定しているが、インストールしていない場合には「--with-gtk-prefix=/sw」の部分を省いてconfigureを実行すること。

    ○jmodeのインストール(X11 for Mac OS Xが必要)

    % curl -O http://downloads.sourceforge.jp/anthy/2386/jmode-0.6.0.tar.gz
    % tar zxf jmode-0.6.0.tar.gz
    % cd jmode-0.6.0/src
    % mv anthyconv.cpp anthyconv.tmp
    % sed 's/#include <malloc.h>//' < anthyconv.tmp > anthyconv.cpp
    % cd ..
    % ./configure --with-x --with-gtk-prefix=/sw
    % make
    % sudo make install 注:管理者権限要
    % rehash

    jmodeをインストールできたら、起動する前に環境変数「XMODIFIERS」を定義しよう。X11を起動するたびに実行することが面倒な場合には、/etc/X11/xinit/xinitrcに記述を追加するか(X11は~/.xinitrcを使わない仕様となっているのだ)、~/.MacOSX/environment.plistで定義すればいいだろう。

    肝心の利用方法だが、日本語を入力したいXクライアントを起動する前にjmodeを起動しておけばOK。かな漢字変換モードのON/OFFは[SHIFT]-[SPACE]、入力した文字は[SPACE]で変換して[RETURN]で確定、といった具合に操作方法は一般的な日本語IMEと同様だ。jmodeの小ウィンドウからコードテーブルを表示すれば、入力方法がわからない文字にも対応できる。詳しい使い方については、Anthy Wikiを参照してほしい。

    ○jmodeを起動する

    % setenv XMODIFIERS "@im=jmode"
    % jmode &

    ○~/.MacOSX/environment.plistのサンプル(作成後に再ログインが必要)

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <!DOCTYPE plist PUBLIC "-//Apple Computer//DTD PLIST 1.0//EN"
     "http://www.apple.com/DTDs/PropertyList-1.0.dtd">
    <plist version="1.0">
    <dict>
            <key>LANG</key>
            <string>ja_JP.EUC</string>
            <key>LC_COLLATE</key>
            <string>C</string>
            <key>LC_TIME</key>
            <string>C</string>
            <key>XMODIFIERS</key>
            <string>@im=jmode</string>
    </dict>
    </plist>

    ここで1つ忘れていたことが。X11 for Mac OS Xには、uxterm(UTF-8対応の端末ソフト)程度しか日本語入力に対応するXクライアントが収録されていないのだ。手軽にXクライアントを導入する方法は…というわけで、次回はFinkの使い方について紹介する予定だ。

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    http://pcweb.mycom.co.jp/column/osx.html

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