【コラム】

OS X ハッキング!

38 テキストブラウザ「w3m」

    海上 忍  [2002/11/29]

    今年も残すところ1ヶ月。あれよあれよという間に夏を迎え秋が過ぎ……そうだ、そろそろ年賀状の準備をせねば。perlで宛名の差し込みを行い、LaTeXでレイアウトするという代物なので作業は簡単。肝心の住所録ファイルが行方不明なので、困り果ててはいるのだけれど。

    さて、今回はWebブラウザについて。OS Xのブラウザといえば、真っ先に思い浮ぶのは標準装備のInternet Explorerだが、Windowsに引けをとらない数のブラウザが存在する。ver1.2がリリースされたばかりの「Mozilla」、Mozillaから派生したCocoaアプリの「Chimera」、あまり知られていないがNEXTSTEPの時代から存在する「OmniWeb」、ベータ版が話題を呼んでいる「Opera」などなど……。OS Xそのものが激しく仕様変更されるためか、どれも決定版とは言い難い状況だが、他にもう1つ燻し銀のような存在感を誇示するブラウザが存在する。そう、それが今回紹介する「w3m」だ。

    w3m最大の特徴は、Webページのコンテンツのうち文字情報しか表示しない「テキストブラウザ」であるということ。本来の機能は、moreやlessと同様のいわゆる"ページャ"だが、HTMLをレンダリングする機能が実装されているため、テキストファイルを読む感覚でHTMLを閲覧できる。Terminal.appなどの端末ソフトで実行されるという性質上、1行あたりの文字数が80文字以内でなければ本来のページデザインは崩れてしまうものの、文章に集中できる。IEやMozillaに取って代わろうというのではなく、用途に応じて使うと便利、というタイプのWebブラウザとして理解したい。

    OS Xでw3mを利用するには、w3mのホームページから多言語拡張版のソースコードをダウンロードし、自分でコンパイルすることになる。あらかじめ開発環境をインストールしてさえおけば、作業は簡単。以下に手順を示すので、参考にしてほしい。

    ○w3mのインストール(開発環境、管理者権限要)

    % curl -O http://www2u.biglobe.ne.jp/%7Ehsaka/w3m/patch/w3m-0.3.2.1-m17n-20021107.tar.gz
    % tar xzf w3m-0.3.2.1-m17n-20021107.tar.gz
    % cd w3m-0.3.2.1-m17n-20021107
    % ./configure
    (質問への答えはデフォルトのまま、言語には「Japanese」を、文字コードには「UTF-8」を選択)
    % make
    % sudo make install
    % rehash
    - - - - - -

    これでw3mは「w3m-m17n」というコマンドとしてインストールされる。まずはTerminalを起動し、表示したいWebページのURLを引数としてコマンドを実行してみよう。Terminalに設定されている文字コード(デフォルトはUTF-8)とw3mのインストール時に指定した文字コードが一致していれば、目的のWebサイトが文字だけの状態で表示されるはずだ。

    ○w3m(w3m-m17n)でWebページを表示する

    % w3m-m17n http://pcweb.mycom.co.jp/

    操作方法だが、多くのキーアサインはlessなどのページャやシェルのそれに近い組み合わせとなっている。SPACEで読み進めてTABでリンクを移動、returnでハイパーリンクを実行し、終了したいときにはqを押す…といった手順で操作を行うが、わからなくなったときにはH(SHIFT-h)を押してヘルプを参照すればいい。利用頻度の高いキーアサインは、以下に示すとおり。残念ながらTerminalはマルチバイト文字の扱いに難があるため、表示は崩れがちだが、emacs-w3mと組み合わせればより実用的になるので、いろいろと試してみよう。

    w3mの主なキーアサイン
    キー .
    SPACE 次のページを表示(C-vも同様)
    b 前のページを表示(ESC-vも同様)
    TAB カーソルを次のハイパーリンクへ移動
    C-u カーソルを前のハイパーリンクへ移動
    return カーソル位置のハイパーリンクを実行
    [ 最初のリンクへ移動
    ] 末尾のリンクへ移動
    ↑↓←→ カーソルを上下左右へ移動
    ESC-g 指定した行番号へ移動
    < 画面全体を左へシフト
    > 画面全体を右へシフト
    U URLを指定
    V ローカルファイルを指定
    R バッファを再度読み込む
    B 1つ前の画面(バッファ)を表示
    s バッファ選択ダイアログを表示
    v HTMLのソースを表示
    H ヘルプを表示
    o オプション画面を表示
    q w3mを終了
    ※:大文字はSHIFT+アルファベットキーを、「C-」はcontrolを意味する

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