【コラム】

OS X ハッキング!

35 Sonnet ENCORE/ST G4 1GHz体験記

    海上 忍  [2002/11/01]

    CPUアップグレードカード「Sonnet ENCORE/ST G4 1GHz」がついに到着、愛機G4 Cubeがギガヘルツの世界に突入した。静粛性という魅力を損なわずに1GHzを実現するこのカードは、代替機を知らぬCubeユーザにとってまさに福音、期待どおりの製品といえる。今回はENCORE/ST G4が無事に稼働するまでの経緯についてご報告しよう。

    ・1GHzを選択した理由

    まずはG4マシン用アップグレードカードを取り巻く状況から説明しておきたい。現在のところ、Cubeを含むPowerMac G4 AGP Graphics向けの製品としては、Sonnet Technologies( http://www.sonnettech.com/ )のENCORE/ST G4(日本向けの製品名は「CRESCENDO/ST G4」)と、PowerLogix( http://www.powerlogix.com/ )の「PowerForce G4」という2つのラインナップがある。それぞれ1GHzと800Hzの2種類のCPUを搭載したカードを用意しているが、デュアルCPU対応はPowerLogixのみで、800MHz×2のカードがCube対応となっている。

    Cubeユーザがアップグレードカードを選ぶときは、消費電力が重要なポイントになる。PowerPC G4(MPC7455)の消費電力は800MHzで約24W、1GHzで約30Wに達するため、電源が弱いCubeにとっては負担となるからだ。そのためか、PowerForce G4デュアル1GHzのカードはCubeをサポートしない(熱の問題もあるだろうが)。ちなみに、Cubeの最大消費電力は205W。デュアル800MHzも魅力だが、筆者は無難なシングル1GHzを選択した。

    ・Cubeキットの出荷は未定

    今すぐSonnet製カードの購入を検討しているCubeユーザには、1つ大切なお知らせを。本稿執筆時点では、必須とされる「Cubeキット」の出荷が未定なのだ。そのため、8×8cmの内蔵ファンは自前で用意しなければならず、電源もHDDから分岐させるなどの工夫が必要。Cube用の説明書はないので、PC自作経験のないユーザには厳しい作業となるかもしれない。メーカーのサポートも受けられないので、参考にする場合はその辺りの事情を肝に命じて臨んでほしい。

    内蔵ファンには、AINEXから発売されている「CF-80SS」( http://www.ainex.jp/list/fan/cf-80ss.htm )を用意した。ハイプロベアリングを用いたADDA製のファンを採用、騒音レベルも19.6dB以下とまずまず。厚さは15mmで、Cubeの狭いファンスペースにも収まる。なお、市販の8×8cmファンの多くは厚さが20~25mmであり、Cubeの巨大なヒートシンクに当たるので要注意。

    ・新しいグラファイトシートも用意

    CubeオリジナルのCPU(PPC 450/500MHz)には、放熱プレートが装着されている。PowerLogix製カードには放熱プレートが付属するが、Sonnet製カードはオリジナルのものを流用することになる。

    ここで注意したいのが、放熱プレートとヒートシンクの密着性。放熱プレートには薄いグラファイトシートが貼られ、それが熱伝導率を高めているのだ。1GHzともなると熱対策は侮れないので、これを機会に貼りかえることにした。

    ・苦しんだマザーボードの取り付け

    いざCubeの分解を始めると、今更ながらその完成度の高さに驚いた。パーツのレイアウトが緻密に計算され、無駄がないのだ。マザーボードをヒートシンクと密着させるための3本のネジも、うち1本の長さが他と微妙に異なるなど油断できない。筆者はデジカメで記録しながら作業を進めたが、外したマザーボードをうまくセットできなくなり、1時間近く呻吟するハメに。

    ファンの電源ケーブルにも苦しんだ。ハードディスクに接続しているプラグを分岐ケーブルに接続したのだが、それを収めるスペースがない。結局、AirMacのアダプタを取り外して生じた隙間に詰めこんだ。

    ・さすがに1GHzは速かった

    2時間近くかけ作業が完了し、喜び勇んで電源ON。なんの障害もなくOS Xが起動し、普段どおりのデスクトップが現れた。異なるのは、そのスピード。Emacsはアイコン2バウンドで起動するようになり、IEのスクロールも速くなった。文字どおり、元のクロック数(450MHz)から2倍速くなったような印象。ファンの音も静かで、システムも安定している。排熱もスムーズなようで、排気口付近は32度前後で一定している。丸2日間稼働させているが、トラブルは皆無だ。

    ベンチマークの結果も、ほぼ期待どおり。81.5MB/8分04秒のAIFFファイルをMP3エンコード(iTunesは「標準」設定、LAMEはオプションに「-h -b 128」を使用)したところ、クロック数に正比例して速度が改善された。PostPet Markの結果にも満足。これで液晶iMacやeMacに負けない…ん? この時点でようやく、いかに非力な環境で我慢してきたか思い知らされたのだった。トホホ。

    表:オリジナルG4 CubeとSonnet ENCORE/ST G4 1GHzの比較

    項目オリジナル450MHzENCORE/ST G4 1GHz
    iTunes 3.0.11:48.090:52.01
    LAME 3.923:01.071:43.61
    PostPet Mark 1.122044423
    SpeedRun 1.1.3240411


    ※:メモリは640MBを搭載、ビデオカードはRADEONに換装している。OSにはMac OS X 10.2.1(Build 6D52)を使用。

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    http://pcweb.mycom.co.jp/column/osx.html

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