【コラム】

OS X ハッキング!

5 液晶iMacの登場とOS X

海上忍  [2002/01/18]

皆さんは年賀状を出されただろうか? 筆者もそれなりの工夫を凝らした年賀状を関係諸氏に送ったのだが、このような連載を持たせていただいていることもあり、宛名データの入力から印刷まで全行程をOS Xで行ってみた。しかも、Terminal/JTerminalの中だけで(笑)。あらかじめpTeXとdvipdfm(DVI→PDF変換ソフト)をビルドしておき、LaTeXで記述した宛名印刷のひな形を用意。そこに自作Perlスクリプトで住所/氏名を流し込む(表面の場合)、というのが基本的な作業の流れだ。フォントにはヒラギノを使用、しかもPostScriptプリンタに印刷したので文字は鮮明そのもの。デザインセンスはともかくとして、我ながら上出来だった。機会があれば当連載にて作成方法を披露したいと考えている。

さて、Macworld Expoで液晶モニタを搭載した新iMacが発表されたことは既報のとおり( http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/01/08/14.html )。G4 700~800MHzを搭載、最上位機種にはスーパードライブが搭載されるということで、スペック的にはイイ線を行っているのではないだろうか。デザインは評価の分かれるところだが、筆者は気に入っている(Cubeの次はSphere…STAR TREKに出てくる「ボーグ」のようだ)。Amigaデモの大傑作「NEXUS 7」で飛び跳ねていた機械( http://www.marktallee.de/ada/showdemo.php3?id=4 )を思い出し郷愁に浸るのは筆者だけか?

だが、新iMacでOS Xを動かすことを考えると、いくつか気になる点が出てくる。今回は前回に続きGnu PG+GPGmailの利用法を紹介するつもりだったが、急遽予定を変更し、新iMac上でOS Xを動作させるときのメリットとデメリットについて考えてみたい。

まず、メリットと思われる点から。

旧iMacにはG3が搭載されていたが、新iMacでは全機種がG4に変更された。iTunes2などAltivec(Velocity Engine)対応のアプリケーションが順調に増加しつつある中、G4の採用が当然視されていたことは言うまでもない。発熱問題はさておき、動作速度の向上という点では明らかにメリットだろう。特にMPEGの符号化/復号化といった数値処理はAltivecが得意とするところであり、iMovieやiDVDのパフォーマンス向上が期待できる。描画エンジン「Quartz」などの技術もAltivecに最適化されているため、全体的にキビキビと動作するはずだ。

グラフィックチップがATI RAGE 128 Ultra(16MB SDRAM)からnVIDIA GeForce2 MX(32MB DDR RAM)に変更されたことも、歓迎すべきことだろう。OS XのGUI環境「Aqua」ではアルファブレンディング(簡単に言うと半透明処理)を行うため、ドライバの出来がシステム全体のパフォーマンスを左右するからだ。少なくとも、10.1.2アップデートが行われるまではATI製チップを搭載した機種の描画性能は芳しくなく、CPU性能の違いを差し引いてもGeForce2/3を搭載した機種のほうが体感速度は確実に上だった。実機は未入手であるためベンチマークの測定は未了だが、同じGeForce2 MXを搭載したPowerMac G4(QuickSilver)に匹敵する体感速度が得られるものと予想される。

次に、気になった点について触れておこう。

液晶モニタの解像度がXGA(1,024×768)であること。これは少し厳しい。というのも、OS Xではフォントにアンチエイリアス処理が施される都合上、低い解像度では少し目障りになるからだ。できればSXGA以上の解像度が欲しいところ。外部モニタもミラーリングのみ対応となっているため、広いデスクトップで作業することは難しいようだ。

USBが1.1であることも惜しまれる点の1つ。拡張性がないに等しいiMacでは、他機種のようにPCIカードを挿すこともできない。USB2.0用の周辺機器が続々と登場している現在、Power Mac G4系機種より一足速くiMacでUSB2.0ポートを標準装備すれば、かなりのインパクトがあったかもしれないのだが。

SuperDriveは"もう一声"といったところ。DVD-Rを利用してオリジナルDVD-Videoを作成できるのはいいが、DVD-RAMやDVD+RWといったパケットライトが可能なDVDメディアにも対応してほしい。DVD-Videoを作成したことがあればわかると思うが、40~60GB程度のハードディスクなどすぐに満杯になってしまうからだ。書き換え不可のDVD-Rでは、仕掛かり中のMPEGファイルをストックさせておくにはコストがかかりすぎる。

だが、しかし。このデザインならばリビングに置いてもさほど違和感はないだろうし、AirMacに対応しているので煩わしいケーブルが不要となる。見た目に違和感さえ覚えなければ、素直に「買い」としていいマシンだろうと思う。

最後にお知らせを。このたび拙著「Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」が技術評論社より刊行されました。書店にお運びの際にはぜひお手に取ってみてください。

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http://pcweb.mycom.co.jp/column/osx.html

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