前回の記事では、ヤマダ電機、エディオンで、現金払い時と同等もしくはそれ以上のポイント還元を受けられるカードを紹介したが、今回はヨドバシカメラ、ビックカメラ編をお届けする。

ヨドバシカメラ

ヨドバシカメラ店舗では、現金払い時に10%のゴールドポイントが還元される商品を購入する場合、「ゴールドポイントカード・プラス」での支払いなら11%還元、それ以外のクレジットカードでの支払いなら8%還元となる。電子マネーの支払いに対しては、楽天Edy、Suica、iD、QUICPay、PiTaPa(梅田店、京都店のみ)に対応しているが、現金と同率のポイント付与は楽天EdyとSuicaのみとなる。

「ゴールドポイントカード・プラス」は年会費無料。会員限定の特価販売も利用でき、ヨドバシカメラでの購入額に応じてボーナスポイントがもらえるキャンペーンも定期的に開催。ヨドバシカメラ以外でも、月合計100円利用につき1ポイント(=1円相当)が貯まり、普段使いにも適した1枚だ。また、ヨドバシカメラで購入した商品が破損・盗難などの被害に遭った場合、購入後90日間、1事故につき最高100万円まで補償してくれる保険も利用できる(ノートパソコンや携帯電話などは除く)。

「ゴールドポイントカード・プラス」

さらに、年会費3900円の「ヨドバシ・プレミアム」に入会すると、前述の保険の保証期間が購入後1年までに延長され、ヨドバシカメラで購入したノートパソコンやタブレットPC、ヨドバシカメラ以外のVISA加盟店で購入した対象商品まで補償範囲が拡大。そのほかにも、引取修理時の回収配達代金が無料(年3回まで)、メーカー出張修理の受付代行、会員限定セールなどの特典も受けられる。

ネットショップ「ヨドバシ・ドット・コム」を利用する場合は、基本的にクレジットカードの種類を問わず同率のポイントが付与されるが、書籍を購入する場合は、「ゴールドポイントカード・プラス」で支払うと6%の特典ポイントを還元。書籍は通常3%還元に設定されているため、クレジット利用分が1%、特典分が6%で、計10%還元となる。なお、ポイントは共通化手続きをすれば、店舗・ネットのどちらでも利用可能だ。

ビックカメラ

ビックカメラ店舗で現金払いをする場合、基本は購入額の10%のビックポイントが付与されるが、クレジット払いでは一部のカードを除いて8%ビックポイント付与となる(ネットショップ「ビックカメラ.COM」では、どのカードで支払っても現金払いと同率)。これを回避できるカードは4種類ある。

ビックカメラSuicaカード

なかでも本命として検討したいのは、Suica機能付きの「ビックカメラSuicaカード」。通常時は毎月の利用合計額に対し、ビックポイントが200円につき1ポイント(=1円相当)、ビューサンクスポイントが1000円につき2ポイント(=5円相当)。2種類のポイントが1000円につき合計10円(1%)相当貯まる。また、JR東日本での定期券購入やSuicaへのチャージなど、「VIEWプラス」対象商品・サービスへの支払いに対しては、ビューサンクスポイントのみ1000円につき6ポイント、1.5%相当のポイントが貯まる。

「ビックカメラSuicaカード」

ビックカメラ店舗で利用する場合は、現金払いと同率のビックポイントのみ付与されるが、Suicaで払っても現金払いと同率のビックポイントが付与されるため、Suicaで支払いをすればチャージ時に1.5%ビューサンクスポイントが貯まり、店頭での支払い時に基本10%のビックポイントサービス(ポイント率は商品により異なる)となるため、計11.5%相当のポイントサービスで利用できる。ただし、Suicaのチャージ上限額は2万円のため、これを超える金額の商品を購入する場合、差額分は電子マネー以外の方法で払う必要がある。

「ビックカメラSuicaカード」は年会費初年度無料。2年目以降は前年にクレジット利用が一度でもあれば、年515円の年会費が無料となる。ビューサンクスポイントはビックポイントへの交換やSuicaへのチャージにも利用でき、このほかにも各種ギフト券やクーポン、Suicaのペンギングッズに交換可。ただし、ポイントをカード型のSuicaへチャージする場合は、JR東日本の駅構内にあるATM「VIEW ALTTE」での手続きが必要。モバイルSuicaであれば、インターネット環境があれば、どこでも交換手続きが可能だ。なお、モバイルSuicaは通常1030円の年会費が必要だが、決済方法に同カードを紐付けていれば当面無料となる。

ビックカメラJ-WESTカード

関西圏に住んでいる人であれば、JR西日本と提携した「ビックカメラJ-WESTカード」も候補となる。通常は月合計1000円利用につきJ-WESTポイントが5ポイント(=0.5%相当)。ビックカメラ店舗では現金払いと同率のビックポイントに加え、通常のJ-WESTポイントも貯まるため、10%ポイント商品を購入の場合は10.5%ポイントサービスとなる。J-WESTポイントはSMART ICOCAへのチャージに利用できるほか、各種グッズや主にJR西日本管内の駅ビルなどで使える商品券に交換可能だ。

同カードには「エクスプレス」と「ベーシック」の2種類があり、前者は東海道・山陽新幹線で割引を受けられる「エクスプレス予約」が利用可能。西日本、四国、九州エリアの新幹線・特急で割引を受けられる「e5489」は、どちらのカードでも利用可能だ。年会費はどちらも1080円だが、「ベーシック」は初年度無料で、前年に一度でも利用があれば2年目以降も無料となる。

「ビックカメラJ-WESTカード」

ビックカメラJQ SUGOCAカード

九州圏に住んでいる人は、JR九州と提携した「ビックカメラJQ SUGOCAカード」も選択肢のひとつ。通常は月合計200円利用につきJQポイントが1ポイント(=0.5%相当)。ビックカメラ店舗では現金払いと同率のビックポイントに加え、通常のJQポイントも貯まるため、10%ポイント商品を購入の場合は10.5%ポイントサービスとなる。JQポイントはビックポイントへの移行、SUGOCAへのチャージ、JR九州旅行券、アミュプラザ博多・小倉・おおいた・長崎・鹿児島・アミュエスト・博多デイトスのショッピングチケットへの交換に利用可能。

「ビックカメラJQ SUGOCAカード」

このほかに、九州から本州方面への割引きっぷを購入できるほか、アミュプラザや博多デイトスなどで割引も受けられる。年会費は1350円だが、初年度は無料で、前年に一度でも利用があれば2年目以降も無料だ。

ビックカード インターナショナル

年会費完全無料で、ビックカメラ以外での使いやすさも優れているのは、「ビックカード インターナショナル」。ビックカメラ店舗では基本9%ポイントサービス(リボ払い専用の「ビックカード インターナショナルFreeBO!」は10%ポイントサービス)で、ビックカメラ以外での利用時も月間利用合計額に対して1%のビックポイントが貯まる。ポイントの種類が分散しないため、ポイントの管理が楽なこともメリットだ。また、本記事で紹介したカードのなかで、唯一MasterCardブランドが選べることも特筆しておきたい(Visaブランドも選択可)。

「ビックカード インターナショナル」

以上、4枚のカードを紹介したが、ビックカメラ以外での利用も含めて検討することが大切だ。なお、ビックカメラ店舗では、Suicaなどの交通系電子マネー以外にも、WAON、nanaco、楽天Edy払いでも、現金払いと同率のポイントサービスとなる(アウトレット横浜ビブレ店ではnanacoは利用不可)。楽天Edyの場合は1会計で5枚まで利用可能だ。購入する商品の金額によって、決済方法を使い分けてもいいだろう。

ちなみに「ゴールドポイントカード・プラス」と「ビックカメラSuicaカード」は、店頭(ビックカメラは一部対象外店舗あり)で申し込めば、最短30分で仮カードを発行してくれる(審査によって発行不可の場合あり)。仮カードは申し込んだ店舗でのみしか利用できないが、急ぎでカードを使いたい人は、各ホームページで必要書類をチェックして店舗に足を運ぼう。

公式サイトは以下の通り。

ゴールドポイントカード・プラス

ビックカメラSuicaカード

ビックカメラJ-WESTカード

ビックカメラJQ SUGOCAカード

ビックカード インターナショナル

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。
<著者プロフィール>

タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。2015年3月発売の『最強クレジットカードガイド2015~本当にトクするカードの選び方・使い方~=写真=』(角川マガジンズ)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。