年末のボーナスや年始の初売りで、高額な家電を購入しようと考えている人もいるだろう。大手家電量販店の多くは、独自のポイント制度を設けているが、クレジットカードで買物する際は、特定のカード以外で支払うとポイント付与率が下がってしまう。今回から2回に分けて、主要な家電量販店で優遇を受けられるクレジットカードを紹介しよう。

ヤマダ電機

ヤマダ電機には3種類の「LABIカード」があり、他のクレジットカードと比べてポイント優遇が受けられる。たとえば、ヤマダ電機店舗で現金払い時に10%のヤマダポイントが還元される商品を購入する場合、「LABIカード」以外のクレジットカードで支払う際は8%還元となるが、「ヤマダLABIカード」および「ヤマダLABI ANAマイレージクラブカード《セゾン》・アメリカン・エキスプレス・カード」での支払いなら10%、「ヤマダLABIゴールドカード」での支払いなら11%が還元される。

「ヤマダLABI ANAマイレージクラブカード《セゾン》・アメリカン・エキスプレス・カード」

「ヤマダLABIカード」

「ヤマダLABIゴールドカード」

これに加えて、各カードともに通常のクレジット利用分として、永久不滅ポイントが1000円につき1ポイント貯まる。永久不滅ポイントをヤマダポイントに交換する場合、200永久不滅ポイント→1000ヤマダポイント、もしくは1000永久不滅ポイント→6000ヤマダポイントとなるため、1000ポイントまとめての交換であれば還元率は0.6%。つまり、「ヤマダLABIゴールドカード」でヤマダ電機店舗で買物をする場合なら、合計で還元率は11.6%となる。

ネットショップ「ヤマダウェブコム」を利用する場合は、基本的にクレジットカードの種類を問わず同率のポイントが付与されるが、たとえば12月は3・13・23日に「LABIカード」で支払うと、購入額の3%がヤマダ期間限定ポイントとして貯まるなど、キャンペーンも随時開催されている。また、「ヤマダモール」利用時も、「LABIカード」での支払いなら、他のカードよりもヤマダポイントの還元率が1%アップ(ヤマダ家電、ヤマダブックスの商品は除く)する特典もある。

「ヤマダLABIカード」と「ヤマダLABI ANAマイレージクラブカード《セゾン》・アメリカン・エキスプレス・カード」は、それぞれ年会費(口座維持手数料)540円で、初年度は無料、年に一度でもショッピング利用があれば次年度も無料。「ヤマダLABIゴールドカード」は年会費1万800円で、空港ラウンジをはじめとするゴールドカードのサービスに加え、大型設置商品の長期保証「LABI安心」のサービス付きだ。

エディオン

エディオンではクレジット機能の付いた「エディオンカード」、クレジット機能のない「あんしん保証カード」が主に発行されており、どちらもエディオン店舗で買物の際にエディオンポイントを貯める・使うことができる。また、「Tカード」を提示してTポイントを貯める・使うこともでき、他店で貯めたTポイントを使ったり、エディオンで貯めたTポイントを他店で使うこともできる。店舗では提示するカードと支払い方法によってポイントの貯まり方が異なり、以下の3通りに分かれる。なお、店舗とネットショップのポイントは共通化されていない。

「エディオンカード」

「あんしん保証カード」

  • (1)「エディオンカード」を提示して、「エディオンカード」、現金、電子マネー(楽天Edy、iD、WAON、QUICPay)、エディオンギフトカードで支払った場合

  • (2)「あんしん保証カード」を提示して、現金、電子マネー(楽天Edy、iD、WAON、QUICPay)、エディオンギフトカードで支払った場合

  • (3)「Tカード」を提示して、現金、電子マネー(楽天Edy、iD、WAON、QUICPay)、クレジットカード、エディオンギフトカードで支払った場合

(1)の場合はエディオンポイントが貯まり、家電・パソコン購入時は100円(税別)につき1ポイント、消耗品・パソコンサプライ・各種アクセサリー購入時は100円(税別)につき3ポイント、テレビゲームソフト(新品)・映像・音楽ソフト購入時は100円(税別)につき5ポイント。

(2)の場合もエディオンポイントが貯まり、家電・パソコン購入時はポイント付与なし、消耗品・パソコンサプライ・各種アクセサリー購入時は100円(税別)につき3ポイント、テレビゲームソフト(新品)・映像・音楽ソフト購入時は100円(税別)につき5ポイント。

(3)の場合はTポイントが貯まり、購入商品の種類にかかわらず(金券類、書籍、工事費などは除く)、200円(税別)につき1ポイント。

つまり、(1)の場合が最も高いポイント還元を受けられるが、これは店舗でショッピングしたことに対して付与されるポイントのことで、支払い方法によっては、さらなるポイントを得ることが可能だ。たとえば楽天Edyはポイントサービスに登録すると、200円利用につき1ポイントが貯まるため、上記に加えて0.5%のポイント還元が受けられる(一部のカード型Edyは対象外で、ポイントの種類はエディオンポイントを含む13種類から選択可)。また、「エディオンカード」はエディオン以外での利用時は100円につき1ポイントが貯まり、楽天Edyへのチャージもポイント付与対象となるため、チャージ時にも1%のポイント還元が受けられる。

これらを合計すると、エディオン店舗で1万800円の家電を購入した場合、「エディオンカード」の提示で100ポイント、「エディオンカード」から楽天Edyへのチャージで108ポイント(実際はチャージは1000円単位のみ可能)、楽天Edyでの支払いで54ポイント、合計262ポイントで還元率は約2.43%。テレビゲームソフト(新品)・映像・音楽ソフト購入時なら、「エディオンカード」の提示で500ポイントとなるため、合計662ポイントで還元率は約6.13%となる。

ただし、楽天Edyはチャージ上限が5万円のため、それを超えた金額の商品を購入する場合、差額は現金、エディオンポイント、ギフト券のいずれかで支払う必要がある。

「エディオンカード」は年会費1058円で、エディオン店舗で年間15万円(税別)以上の利用があれば次年度は無料。100品種以上の指定家電品で5~10年の長期保証を受けられる特典も付いてくる(年会費無料の「あんしん保証カード」は21品種が長期保証対象)。また、前述の楽天Edyに加え、nanaco(オリコ発行はJCBのみ)、モバイルSuica、SMART ICOCAへのチャージもポイント付与対象。普段からエディオンを利用している人にはもちろん、エディオン以外でも使い勝手のいい1枚だ。

なお、各店とも優遇を受けられないクレジットカードで支払った場合でも、クレジットカードを利用したことによるポイントは付与される。クレジットカードによっては、キャンペーンなどで一時的に還元率が2%以上になるものもあるので、そうした場合は優遇を受けられるカードと比較して使うといいだろう。

次回はヨドバシカメラ、ビックカメラで優遇を受けられるクレジットカードを紹介する。 公式サイトは以下の通り。

ヤマダLABIカード

エディオンカード

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。
<著者プロフィール>

タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。2015年3月発売の『最強クレジットカードガイド2015~本当にトクするカードの選び方・使い方~=写真=』(角川マガジンズ)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。