前回の記事では特定月に還元率がアップするカードを紹介したが、今回は入会から一定の期間は還元率がアップするカードを紹介する。直近に大きな出費を控えている人は、ぜひチェックして欲しい。

「P-one Wiz」

7月に発行開始されたばかりの「P-one Wiz」は、入会から6カ月間はポイントが3倍になるカード。詳しく説明すると、通常は毎月の請求時に利用額の1%が値引きされ(1決済ごとの計算)、さらに割引後の合計請求額1000円につきポケット・ポイントが1ポイント(1000円未満の端数に対しては100円につき0.1ポイント)貯まる仕組みで、入会半年はこのポイント部分が3倍となる。ポケット・ポイントは1ポイント=5円相当(Tポイントに交換した場合)なので、通常時の還元率は値引き分と合わせて約1.5%、入会から6カ月間の還元率は約2.5%になる計算だ。

なお、電子マネーのチャージ、金券類の購入などは1%オフおよびポイント付与の対象外。各種保険料(国民健康保険は除く)の支払い、ETCカードの利用分については、1%オフは対象外だが、ポイント付与の計算では対象となる。年会費は無料で、初期設定はリボ払いとなっているが、全額支払いにも対応している。

「Orico Card THE POINT」「Orico Card THE POINT PREMIUM GOLD」

「Orico Card THE POINT」は入会から6カ月間がポイント2倍。通常は1決済100円につきオリコポイントが1ポイント(=1円相当)貯まるので、入会から6カ月間の還元率は2%になる(ポイント2倍の上限は5000ポイント=利用額50万円相当まで)。同カードの特徴はオリコモールを経由してネットショッピングをすると、通常のオリコモール利用分として加算される0.5~15%(ショップにより倍率は異なる)のポイントに加え、オリコモール特別加算分として0.5%分のポイントが上乗せされること。たとえば、Amazon.co.jpで買物する場合は、通常時で2%還元、入会から6カ月間なら3%還元となる。

年会費は無料で、カードに後払い式電子マネーのiDとQUICPayの機能も搭載(おサイフケータイでも利用可)。この2つに加えてモバイルSuicaやSMART ICOCAへのチャージもポイント付与対象で、電子マネーとの相性がいいことも特徴だ。

また、年会費1950円の「Orico Card THE POINT PREMIUM GOLD」も同様に入会6カ月はポイント2倍で、オリコモール経由の特別加算ポイントは1%にアップ。前述のAmazon.co.jpを利用の際は、通常時で2.5%還元、入会6カ月間なら3.5%還元だ。iDおよびQUICPayを利用した際もポイントが0.5%アップするため、通常時で1.5%還元、入会6カ月間は2.5%還元となる。

「三菱東京UFJ-VISAゴールドカード」「三菱東京UFJ-VISA」

「三菱東京UFJ-VISAゴールドカード」は、入会月を含む3カ月間のポイントが10倍。月合計1000円利用につき1ポイント(=5円相当)が貯まるため、入会3カ月の還元率は5%になる(4カ月目からは通常の0.5%)。また、年間50万円以上利用すると、次年度はポイント付与率が20%アップし、0.6%還元となる制度もある。

申し込みには三菱東京UFJ銀行の普通預金口座が必要で、年会費は1万800円だが、年間100万円以上利用すると翌年は家族カードも含めて無料に。国内28空港およびハワイ・ホノルル空港のラウンジも利用でき、使い方次第では2年目以降は実質無料で持てるゴールドカードだ。

電子マネーへのチャージは原則としてポイント付与対象外だが、Suica機能つきのタイプはカード搭載のSuicaおよびモバイルSuicaへのチャージもポイント対象。モバイルSuicaは通常1030円の年会費が当面無料で利用できる。なお、年会費無料の「三菱東京UFJ-VISA」でも、入会月を含む3カ月間はポイント5倍で、2.5%還元で利用できる。

「三井住友VISAデビュープラスカード」

「三井住友VISAデビュープラスカード」は、高校生を除く18~25才のみ申し込み可能なカード。通常でも月合計1000円利用につき一般カードの2倍となる2ポイントが貯まるが、入会から3カ月間は1000円利用につき5ポイント。1ポイント=5円相当のため、通常時の還元率は1%、入会3カ月間の還元率は2.5%となる。

年会費は1350円だが、初年度は無料で、前年に一度でも利用があれば次年度も無料となる。電子マネーについては、専用カードまたはおサイフケータイで使えるiD利用分はポイント対象。ポイント付与は対象外だが、WAONのオートチャージやPiTaPaの紐付けも可能だ。なお、満26才以降最初のカード更新時に、「三井住友プライムゴールドカード」(利用状況に応じて年会費1620~5400円)に自動でランクアップされ、継続時には200ポイントのボーナスもプレゼントされる。事前に申請すれば「三井住友VISAクラシックカード」(利用状況に応じて年会費無料~1350円)への切り替えも可能だ。

このほかにも、キャンペーンで入会直後の利用状況に応じたボーナスがもらえるカードも数多くある。還元率アップ期間が終了した後の使い方も考慮して、最適なカードを手に入れよう。

公式サイトは以下の通り。

P-one Wiz

Orico Card THE POINT

Orico Card THE POINT PREMIUM GOLD

三菱東京UFJ-VISA

三井住友VISAデビュープラスカード

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識

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<著者プロフィール>

タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。2015年3月発売の『最強クレジットカードガイド2015~本当にトクするカードの選び方・使い方~=写真=』(角川マガジンズ)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。