前回前々回と、国内主要空港のラウンジが利用できるカードを紹介したが、今回は特定の空港を使う機会が多い人に適したカードを紹介する。基本的な情報は前々回の記事を参照してほしい。

「新生アプラスゴールドカード」

関西国際空港を利用する人は、「新生アプラスゴールドカード」を検討してほしい。年会費は初年度無料で、2年目以降は5400円。家族カードは年1080円。利用できるラウンジは、新千歳、成田、羽田(国内線のみ)、中部、伊丹、神戸、岡山、福岡、長崎、那覇の国内10空港と、ハワイ・ホノルル、韓国・仁川の海外2空港となっている。関空のラウンジは含まれていないが、「ホテル日航関西空港」館内のレストランで飲食代が10%オフとなり、さらに1500円分が無料となる特典(1日1回までで、当日の航空券が必要)がある。使い方次第ではラウンジ以上におトク度が高いと言えるだろう。

「新生アプラスゴールドカード」

「新生アプラスゴールドカード」

海外旅行傷害保険は最高5000万円補償を自動付帯、国内も最高3000万円を利用付帯。成田、羽田、中部、関西の4空港で国際線を利用する際は、出発時・帰国時ともに手荷物1個を無料で宅配してくれるサービスも利用できる。このほかに、全国主要都市の対象レストランで、所定のコースメニューを2名以上で利用すると1名分が無料になる「アプラスプレミアムグルメサービス」など、通常はプラチナクラスのカードにしかないサービスも付帯している。

「KIX-ITM CARD」

なお、関西国際空港では年会費無料の「KIX-ITM CARD」も発行されており、クレジット機能はないものの、関空内の「KIX エアポートラウンジ」が50%オフ(同伴者は1名まで10%オフ)で利用できる優待がある。また、空港内ショップや外貨両替所、駐車場などで割引が受けられる優待もあるので、こちらも併せて持っておけば、より安心だろう。

「セントレアカード」

中部国際空港を利用する人であれば、「セントレアカード」を候補に入れよう。年会費3240円の「プレミアムカード」の場合、利用できるラウンジは同空港のみだが、駐車場の料金3日分(4500円相当)が無料となるサービス券が毎年発行され、毎回の精算ごとに駐車料金が300円割引、予約駐車場利用時の予約料金1000円も無料となる。旅行傷害保険は、海外・国内ともに最高2000万円補償を利用付帯。また、通常時のポイント還元率は0.5%だが、同空港内の免税店ではポイント10倍、その他の対象ショップではポイント4倍となる特典もある。

「セントレアカード」

年会費1万800円の「ゴールドカード」であれば、国内27空港+ホノルル空港のラウンジが利用でき、駐車場のサービス券は10日分に、免税店でのポイントは16倍、その他同空港内対象ショップでのポイントは10倍。二輪車・四輪車とも対象のロードサービスも利用できる。なお、プレミアムカード、ゴールドカードともに家族カードには非対応だ。

「セントレアカード・ゴールドカード」」

「イオンゴールドカード」

羽田空港の国内線ラウンジ限定だが、年会費無料で持てるのが「イオンゴールドカード」。ただし、招待制のカードとなっており、「イオンカード」や「イオンカードセレクト」などを保有したうえで、カード会社が定める一定の条件を満たす必要がある(招待基準は非公表)。同カードを保有していれば、羽田空港の国内線ラウンジに加え、全国のイオン内にある「イオンラウンジ」(15年3月現在、162店に設置)も利用可能だ。

「イオンゴールドカード」

「イオンゴールドカード」

「イオンゴールドカード」は海外・国内とも最高3000万円を補償する旅行傷害保険も付帯(海外は自動付帯、国内は利用付帯)。年会費無料のカードとしては、破格の内容となっている。また、他のイオンマークのついたカードと同様に、全国のイオンなどで毎月20・30日は5%オフをはじめとした優待も受けられる。イオンでの優待については、詳しくは過去に特集した記事を参照してほしい。なお、家族カードは所定の条件を満たす一親等内であれば、3枚まで発行可能。羽田やイオンのラウンジは家族カードでも利用できる。

国内主要空港だけでも3回に渡って紹介することになったが、これ以外に世界400都市以上で利用できる「プライオリティ・パス」に無料登録できるカードや、航空会社が運営するラウンジが利用できるカードもある。これらはまたの機会に紹介させてほしい。

公式サイトは以下の通り。

新生アプラスゴールドカード

KIX-ITM CARD

セントレアカード

イオンゴールドカード

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。
<著者プロフィール>

タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。2015年3月発売の『最強クレジットカードガイド2015~本当にトクするカードの選び方・使い方~=写真=』(角川マガジンズ)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。