前回は国内主要空港のラウンジが利用できるカードを紹介したが、今回はそのなかでも特定の条件を満たせば、年会費が無料になるカードを紹介する。基本的な情報は前回の記事を参照してほしいが、本記事を読み進めるうえで重要となる国内主要空港については再掲しておこう。クレジットカード会員専用のラウンジが設置されている国内主要空港は、下記の28空港である。

新千歳、函館、青森、秋田、仙台、成田、羽田、中部、新潟、富山、小松、伊丹、関西、神戸、岡山、広島、米子、山口宇部、高松、徳島、松山、福岡、北九州、大分、長崎、熊本、鹿児島、那覇

「NTTグループカードゴールド」

まず最初に紹介したいのは「NTTグループカードゴールド」。通常は年会費5400円だが、年間100万円以上ショッピング利用すると、次年度の年会費は無料。通常年会費1620円の家族カードも、年間150万円以上利用すると次年度無料となる。利用できる空港ラウンジは国際ブランドによって微妙に異なり、Visaは上記から大分を除いた国内27空港、MasterCardは岡山、山口宇部、北九州を除いた国内25空港+ハワイ・ホノルルと韓国・仁川の海外2空港。海外・国内ともに最高5000万円を補償する旅行傷害保険も付帯している(海外は自動付帯、国内は利用付帯)。

「NTTグループカードゴールド」(Visa)

「NTTグループカードゴールド」(MasterCard)

同カードには「おまとめキャッシュバックコース」と「ポイント・プレゼントコース」の2種類のコースがあり、前者は毎月の利用金額に応じて、対象の通信料金を最大で60%キャッシュバック(最高還元率1.5%)。後者は月合計1000円利用につき10ポイントが貯まり、年間累計5000ポイント獲得ごとに500ポイントのボーナスもある。ポイントはアマゾンギフト券かnanacoギフトIDに交換の場合、1ポイント=0.67円相当(3万ポイント交換の場合)。カード利用代金に充当する場合は1ポイント=0.6円相当(1万ポイント単位で交換)でキャッシュバック。このほかにドコモポイントやANAのマイルなどへも交換できる。

「エポスゴールドカード」

年会費が無料になる条件をよりクリアしやすいのは「エポスゴールドカード」。通常は年会費5000円だが、年間50万円以上利用すると、翌年から永続的に年会費が無料となる(インビテーションを受け取って入会した場合は初年度から永年無料)。家族カードの制度はなし。利用できるラウンジは国内19空港(上記のうち青森、秋田、新潟、富山、岡山、米子、山口宇部、高松、徳島は利用不可)だが、大都市の空港は入っているので、多くの人は問題なく使えるだろう。海外旅行傷害保険を自動付帯しており、会員本人の傷害死亡・後遺障害時には最高1000万円の補償も受けられる。

「エポスゴールドカード」

ポイント還元率の高さも魅力的だ。通常は1決済200円につき1ポイント(=1円相当)だが、年間利用額が50万円以上なら2500ポイント、100万円以上なら1万ポイントのボーナスがある。単純計算すると、年50万円未満の利用では還元率0.5%、50万円では1%、100万円では1.5%。ポイントは無期限有効で利用でき、マルイの商品券、iTunesギフトコード、VJAギフトカード、QUOカードなどに交換可。

また、マルイ店舗およびマルイ通販ではポイントが2倍(1回払い・ボーナス一括払い時)になるほか、年4回開催の「マルコとマルオの7日間」期間中は10%オフ。300以上のショップからポイント3倍(1回払い・ボーナス一括払い時)になるショップを3つまで登録できる「選べるポイントアップショップ」の制度もある。

「NKCゴールドカード」

住んでいるエリアによっては、さらにコスパの高いカードも選択肢に入る。鳥取に拠点を置くエヌケーシー(旧・日本海信販)の「NKCゴールドカード」は、中国地方・近畿地方および福井県居住者のみ申し込み可能なカードで、通常年会費は3240円だが、初年度は無料、2年目以降も前年に一度でもショッピング利用があれば無料となる。家族カードも無料で発行可能だ。ラウンジは国内28空港に加え、ホノルル空港も利用可能。最高2000万円補償の海外旅行傷害保険も付帯している(出発10日前までに申請が必要)。

「NKCゴールドカード」

ポイント制度は1決済100円につき1ポイント(=1円相当)。1000ポイント単位でAmazonギフト券、楽天Edyギフト、各種ギフトカードに交換できる(ギフトカードへの交換のみ1回250ポイントの手数料が必要)。なお、ほぼ同内容のカードとして「さかいみなとゴールドカード」も発行されており、こちらはカード利用代金の一部が鳥取県境港市の「まちづくり活動」に寄付されるほか、市内の提携店で優待も受けられる。

「さかいみなとゴールドカード」

次回は特定の空港を使う機会が多い人に適したカードを紹介する。

公式サイトは以下の通り。

NTTグループカードゴールド

エポスゴールドカード

NKCゴールドカード

さかいみなとゴールドカード

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。
<著者プロフィール>

タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。2015年3月発売の『最強クレジットカードガイド2015~本当にトクするカードの選び方・使い方~=写真=』(角川マガジンズ)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。