クレジットカードの付帯サービスのなかでも、特に高い人気を誇るのが空港ラウンジサービス。空港内にある会員専用ラウンジを無料で利用でき、Wi-Fiやフリードリンクも用意された環境で、フライト待ちの時間を快適に過ごすことができる。

まず基礎知識として知っておきたいのは、空港ラウンジサービスは大きく分けて3種類あり、利用できるカードが限られていること。以下に簡単に解説する。

(1)国内主要空港ラウンジが使えるカード

多くのゴールドカードが対象で、国内主要空港のラウンジが利用できる。カードによって利用できる空港数には違いがあり、多いものは国内28空港(※1参照)に加え、ハワイ・ホノルル空港、韓国・仁川空港も利用可。

※1 新千歳、函館、青森、秋田、仙台、成田、羽田、中部、新潟、富山、小松、伊丹、関西、神戸、岡山、広島、米子、山口宇部、高松、徳島、松山、福岡、北九州、大分、長崎、熊本、鹿児島、那覇

(2)世界400都市以上の空港ラウンジが使えるカード

多くのプラチナカード、また一部のゴールドカードが対象で、世界400都市以上の空港ラウンジが利用できる「プライオリティ・パス」に登録でき、プレステージ会員(通常年会費399ドル)相当のサービスを無料で受けられる。

(3)航空会社運営の空港ラウンジが使えるカード

航空会社系の一部カードのみが対象で、通常は航空会社の上級会員しか利用できない空港ラウンジが利用できる。航空会社運営のラウンジは手荷物検査通過後のエリアにあるため、フライト直前までくつろぐことができ、一部ラウンジでは軽食まで用意されていることもある。

前置きが長くなったが、今回は(1)の国内主要空港ラウンジで利用できるカードのなかから、コストパフォーマンスに優れたものを紹介したい。

「UCSゴールドカード」

カード維持費を最安に抑えたいなら、「UCSゴールドカード」が筆頭候補。年会費は3240円で、初年度は無料。家族カードの年会費は1080円で、本カードと同時に申し込みの場合は初年度無料となる。利用できるラウンジは、国内27空港(上記リストのなかでは大分空港が利用不可)に加え、ホノルル空港も対象。最高5000万円補償の海外旅行傷害保険も自動付帯しており、国内旅行傷害保険も最高1000万円を利用付帯。さらに、自動車のトラブルをサポートするロードサービスも利用できる。

ポイント制度は月額合計200円利用につき1ポイント(=1円相当)が貯まり、1000ポイントからユニーグループ商品券、三井住友ギフトカード、図書カード、JALマイルなどに交換可。年間5000ポイント以上貯めると翌年度はポイント付与率が20%アップし、さらに3000円分のギフトカードのプレゼントもある。5000ポイントを貯めるには、単純計算で年100万円の利用が必要となるが、「UCSぽいん貯モール」を経由してのインターネットショッピングや、ポイント優待店を上手に利用すれば、獲得効率も高まるだろう。

また、アピタ・ユーホームでは毎月19・20日に、ピアゴでは毎週金曜日に5%オフ(一部商品除く)となる優待もあり、宇佐美直営のガソリンスタンドではガソリン・軽油・灯油が2円/L引き。生活圏内に対象店舗があるなら、よりオススメしたい1枚だ。なお、審査の目安は30才以上、年収500万円以上となっている。

「UCSゴールドカード」

「シティ エリートカード」

家族のラウンジ利用も含めて検討するなら、「シティ エリートカード」もコスパに優れた1枚。年会費は3240円で、家族カードは何枚でも無料(条件を満たす一親等内に限る)。審査の目安も22才以上、年収200万円以上と申し込みやすい。ラウンジは国内28空港で利用可能。海外・国内ともに最高3000万円補償の旅行傷害保険を利用付帯している。

ポイント制度は1決済100円につき2ポイントが貯まり、年間50万円以上利用すると2500ポイントのボーナスもある。ポイントはAmazonギフト券に交換の場合で6000ポイント=2000円相当。各種商品券への交換やキャッシュバックにも利用でき、ポイントに有効期限がないことも大きな特徴だ。

「シティ エリートカード」

「JAL アメリカン・エキスプレス(R)・カード 普通カード」「ANAアメリカン・エキスプレス(R)・カード」

家族以外の同伴者にも枠を広げて考えるなら、「JAL アメリカン・エキスプレス(R)・カード 普通カード」(年会費6480円)、「ANAアメリカン・エキスプレス(R)・カード」(年会費7560円)も候補に挙げたい。どちらもゴールドカードではないが、国内28空港のラウンジが利用でき(航空会社運営のラウンジは利用不可)、JALはホノルル空港、ANAはホノルル空港と仁川空港も対象。同伴者1名も無料で利用できるため、使い勝手に優れたカードとなっている。

「JAL アメリカン・エキスプレス(R)・カード 普通カード」

「ANAアメリカン・エキスプレス(R)・カード」

このほかにも、年間利用額次第では無料で持てるカードや、特定の空港しか使わない人に適したカードもある。今回は万人向けのカードを紹介したが、次回の記事ではハマればさらに高いコスパで使えるカードを紹介する。

公式サイトは以下の通り。

UCSゴールドカード

シティ エリートカード

JAL アメリカン・エキスプレス(R)・カード

ANAアメリカン・エキスプレス(R)・カード

(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。
<著者プロフィール>

タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。2015年3月発売の『最強クレジットカードガイド2015~本当にトクするカードの選び方・使い方~=写真=』(角川マガジンズ)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。