楽天市場での買物は、「楽天カード」で支払えばポイント2倍――この謳い文句に惹かれて「楽天カード」を作った人も多いと思うが、上手に使えば2倍どころか3倍にも4倍にもポイントを増やすことができる。

「楽天カード」で支払えばポイント2倍――「2倍」の仕組みとは?

まずは冒頭の「2倍」の仕組みから正しく理解しよう。楽天市場では、基本的に購入1商品100円(税込、以下同)につき楽天スーパーポイントが1ポイント貯まる(同一商品を複数購入の場合は合計額に対してポイント付与)。これは支払い方法を問わず貯まるポイントで、送料や代引き手数料はポイント対象外となる。次に、「楽天カード」で支払った場合は、先のポイントとは別に、100円につき楽天スーパーポイントが1ポイントが貯まる。こちらは利用合計額に対してポイントが付与されるため、送料もポイント対象となる。

つまり、楽天市場を利用したことによるポイント、「楽天カード」を利用したことによるポイント、この2つが貯まることを「2倍」と呼んでいるわけである。ただし、このままだと「楽天カード」を利用したことによるポイント還元率は1%。さらに還元率を上げたければ、キャンペーンを活用する必要がある。

「楽天カード」

楽天市場では「楽天カード」会員限定のキャンペーンがある

楽天市場では「楽天カード」会員限定のキャンペーンがいくつかあり、そのなかでも最も使いやすいのが「ポン! カン!! キャンペーン」。これは対象の楽天のサービスを1カ月(毎月1日~末日)に3つ利用すると、対象サービス利用に対して得られるポイントが2倍、4つ利用なら3倍、5つ以上利用なら4倍になるもの。対象サービスは「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天ブックス」「ケータイ版楽天市場」「楽天GORA」「楽天kobo」の6つで、キャンペーンページからのエントリーが必要となる。

例えば、対象期間内に楽天市場で5000円、楽天ブックスで3000円、楽天koboで2000円の合計1万円を利用した場合は、単純計算で各サービス利用分として100ポイント(ポイント付与ルールは異なる場合あり)、キャンペーン分として100ポイント、さらに「楽天カード」で払っていたならクレジット利用に対して100ポイント、合計300ポイントが貯まる。

月に3サービスも利用しないという人は、条件をクリアできないと思うだろうが、利用額次第では少額決済が可能なサービスを使うという手もある。楽天市場なら「お試し」などのキーワードで検索すれば、送料無料で100円程度の商品もあり、1回はパソコンから、1回はケータイから購入すれば2サービスをクリアしたことになる。また、楽天koboにも数百円程度の電子書籍がたくさんある。倍増分が100ポイント以上になる場合は、こうした方法も考慮するといいだろう。ただし、各サービスとも100円未満の利用は条件クリアの対象とならないので気をつけよう。

ヘビーユーザーなら年会費1万800円の「楽天プレミアムカード」の利用も

「楽天カード」は年会費無料だが、ヘビーユーザーなら年会費1万800円の「楽天プレミアムカード」の利用も考えよう。同カードには3種類のコースがあり、「楽天市場コース」を選択すると、毎週火・木曜の楽天市場利用に対するポイントが2倍。誕生月は楽天市場と楽天ブックスの利用分も2倍。誕生月の火・木曜に楽天市場で1000円の商品を購入した場合は、楽天市場利用分として10ポイント、曜日に対するボーナスで10ポイント、誕生月のボーナスで10ポイント、「楽天プレミアムカード」のクレジット利用に対して10ポイントの計40ポイントが貯まり、「楽天カード」に比べて還元率が2%高くなる。これに加えて世界400都市以上の空港ラウンジが利用できる「プライオリティ・パス」にも無料で登録できるなど、充実した付帯サービスも受けられる。

「楽天プレミアムカード」

なお、楽天ではグループ内のサービス利用状況に応じて変動する会員ランク制度があるが、最上位のダイヤモンドを取得するには「楽天カード」の保有が必須条件となる(「楽天プレミアムカード」などの上位カードも可)。ダイヤモンド会員になるためには、対象サービスで過去6カ月間に4000ポイント以上かつ30回以上のポイント獲得が必要となるが、毎月1回利用できる福引で最低70ポイント(ひとつ下のプラチナ会員は50ポイント)、誕生月にもれなく700ポイント(プラチナ会員は500ポイント)などの特典があるので、条件をクリアできる人は必携だ。

キャンペーンを積み重ねて還元率を上げていくことが大切

これ以外にも、毎月2回、金曜の10時から翌週月曜の9時59分までは、楽天市場内の対象ショップでの買物が、ダイヤモンド、プラチナ、ゴールド会員は10倍、シルバー会員は5倍、それ以外の会員は3倍になるポイント優待キャンペーンもある。また、「楽天カード」会員以外も利用できるキャンペーンも豊富に行なわれており、例えば楽天イーグルスまたはヴィッセル神戸の勝利翌日は、エントリーをすると楽天市場、楽天ブックス利用分のポイントが2倍(両チームの勝利の場合は3倍)。楽天グループのポイントサイト「もらえるモール」を経由することでも、楽天市場なら購入金額の1.2%のポイントが貯まる。

楽天市場をはじめとする楽天グループのサービスを上手に使うには、こうしたキャンペーンを積み重ねて還元率を上げていくことが大切。不定期で開催されるキャンペーンも多いので、カード会員用サイト「楽天e-NAVI」のキャンペーンページ、楽天市場トップページのバナー、「楽天PointClub」のキャンペーン一覧などをチェックして、買い時を逃さないように心がけよう。ただし、キャンペーンで貯まるポイントは、通常のポイントとは異なり、有効期間が定められた「期間限定ポイント」となる場合が多い。短いものでは有効期間が10日程度で、たいていは毎月15日または末日に期限を迎えるので、事前に使い道を考えておくことが、ムダなくポイントを使うコツとなる。

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(※クレジットカードの用語などは以下を参照)

シーンで選ぶクレジットカード活用術 (1) 最低限知っておいてほしい基礎知識

※本記事で紹介したサービス内容は、消費税率8%を前提とした更新日時点の情報です。また、各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。
<著者プロフィール>

タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。2015年3月発売の『最強クレジットカードガイド2015~本当にトクするカードの選び方・使い方~=写真=』(角川マガジンズ)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。