近年、各地でバトルやサッカーなどの大会が開催されるようになってきたが、12月8日~9日には、秋葉原UDXにて「KYOSHO アスレチクスヒューマノイドカップ」が行われる。これは2足歩行ロボット「MANOI」が参加できる大会で、短距離走の「アスリート」と自由演技の「パフォーマンス」といった2つの種目がある。

ちなみに初日の8日にはアスリート種目のプレス対抗戦が行われるということで、弊誌マイコミジャーナルにも"招待状"として、主催者の京商から「MANOI AT01」のキットが届いた。「作るのが間に合いませんでした」ではシャレにならないので、急ぎ組み立てから始めてみたい。

京商から届いた「MANOI AT01」のパッケージ。同じ組立キットでも、近藤科学のKHRシリーズよりも大きくて重い

その中身。MANOIは外装が付いているので、その箱(右)がかなり大きい。重いのは充電器(左上)が付属しているためだ

MANOIはどんなロボット?

MANOIのスペックは以下のとおり。これまでMANOIシリーズでは、表現力に優れる「PF01」、運動性能に特化した「AT01」、AT01の頭部を小さくして軽量化を図った「AT01 SMALL FACE」が発売されている。今回届いたのは最新版のAT01 SMALL FACEである。最も今回の競技に適したモデルと言え、性能が楽しみなところである。

MANOIシリーズの仕様
機種 PF01 AT01 AT01 SMALL FACE
身長 40cm 43cm 41cm
重さ 約2kg 約1.41kg 約1.35kg
自由度 17
サーボ KRS-4024S HV
制御ボード RCB-3
ジャイロ 2個付属 別売
バッテリ Liポリマー Ni-MH
価格 199,500円 147,000円

以前紹介したKHR-2HVと同じように、近藤科学製のサーボモーターとコントロールボードを使用しているが、まず大きな違いはサーボの種類だ。MANOIではロボット専用に開発された「KRS-4024S HV」を使用しており、トルク(10.5kg・cm)やスピード(0.17sec/60°)こそKHR-2HVの「KRS-788HV」と大差ないが、動作角は約260°とかなり広くなっている。

サーボモーター「KRS-4024S HV」の各方向

KHR-2HVのサーボ(右)とは大きさがかなり違う

またコントロールボードも、フル機能版の「RCB-3」を搭載している。普通に使う分にはKHR-2HVの「RCB-3J」とほとんど変わりはないが、RCB-3ではシリアル対応サーボの制御も可能となっている。またファームウェアのバージョンが1.03以降であれば、分岐命令が高速化されるというメリットもある。

組み立て前の準備作業

さて、それでは早速組み立てに入ろう。まずは充電器を用意して、バッテリの充電を行う。これは工程の途中でコントロールボードを使う必要があるためだ。充電は1C(AT01の標準バッテリは容量300mAhなのでこの場合0.3Aとなる)が基本だが、付属の充電器は0.5Aからなので、ボリュームを最小にあわせる。

まずは充電

次からはロボット本体の組み立てだが、まずパーツを確認しておこう。各パーツはそれぞれ袋に小分けされており、概ねその番号順に使うことになる。ネジの種類も多いが、袋に種類が書いてあるのは分かりやすい。

ロボット本体のパーツ。それぞれの袋には番号が付けられている

本体で使うネジ。袋に種類が書かれているのは便利だ

最初の工程は、シングルアームとクロスアームの組み立てだ。後で使用するものなので、ここでまとめて作っておく。特に難しいところはないが、作業全体を通して、タッピングビスの締め方だけは注意しよう。これを締め過ぎると中のネジ穴を壊してしまうので、ネジ頭の位置を気にしながら、手応えが変わったら止めるのがコツだ。

タッピングビスが入りきるあたりでは特に慎重に

まずはシングルアームを8つ作成する

次はコントロールボード「RCB-3」のセッティングをして、サーボの原点設定を行う。この作業は、サーボの出力軸を基準となる角度(AT01の場合は全て0°)にあわせておくもので(初期状態ではどこを向いているか分からない)、これを忘れると、関節が正しく曲がらなくなる可能性がある。

サーボのケーブルは脱着が可能になっている

ケーブルは5種類の長さが用意されている

まずは腕と頭の組み立てから

ここからは本格的な製作に入る。マニュアル通りにやっていけば問題ないが、以下、主な手順をざっと説明しながら紹介していく。

まずは腕の組み立てから行う。

サーボを使うときは、後で分かりやすいようにCH番号を記したシールを貼る

左右対称のエルボーユニットが出来上がる。これは左右の上腕部になる

次に作るのはハンドユニット。使うのはこれらのパーツ

組み立て後。サーボにはアングルゲージが付けられている

手と腕を接続する。サーボの出力軸を見て分かるように、MANOIは左右対称でない場合が多い

続いてショルダーユニットを作る。このように角度が違うものが2つできあがればオーケー

次は頭部の組み立てになる。

これらのパーツでまずアッパーフレームユニットを作る

それに頭のサーボを取り付ければヘッドユニットは完成