こんにちは。一日3時間をニコニコ動画に費やすダメ社会人、山田井ユウキです。

今日もさっそく最近流行の動画や埋もれている良動画を独断と偏見で皆さんに紹介していこうと思います。選ぶ基準はただ一つ、僕の趣味です!

もうかれこれ1年半以上前の2008年3月、株式会社ランティスが自社のアニメ・ゲームソングをメドレー形式に編集し、「ランティス組曲」という名前でリリースするという出来事がありました。

歌ったのは、当時ニコニコ動画で活躍していた有名な歌い手たち11人。今でこそニコニコ動画関連のCDが発売されることも珍しくなくなりましたが、当時は告知の段階から運営サイドもかなり気合いを入れており、ユーザー共々大いに盛り上がっていたのを覚えています。

結果、売上げはオリコンチャートでデイリー9位を達成。この数字を妥当と見るか驚異的と見るかは人それぞれですが、個人的には十分な実績ではないかと思います。

今回はそんな「ランティス組曲」と、その周辺の動画を取り上げつつ、当時の熱気をお伝えしていくことにしましょう。

何はともあれ、まずは本家「ランティス組曲」をお聞きください。2パターンご紹介しますので、いずれかお好きな方をどうぞ。


動画付きで楽曲の元ネタとなったアニメやゲームが何なのかよくわかるバージョン。


歌い手をアバターで表示しており、どのパートを誰が歌ったのかがよくわかるバージョン。

……歌い手である11人は、「J」「ゴム」「nayuta」「Re:」「のど飴」「A姉」「yonji」「社長」「サリヤ人」「ゼブラ」「ガゼル」といった豪華メンバー(ガゼルはシークレットメンバーでクレジット表記はなし)。初期のニコニコ動画ユーザーであれば、まず間違いなく彼らの名前はご存じのことでしょう。

本来なら一人ひとりについて説明していきたいところですが、紙面の都合上それはまた別の機会に譲るとして、次はレコーディング風景をご覧ください。


発売1ヶ月前に公開された動画で、彼らが楽しく収録している様子が伝わってきます。"おまけ"も必見です。

――さて、この「ランティス組曲」が発売されたことで、ニコニコ動画ではちょっとしたランティス組曲ブームが起こり、"歌ってみた"はもちろんのこと、替え歌やMADなどが数多く投稿されるようになりました。

その中でも個人的に特に秀逸だと感じたのがこちら。


20分にも及ぶ本家ランティス組曲を編集し、10分という短時間に収めたハイレベルなアレンジ動画。曲順を強引に入れ替えるという力技で編集されているにも関わらず、まるで最初からそうであったかのようなナチュラルなつなぎは、本家ランティス組曲を聞き込んだ多くのユーザーを驚かせることに成功します。特に9分前後からラストにかけての編集はお見事! 思わず何度も巻き戻して聞いてしまいました。


ランティス組曲関連の動画となれば、こちらも必見の力作。16人にも及ぶ歌い手がランティス組曲を歌い上げる"歌ってみた"のコラボ動画で、実にニコニコらしい作品といえます。最大の特徴はそのフリーダムさで、物真似やMCなど本家にない要素も盛りだくさん。どこか癖になる中毒性を持った動画です。

これだけでも十分楽しめるのですが、ここで終わらないのがニコニコ動画。続いて本家とパランティスを合わせた超豪華版ランティス組曲が登場します。


さすがにこの人数になると、声の厚みがものすごいですね。さらに楽曲のJAM Projectパートには、ニコニコ動画で人気の歌い手コラボユニット「軟鉄兄弟」の歌声が挿入され、熱さも最高潮に!

最後は、ちょっと毛色の違う動画をご紹介します。


タイトルだけ見ると何のことやらわからないかもしれませんが、ランティス組曲の全パートをたった一人で、しかもしっかりと物まねしつつ歌うという無謀なネタに挑戦した動画。本家を知っていればいるほど楽しめます。

……そしてこれで終わらず、本家との比較版が即座にアップされるのがまた、非常にニコニコらしい。


ヘッドホンをお持ちの方はぜひお使いいただきたいのですが、左耳から本家ランティス組曲が、そして右から「全員俺」が流れてきます。驚くべきは、一見無謀とも思える先ほどの挑戦が、実は意外にもかなり各人の特徴を捉えていたということ。こういった思いもよらぬネタが生まれてくるから、ニコニコ動画は面白い!

――といったところで、今回はここまで。

ランティス組曲は、ニコニコユーザーと企業とのコラボの可能性を提示した貴重な機会になりました。今後はどんな企画が登場するのでしょうか。今から楽しみですね。

勝手エヴァンジェリスト・山田井ユウキ

1980年生まれ。レビューサイト「カフェオレ・ライター」で、映画、漫画、ゲームなどを独自視点からレビューする他、「builder by ZDNet Japan」「ハリウッドチャンネル」など各種媒体で記事を連載中。どんなに忙しくても一日数時間ニコニコ動画に費やすという、社会人としてあるまじき生活を謳歌中。好きな動画ジャンルはゲーム実況、ボカロ、他エンタメ系全般。

(タイトルイラスト:3P3P) ※本コラムで紹介している動画は、作者やサイトなどの都合により削除されることもあります。あらかじめご了承ください。